ものづくり補助金平成30年度製造業茨城県

シャツプリント工程での作業自動化・ムダ排除・インク改良による生産性向上

株式会社TWENTY

成果版替えの時間(1日延べ) 5時間→2.5時間

この事例のポイント

  • 手作業のプリントは作業者が一台ずつ行い、作業台の数も少ないため生産性が低く、人員が不足していた。
  • 自動スクリーン印刷機を新たに導入した。
  • 版替えの時間(1日延べ) 5時間→2.5時間。自動塗布により品質のバラつきがなくなり、インクの厚さも安定した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TWENTY
所在地茨城県 つくば市
業種印刷・同関連業
技術分野製造環境
従業員数20人
資本金300万円
設立2005年

事業の背景

2005年の創業以来、デザイン・印刷・看板製作を行ってきたが、現在はシャツ類のウエアプリントを主体としている。当初のロードサイド店でのオリジナルTシャツ製作から、業者専門のプリントに路線変更し、全国のスポーツ店などからデータを受けてプリントのみを下請けしていた。広告代理店や飲食チェーン店との取引が増えて大ロット(数万枚)の案件が増え、6月から9月に注文が集中するため生産能力不足で断ることも増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作業のプリントは作業者が一台ずつ行い、作業台の数も少ないため生産性が低く、人員が不足していた。
  • 品質・精度手作業では作業者の力加減に個人差があり、インクが厚くなったり薄くなったりしてインク代のムダやコスト高につながっていた。
  • 人手・技能プリントに力が必要なため長時間の作業が難しく、人数が集中する場面では対応できないこともあった。

やったこと

自動スクリーン印刷機を新たに導入した。各作業台(ステーション)でインクが自動で塗布され、異なる色を塗布する時は作業台が自動で回転して隣のステーションに移される。インク塗布と機械の回転が自動になったことで待ち時間が大幅に減り、版替えの時間は1日延べ5時間が2.5時間へと短縮された。コンプレッサーの圧力で均一に塗布するため、人の力では落ちにくい細かい穴にも塗布でき、繊細な多色刷りも可能になった。既存の市販インクは生地によって伸びにくいことがあったため、インクメーカーと連携し、同社の設備に応じたインクを共同開発した。さらに、スペース確保のため新たに工場を増設した。

加工機自動スクリーン印刷機
その他自動印刷機用インク

事業の効果

  • 版替えの時間(1日延べ) 5時間→2.5時間

自動塗布により品質のバラつきがなくなり、インクの厚さも安定した。待ち時間が大幅に減って生産能力が上がり、従来断っていた大ロット多色刷りや短納期の注文にも対応できるようになった。従業員の作業環境が改善され、働く意欲も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    取引が広告代理店や飲食チェーンへ広がり、下請けプリントから大ロット案件へ成長したとあるが、経営戦略上の位置づけは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    音楽ライブ・エンターテインメント市場が最近5年で約2倍と外部環境に触れ、大ロット多色刷りの需要増を強みに挙げているが、競争優位の論理は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    生産能力不足で断る案件が増えた課題に対し、自動印刷機導入で版替え時間が1日延べ5時間から2.5時間に短縮と数値で示され、課題と解決が対応している。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    版替え時間の短縮や1カ所10~15秒の作業削減は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員20名規模で工場増設や従業員のモチベーション向上に触れるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大ロット多色刷りの需要増、細かい穴への塗布、既存インクの伸縮問題への対応など製品価値の説明がある。顧客ターゲットは明確でない。

  • 事業化までの道筋2

    インクメーカーとの共同開発を行っているとあるが、中長期の遂行スケジュールや検証の方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    シャツプリントの一般的な普及度には触れず、大ロット多色刷りや複雑なグラデーション対応を強みとして示している。高水準の高付加価値化の裏付けは弱い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    音楽ライブ市場の拡大や従業員の働きやすさには触れるが、地域波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果2

    待ち時間の削減や版替え時間の短縮は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動スクリーン印刷機という機械化は示されるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はなく、サプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    つくば市を拠点とする事業者という情報はあるが、地域特性を活かした高付加価値化や地域経済の牽引についての記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産能力の大幅な向上により、これまで断っていた引き合いに確実に応じる体制ができた。音楽ライブ・エンターテインメント市場が最近5年で約2倍に成長しており、より複雑な図柄やロットの多い受注にも対応して業界での認知度や信頼性を高めていきたいとしている。

事業者の声

ウエアプリントは楽しい仕事です。お客さまの喜びが力となり、従業員もワクワクしながら仕事をすることができます。今回の機械導入、開放感のある工場新設で、従業員が楽しく仕事できる環境が整いました。社長として従業員が楽しめているか常に目を配り、従業員はお客さまの笑顔を大切にする、そういったサイクルが、確実に業績のアップにつながると思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。