ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

壁瓦、敷瓦の収量効率化計画

亀谷窯業有限会社

この事例のポイント

  • 瓦の製造工程では窯の積み降ろしに手間と時間がかかっていた。
  • 最大1350度で高温焼成できるシャトルキルン(バッチ式ガス焼成炉)の設備を補助事業で導入した。
  • 製造プロセスの高効率化を実現し、窯の積み降ろしのリードタイムを短縮できたことで作業時間が短縮した。

事業者のプロフィール

事業者名亀谷窯業有限会社
所在地島根県 浜田市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野材料製造プロセス
従業員数10人
資本金800万円
設立1806年

事業の背景

亀谷窯業は創業200年超の石州瓦の製造会社である。石州瓦は凍害や塩害に強く、日本三大瓦の一つとして全国シェア2位を誇る。住宅着工数は年々減少しており、市場には多種多様な建築素材があふれている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力瓦の製造工程では窯の積み降ろしに手間と時間がかかっていた。
  • コスト・採算窯の積み降ろしに時間がかかり、ガス使用量も多かった。
  • 人手・技能窯の積み降ろしの作業時間が長く、作業負担が大きかった。

やったこと

最大1350度で高温焼成できるシャトルキルン(バッチ式ガス焼成炉)の設備を補助事業で導入した。これにより製造プロセスの高効率化を実現した。窯の積み降ろしのリードタイムを短縮し、作業時間を短縮した。また、瓦タイルや食器など新分野に来待釉薬による高温焼成の伝統技術を生かす取り組みを始めた。

加工機3M3 ガスシャトルキルン台車床座煉瓦取替及び棚板

新しい製品・サービス:来待釉薬による高温焼成を生かした瓦タイルと瓦食器

事業の効果

製造プロセスの高効率化を実現し、窯の積み降ろしのリードタイムを短縮できたことで作業時間が短縮した。ガス量が削減されコストダウンにもつながった。高品質オリジナル瓦タイルは高級ホテルなどで採用され、オーストラリアなど海外でも高く評価されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性4

    創業200年超の瓦造りと来待釉薬へのこだわりを継承し、タイルや食器など新分野に挑戦する方針が記載されており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    住宅着工数の減少と大手がやらないことに挑む方針が書かれ、外部環境認識はあるが、自社の強み数値の裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    窯の積み降ろしリードタイム短縮や設備増強で短納期・低単価を実現したと書かれ、課題と対応は読み取れるが計画の数値は乏しい。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの目標値は記載されておらず、わずかに収益面の改善(ガス量削減によるコストダウン)がうかがえるのみ。

  • 事業を進める体制3

    社長の経歴や従業員数10名の体制、オンライン商談の実施は書かれているが、補助事業を遂行する人材体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    1350度焼成による吸水率が石州瓦平均より3%以上低い点や、高級ホテル採用など顧客と選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    海外展開や新分野への挑戦は書かれるが、遂行方法やスケジュール、課題解決の方法はほぼ記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    1300度以上で発色する来待釉薬や、一般的な石州瓦より150度高い焼成による高品質化が具体的に書かれ、高付加価値化が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    伝統技術の継承や海外評価がうかがえるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記載は少ない。

  • 費用対効果3

    リードタイム短縮やガス量削減によるコストダウンが書かれているが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは、先端的デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    住宅着工減少下で新分野(タイル・食器)へ進出する点がわずかにうかがえるが、日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    石見地方で生産される石州瓦の伝統と全国シェア2位を活かし、高付加価値の瓦タイルを地域から展開している点が具体的に読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

中国やデンマークなどへの展開も進めている。

  • 目標:一般的な石州瓦の平均より3%以上低い吸水率を実現

事業者の声

大量生産ができないからこそ、微妙な色や形をニーズに合わせて手造りする魅力が伝わりつつある。伝統技術が生み出す高品質の瓦の良さを各地に伝えていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。