ものづくり補助金平成26年度製造業新潟県

高速自動裁断機(CAM)の導入による生産性改善と多能工化による生産システム革新への取り組み

有限会社 サンポウ

成果裁断工程数 6工程→5工程

この事例のポイント

  • 手動式の裁断設備では生産性が悪く、裁断部門の効率化に時間と費用がかかっていた。
  • 高速自動裁断機(㈱川上製作所製カワカミ自動裁断機 GP-50G-3S)を導入した。
  • 裁断工程数 6工程→5工程。裁断工程が1工程減り、裁断部門の3人を縫製や仕上げ・検品へ配置できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社 サンポウ
所在地新潟県 阿賀町
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス
従業員数37人
資本金300万円
設立2006年

事業の背景

有限会社サンポウは高級婦人服の裁断・縫製を手がけている。国内アパレル製造業は手作業に依存する部分が多く機械化が難しい産業である。消費者ニーズの多様化により多品種少ロットの流れが年々強まる一方、少品種の大量生産品は中国やアセアン地域へ生産拠点が移り、国内は一段と厳しい条件に置かれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手動式の裁断設備では生産性が悪く、裁断部門の効率化に時間と費用がかかっていた。
  • 納期・工程裁断部門の生産性が著しく低く、次工程への供給が遅延して、納期に間に合わせるため日々残業で対応していた。
  • コスト・採算多品種少ロット化で日々生産ラインを変更すると製造原価を吸収することが難しくなっていた。

やったこと

高速自動裁断機(㈱川上製作所製カワカミ自動裁断機 GP-50G-3S)を導入した。バキューム圧の自動制御、ナイフ摩耗の自動計測・補正、自動速度調整、ナイフナビゲート、3連ポンチ装置、上下ダブルカム仕様などの省力化技術を備える。エッジコントロールシーマー(JUKI㈱製 AE-200ALA、2連ペダル仕様)も生産ラインに導入し、異種曲線生地の合わせ縫いを可能にした。あわせて従業員の多能工化を進めた。

加工機カワカミ自動裁断機 GP-50G-3S(㈱川上製作所製)
加工機ジューキエッジコントロールシーマー AE-200ALA(JUKI㈱製、2連ペダル仕様)

事業の効果

  • 裁断工程数 6工程→5工程
  • 裁断工程の作業人員 7人→4人
  • 1ロット(200枚)の裁断時間 720分→124分
  • 縫製部門の生産枚数が平均で2.47倍に改善
  • 設備後の試作段階では対前年比1.6倍に完成品の生産性が向上

裁断工程が1工程減り、裁断部門の3人を縫製や仕上げ・検品へ配置できるようになった。難素材の1ロット裁断時間が大幅に短縮し、縫製部門の生産枚数も平均2.47倍に改善した。作業者が複数の工程を担える体制が整い、生産ライン全体のスピードアップと多品種少ロットへの柔軟な対応が進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    手動裁断設備の非効率が課題とされ、高級婦人服の生産強化に関係づけられているが、過去の取組との連続性は明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    多品種少ロット化や海外シフトの外部環境に触れ、多能工化と高品質受注を強みとして挙げているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決5

    裁断1ロット720分から124分(82.8%短縮)、裁断人員7人から4人と数字で課題解決効果が示され、生産性向上の実効性が高い。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性は対前年1.6倍、縫製生産枚数2.47倍と数値目標・実績が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    多能工化の人材育成や配置転換の方針は書かれているが、事務処理や遂行体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多様化する難素材や高品質受注の方向性は書かれているが、顧客ターゲットや選ばれる理由の具体性は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の裁断ライン確立や配置転換の方針はあるが、中長期のスケジュールや課題解決の段階的方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    難素材の裁断という分野は示されているが、普及度や高水準の高付加価値化を裏付ける記述は少ない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内アパレル製造業の機械化困難性や雇用・技術伝承に触れているが、経済波及効果の数値的根拠は示されていない。

  • 費用対効果3

    設備投資による工程短縮や人員削減の効果は数字で示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動裁断機やエッジ制御シーマーの導入は示されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は限定的。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内アパレルの機械化と多能工化による構造的課題への対応がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    地域の雇用や地域経済への言及はわずかで、新潟県内の地域特性との結びつきは読み取りにくい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

裁断量と加工時間の短縮による新しい裁断・縫製ラインを軌道に乗せ、多能工化と生産性向上を進める。機械装置とオペレーターが一定水準に達することで高齢化への対応と技術伝承も図り、新規雇用につなげる。対前年売上1%増加を目標にしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。