ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

地元で水揚される魚を活かす缶詰産業プロジェクト

株式会社シーライフ

この事例のポイント

  • 告の最終工程は福井県小浜市の告詰業者に委託しており、外部委託のため費用がかかり利益率も上げにくかった。
  • 告詰製造設備として、巻き締め機にあたる半自動バキュームシーマー HC-F2、圧力殺菌釜 HC-U-2、蒸し器 TSB-65を導入し、最終工程を自社で行う体制を整えた。
  • 自社生産に切り替えたことで、委託加工に比べてコストを削減でき、利益率の向上も見込めるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社シーライフ
所在地島根県 浜田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数18人
資本金300万円
設立2006年

事業の背景

株式会社シーライフは平成18年に市内の水産加工会社に勤務していた河上清志さんが設立した。浜田市の特選水産ブランド「どんちっち93魚」のPR専門業者として、行政の支援を受けながら高級贈答品やカタログギフト、ふるさと納税で売り上げを伸ばしてきた。産官学連携で開発した「ノドグロのふりかけ」なども大ヒットし、売上は2億5000万円、従業員は18人である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算告の最終工程は福井県小浜市の告詰業者に委託しており、外部委託のため費用がかかり利益率も上げにくかった。
  • 生産能力市内に告詰を製造する工場がなく、少ロットでの生産や高付加価値商品の製造ができなかった。

やったこと

告詰製造設備として、巻き締め機にあたる半自動バキュームシーマー HC-F2、圧力殺菌釜 HC-U-2、蒸し器 TSB-65を導入し、最終工程を自社で行う体制を整えた。県水産技術センターの製造機械を使ってノドグロやアジの告詰を共同試作し、試食で好評を得てから自社生産に切り替えた。導入により少ロット生産が可能になり、オイル漬けなどの高価格・高付加価値商品も製造できるようになった。2017年秋に27年ぶりとなる浜田産の告詰が復活した。

  • 加工機半自動バキュームシーマー HC-F2圧力殺菌釜 HC-U-2蒸し器 TSB-65

新しい製品・サービス:水煮の「どんちっち告詰」(ノドグロ、カレイ、アジ)と、ホウボウやカサゴなどの水切り告詰「今朝の浜」

事業の効果

自社生産に切り替えたことで、委託加工に比べてコストを削減でき、利益率の向上も見込めるようになった。少ロット生産が可能になったため、オイル漬けなどの高価格・高付加価値商品を製造できるようになった。27年ぶりに浜田産の告詰を復活させ、周囲の期待も高まっている。小規模企業ならではの希少価値を生かし、首都圏での商談会や香港・シンガポールへの輸出にもつなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性原料の少ないノドグロ缶に大手は入り込めず、和缶詰製造機を持つ小規模企業もほとんどないため希少価値で勝負する方針が具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決告詰の最終工程を福井県の業者へ委託していた課題を、自社生産で解決しコスト削減と利益率向上を図る計画が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け少ロット生産で高価格・高付加価値のオイル漬け等を製造し、希少価値、今朝の浜など顧客や商品の特徴が具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、利益率向上が図れるとの定性的な記述にとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    ブランド化戦略を担う専門業者として設立され、告詰製造を自社生産に切り替えた流れが読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明記は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    原料の少ないノドグロ缶に大手は入り込めず、和缶詰製造機を持つ小規模企業もほとんどないため希少価値で勝負する方針が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    告詰の最終工程を福井県の業者へ委託していた課題を、自社生産で解決しコスト削減と利益率向上を図る計画が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、利益率向上が図れるとの定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    長男が専務として活躍し毎年5、6品の新商品を開発している体制は読み取れるが、補助事業の遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    少ロット生産で高価格・高付加価値のオイル漬け等を製造し、希少価値、今朝の浜など顧客や商品の特徴が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    告詰の自社生産を1年かけた試作を経て2017年秋に復活させたという経緯は書かれているが、今後の遂行スケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    告詰ブームの中で、浜田産の告詰が27年ぶりに復活し、同じ分野で高付加価値商品を手掛ける点が具体的に書かれている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    浜田市の特選水産ブランド戦略を担い、地元高校・大学と産官学連携するなど地域経済への貢献がうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    自社生産によるコスト削減や利益率向上は述べられているが、補助金投入額に対する効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    産官学連携で高校生のアイデアを商品化した点はうかがえるが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    浜田の地元水揚げ魚を活かし、ふるさと納税や地域の特選ブランドを通じて地域の経済を牽引する事業であることが具体的に書かれている。

今後の展望

長男の清足さんが専務として新商品開発や海外戦略に取り組んでおり、事業の柱を何本かつくって次世代へ引き継ぐことを目指している。

事業者の声

すべてを市内で完結させ、浜田産を全面に打ち出したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。