ものづくり補助金平成28年度製造業和歌山県

業務用寝装品検査システム導入による品質及び 顧客サービス向上計画

株式会社丸昌

成果検査所要日数 7日→3日

この事例のポイント

  • 品種の増加や生地素材の輸入国の広がりで品質管理が複雑になり、特殊試験機がないため性能検査は外部専門機関に委託していた。
  • 試験機の内製化のため、繊維混用率測定用振とう機、精密万能材料試験機、織布エルメンドルフ形引裂強度試験機、試験用洗濯機、洗濯堅牢度測定機、染色物摩擦堅牢度試験機、汗試験機など10機…
  • 検査所要日数 7日→3日。外部委託していた性能検査を内製化したことで、コストを大幅に削減できる見込みである。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社丸昌
所在地和歌山県 和歌山市
業種繊維工業
従業員数207人
資本金1,000万円
設立1973年

事業の背景

病院や施設、ホテルなどに向けてベッドリネンや患者衣、浴衣などの寝装寝具を製造販売し、全国47都道府県に提供している。年間700万点を上回る製品を生産しており、中国に自社工場を設けて価格と品質を重視した安定供給で信頼を得てきた。現在はリネンサプライヤーへの販売拡大が進み、色や柄、素材のニーズ多様化で品種が増えたことから、素材確保のための輸入国が広がりつつある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度品種の増加や生地素材の輸入国の広がりで品質管理が複雑になり、特殊試験機がないため性能検査は外部専門機関に委託していた。
  • コスト・採算毎週40アイテムを超える輸入製品の検査を外部に頼むことは、時間的にも費用的にも負担が大きくなっていた。
  • 納期・工程外部委託では試験体の往復期間を含め通常1週間以上かかり、顧客への納品も遅れる状況だった。

やったこと

試験機の内製化のため、繊維混用率測定用振とう機、精密万能材料試験機、織布エルメンドルフ形引裂強度試験機、試験用洗濯機、洗濯堅牢度測定機、染色物摩擦堅牢度試験機、汗試験機など10機種を導入した。専用人員は導入後すぐに経験者の採用が決まり、和歌山県工業技術センターでの技術研修と技術指導を経て早期の稼働を実現した。これにより外部委託していた各種試験を自社で行い、試験頻度を高めつつコストを削減した。各種試験データは蓄積・分析して品質管理に使うとともに、自社ブランドの品質証明にも活用する。

  • 検査測定繊維混用率測定用振とう機精密万能材料試験機織布エルメンドルフ形引裂強度試験機試験用洗濯機洗濯堅牢度測定機染色物摩擦堅牢度試験機汗試験機

新しい製品・サービス:各試験データを提示する品質保証付きの新サービス

事業の効果

  • 検査所要日数 7日→3日

外部委託していた性能検査を内製化したことで、コストを大幅に削減できる見込みである。外部委託の場合は1アイテム3万3800円かかっており、週40アイテムとすると年間約7000万円となるため、専用人員の人件費約500万円を考慮しても大きな削減といえる。検査期間も大幅に短縮され、顧客への納品も早まり、品質を重視する強みを保ちながら小ロット・短納期に対応できるようになった。さらに試験データを品質保証として示す革新的なサービスにより、新規顧客の獲得も目指せる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決外部委託の週40アイテム検査が時間・費用で難しくなった課題を示し、内製化で2~3日に短縮した点まで具体的。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1アイテム3万3800円、週40アイテムで年間約7000万円の削減見込みと人件費約500万円を示し、数字で目標が明確。
  • 4
    事業を進める体制導入後すぐに経験者を採用し、和歌山県工業技術センターでの研修と技術指導を経て早期稼働した経緯が書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性中国自社工場や品質重視の方針は読めるが、検査内製化が過去の取組とどう連続するかは書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    中国自社工場や品質重視の方針は読めるが、検査内製化が過去の取組とどう連続するかは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    中国工場と価格・品質第一主義、ホテル等への供給実績から強みは読めるが、市場動向との対比は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    外部委託の週40アイテム検査が時間・費用で難しくなった課題を示し、内製化で2~3日に短縮した点まで具体的。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1アイテム3万3800円、週40アイテムで年間約7000万円の削減見込みと人件費約500万円を示し、数字で目標が明確。

  • 事業を進める体制4

    導入後すぐに経験者を採用し、和歌山県工業技術センターでの研修と技術指導を経て早期稼働した経緯が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    品質保証としての試験データ提示と新規顧客獲得の狙いは示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    データ蓄積による品質管理強化とブランド定着の方向性はあるが、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    耐洗濯性能など品質要求が高まる業界動向に触れるが、分野の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    輸入国拡大や業界動向への言及はあるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    投資額に対し年間約7000万円規模の外注費削減と人件費負担を比較し、費用対効果を数字で示している。

  • イノベーションへの貢献2

    データ蓄積と分析による品質証明はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的でない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    和歌山市の企業である点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は乏しい。

今後の展望

品質保証として各試験データを提示し、価格だけで競う仕入先との差別化を図り新規顧客を獲得する。データの蓄積で品質管理を強化し、「丸昌ブランド」の定着と、新規・既存取引先を含めた売上の拡大を目指す。東京オリンピックを見据えて競合他社との差別化も図る予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。