ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

最新アパレル用CAD/CAM導入による多品種・小ロット短納期対応の強化と新事業立上げ

有限会社アイコーソーイング

この事例のポイント

  • 多品種小ロット化が進む中で、生産性向上と短納期の実現が求められていた。
  • 平成29年度に、生き残りをかけて最新機器の導入に踏み切った。
  • 自動マーキングにより型入れの時間が短縮され、裁断は手作業から自動化したことで30%以上のリードタイム短縮につながった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社アイコーソーイング
所在地島根県 雲南市
業種繊維工業
技術分野デザイン
従業員数16人
資本金1,700万円
設立1988年

事業の背景

1988年に紳士服のベスト縫製の協力会社として創業し、その後は学生服のスラックス製造を主力としてきた。学生服は平成時代に入ると、詰襟一辺倒からブレザーやスーツなど各校の個性が尊重されるようになり、少量多品種による競争が始まった。少子化による需要減も見据え、生産性向上、短納期化、高付加価値化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種小ロット化が進む中で、生産性向上と短納期の実現が求められていた。
  • 人手・技能裁断は熟練職人の手作業に頼っており、小ロットの増産に対応しきれなかった。
  • 納期・工程1月から4月上旬の超繁忙期には入学式に間に合わせたいという納期要望が集中していた。

やったこと

平成29年度に、生き残りをかけて最新機器の導入に踏み切った。補助事業では、NCA XLS1型マイコン自動延反機と高速自動裁断機(2009年式 TAC-175VN)を導入した。アパレル用CAD/CAMも導入したが、これは補助対象外である。新しい機械の導入に合わせ、従来の工場が手狭だったため、約3倍の広さを持つ遊技施設跡に移転した。移転先の2階は外国人技能実習生10名の寮として活用している。

  • 加工機NCA XLS1型マイコン自動延反機高速自動裁断機 TAC-175VN2009年式

新しい製品・サービス:作業ズボンなどの新規事業

事業の効果

自動マーキングにより型入れの時間が短縮され、裁断は手作業から自動化したことで30%以上のリードタイム短縮につながった。裁断数量が増えたため縫製作業員を増やして対応し、生産量は2割以上増加した。この補助事業により年商も2割以上アップしている。また、女子生徒用スラックスのオーダーも増えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決自動裁断機導入で30%以上のリードタイムカット、生産量2割以上増加と具体的な数字で課題解決の効果が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制縫製作業員を増やして対応したことや外国人技能実習生の活用がうかがえるが、体制の計画としての記述は限定的。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    学生服スラックス生産で安定的に事業展開してきた経緯と、多品種少ロット化への対応として自動化を導入した流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    少子化による需要減や多品種少ロット化の外部環境を踏まえた導入とあるが、競争優位性の具体的な分析は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    自動裁断機導入で30%以上のリードタイムカット、生産量2割以上増加と具体的な数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量2割以上増加や年商2割以上アップという実績はあるが、事業計画時点の目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    縫製作業員を増やして対応したことや外国人技能実習生の活用がうかがえるが、体制の計画としての記述は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ユーザーの短納期ニーズや入学式に間に合わせたい需要は書かれているが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    繁忙期以外の裁断機活用や作業ズボンなど新規事業の展望は書かれているが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    学生服スラックスの多品種少ロット化は書かれるが、高付加価値化や高価格化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用として外国人技能実習生を活用している点がうかがえるが、国が補助する積極的理由は記述されていない。

  • 費用対効果3

    導入後に年商2割以上アップ、生産量2割以上増加とあり費用対効果の方向性は読み取れるが、補助金額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    CAD/CAMや自動裁断機などのデジタル技術活用はうかがえるが、サプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    山陽地方の企業や雲南市の地域企業として雇用を維持している点はうかがえるが、地域経済への効果は具体的でない。

今後の展望

繁忙期以外も裁断機を活用し、縫製まで対応できない時期も裁断までの受注に対応する。作業ズボンなどの新規事業を立ち上げ、さらなる年商アップに挑む。

事業者の声

繁忙期以外の裁断機の活用を考えたい。縫製までの工程だと人手不足で対応できなくても、裁断までだと対応が可能。また、作業ズボンなど新規事業を立ち上げることで、さらに年商アップに挑みたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。