ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

生産工程の温度をコントロールし、輸出向け吟醸酒の品質向上と拡販を図る

李白酒造有限会社

この事例のポイント

  • 海外での売上が全体の5割を占めるが、注文は大量で短納期が多い。
  • 冷却機能を持つサーマルタンク(密閉4000型)を導入し、酒を貯蔵する瓶詰め前の工程で温度管理ができるようにした。
  • サーマルタンクの導入により工程の温度管理が可能になり、品質がさらに向上した。

事業者のプロフィール

事業者名李白酒造有限会社
所在地島根県 松江市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数21人
資本金3,220万円
設立1950年

事業の背景

李白酒造は1882年に松江城の近くで個人商店として創業し、1950年に法人組織となった。主力は吟醸酒などの日本酒で、海外での売上が全体の5割を占める。1980年代から香港を手始めに海外販売を始め、現在はアメリカやシンガポール、ドイツなどにも取引先が広がっている。海外からの注文は大量で短納期が多い状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力海外での売上が全体の5割を占めるが、注文は大量で短納期が多い。
  • 人手・技能注文への対応のため長時間の残業が発生し、働き手を一時的に増やす必要があった。

やったこと

冷却機能を持つサーマルタンク(密閉4000型)を導入し、酒を貯蔵する瓶詰め前の工程で温度管理ができるようにした。オゾン水・オゾンガス発生装置(OM-3000-PS)を導入し、オゾンガスから作るオゾン水で容器などを殺菌した。オゾン水は従来の熱湯と比べて殺菌力がはるかに高く安全で、衛生管理の強化につながり、大量瓶詰めも可能になった。製造工程を途切れなく冷蔵管理できるようになり、休日明けでも無駄なく作業を継続できるようになった。

その他サーマルタンク密閉 4000型
その他オゾン水・オゾンガス発生装置 OM-3000-PS

事業の効果

サーマルタンクの導入により工程の温度管理が可能になり、品質がさらに向上した。製造工程を途切れなく管理できるため、製造能力が上がり、海外からの急な注文にも十分に対応できるようになった。オゾン水による衛生管理の強化で、大量瓶詰めが可能となり、信頼性も高まった。これにより海外向けの輸出増につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1882年以来の製造と海外進出の流れ、設備投資を約20年続けてきたことが書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外売上が全体の5割、香港から始まりアメリカ・シンガポール・ドイツへ取引先が広がったと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    海外注文が大量・短納期で長時間残業が常態化していた課題を示し、サーマルタンク導入で解決に向かうと書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれておらず、輸出増につなげているとの記述のみ。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材についての記述は少なく、働き手を一時的に増やしていたとの説明にとどまる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高い評価を受ける味と品質、海外での人気、ラベル刷新などから製品の価値と選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入設備の効果と製造の安定化は書かれるが、遂行スケジュールや中長期の検証内容は明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    日本酒は海外で高級酒として人気との記述があり、高付加価値化の方向性はうかがえるが数値は乏しい。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    日本食の海外普及や文化継承への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出の具体的な記述は薄い。

  • 費用対効果2

    費用対効果を示す数値は書かれておらず、製造能力向上と安定出荷の効果が述べられるにとどまる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    松江市の地域性や酒蔵での地元イベントに触れているが、地域経済への効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。