ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

ハイドロ銀チタンを固着させたタオルの販売

株式会社TTL

この事例のポイント

  • 生産工程での薬液の調合・投入ミスなど人的ミスにより、ハイドロ銀チタンが付着していない製品が出る可能性があった。
  • 当該粒子の確認ができる卓上電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡 MiniscopeTM3030Plus)を導入し、縫製工程の前に新たに設けた検査工程を強化した。
  • 電子顕微鏡の導入により目視検査でタオルへのハイドロ銀チタンの付着が明白に判定できるようになり、100%確実に機能を果たす商品を消費者へ提供できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社TTL
所在地愛媛県 今治市
業種繊維工業
技術分野表面処理
従業員数80人
資本金1,000万円
設立1983年

事業の背景

株式会社TTLは一広グループの国内製造部門として、タオル製品の製造を手掛けている。販売先は一広向けが主体で、バスタオル、ハンドタオル、ウォッシュタオル、バスローブ、バスマットなど多様なアイテムを扱う。近時グループが独自に開発したハイドロ銀チタンを使用したタオルの品質保証のため、電子顕微鏡を導入した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度生産工程での薬液の調合・投入ミスなど人的ミスにより、ハイドロ銀チタンが付着していない製品が出る可能性があった。
  • 品質・精度X線検査装置は機械であるがゆえに不具合や故障で未付着の製品を見逃す可能性が残されていた。
  • 人手・技能人の目による検査ラインが必要であり、その検査で付着確認を行う必要があった。

やったこと

当該粒子の確認ができる卓上電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡 MiniscopeTM3030Plus)を導入し、縫製工程の前に新たに設けた検査工程を強化した。タオル生地へのハイドロ銀チタンの付着状況を電子顕微鏡で目視確認し、サンプル抽出により付着確認を行う運用とした。運用評価は一般財団法人日本繊維製品品質技術センター(QTEC)の研究員の指導を受けながら検査手順を確立した。

検査測定日立卓上顕微鏡(MiniscopeTM3030Plus)

新しい製品・サービス:ハイドロ銀チタンを付着させたタオル製品群。触媒物質の固着量を調整し、様々な商品を展開している。

事業の効果

電子顕微鏡の導入により目視検査でタオルへのハイドロ銀チタンの付着が明白に判定できるようになり、100%確実に機能を果たす商品を消費者へ提供できるようになった。新商品は百貨店やテレビ通販などに投入し、タオル美術館グループの直営店85店舗でも販売している。今後は原糸段階での固着化技術の開発や他社との連携により、将来的に一広グループの新たな事業の柱となることを目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    タオル製造を主力とする一広グループの国内製造部門で、ハイドロ銀チタン品質保証のための電子顕微鏡導入が示される。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    世界初の試み、独自技術で触媒を均一に固着させる点、花粉症等の需要が流行期に高まると予測する点が書かれ、強みと市場の関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    X線検査の見逃しや人的ミスという課題と、電子顕微鏡で検査工程を強化する解決策が示される。高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれていない。100%確実に機能を果たす商品を提供できるという定性的な成果のみ。

  • 事業を進める体制4

    従業員80名、QTECの研究員の指導を受けて検査手順を確立したことが書かれ、体制の確保がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    花粉・ハウスダスト等を分解する機能が明示され、百貨店・テレビ通販・直営店85店舗での販売など顧客と市場が示される。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動として新商品投入、原糸段階での固着技術開発、他社連携、他業種連携が時系列に示される。ただし期限や数値は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    タンパク質を分解する触媒をタオルに固着させる製法は世界初とされ、一般的な普及度が低い分野と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    一広グループの新たな事業の柱となる方針や花粉症対策の生活環境改善は書かれるが、地域経済や雇用への波及は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献3

    触媒物質の繊維製品への加工技術を進展させ他社専業メーカーと連携する点が書かれ、サプライチェーンへの広がりがうかがえる。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    今治市の本社と工場が示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

触媒物質の繊維製品への加工技術を進展させ、専業メーカーとの連携を図る。原糸段階での固着化技術を開発し、肌着や靴下、衣類、寝具などへの採用を目指す。また高機能商品の機能確認業務を請け負い、一広グループの新たな事業の柱としていく方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。