ものづくり補助金平成25年度製造業富山県

冷蔵・冷凍用ショーケース向け複層工程の時間・生産量300パーセントの実現

新光硝子工業株式会社

成果時間当たり生産量 100%→300%

この事例のポイント

  • 乾燥工程は、ガラス素板に塗装後に乾燥室で半日かけて乾燥させるため、1日2回転が限度だった。
  • ネック工程である乾燥工程に熱風循環式乾燥装置を導入し、約30分で乾燥が終了するため、1日8時間稼働で16回転させることができ、生産効率は8倍になった。
  • 時間当たり生産量 100%→300%。ネック工程である乾燥と封止の改善により、時間当たり生産量を300パーセントまで増やす体制を確立した。

事業者のプロフィール

事業者名新光硝子工業株式会社
所在地富山県 砺波市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数68人
資本金5,000万円
設立1953年

事業の背景

1953年の設立以来、建築用ガラスを大黒柱として事業を進めてきたが、公共事業はバブル景気時の半分まで減り、民間の建設需要も五輪特需を除けば増加が見込めない状況だった。そのため、工作機械やショーケースなど産業分野の生産を事業の柱に育てる方針をとり、ショーケースの生産ラインを強化することになった。冷蔵・冷凍用ショーケース業界では店舗デザインの多様化や差別化に伴い、ショーケースもオーダーメイド化が進んでいた。複層ガラスの市場規模は2009年を境に増加に転じている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力乾燥工程は、ガラス素板に塗装後に乾燥室で半日かけて乾燥させるため、1日2回転が限度だった。
  • 生産能力封止工程は、2液性チオコール封止接合剤を使っていたが、周囲を塗装したガラスの塗装部分に用いると接着強度が弱く剥離する危険があり、接着強度の強い2液性シリコンが必要になった。
  • コスト・採算シリコン封止接合剤は割高で使用頻度が少なく、必要な時に手作業で混合・真空脱泡・塗布を行っていたため、生産量の増加で作業効率が悪化していた。
  • 納期・工程店舗のリニューアルや設備更新で大量の製品を短期間に納める生産能力が求められていたが、増産対応力と納期対応力が不足していた。

やったこと

ネック工程である乾燥工程に熱風循環式乾燥装置を導入し、約30分で乾燥が終了するため、1日8時間稼働で16回転させることができ、生産効率は8倍になった。封止工程には定比調合押出機を導入し、2液の混合比率を機械で設定することで、作業時間を3分の1以下に短縮し、品質も安定させた。同時にラインバランスを見直して生産ラインを整流化し、工程間の製品移動を効率化してリードタイムを短縮した。

その他熱風循環式乾燥装置
加工機定比調合押出機

事業の効果

  • 時間当たり生産量 100%→300%
  • 乾燥の回転数 2回転/日→16回転/日

ネック工程である乾燥と封止の改善により、時間当たり生産量を300パーセントまで増やす体制を確立した。封止工程では作業時間が3分の1以下に短縮され、2液の混合比率を機械設定したことで品質も安定した。生産能力の強化により増産対応力と納期対応力が大幅に向上し、営業力も高まった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    ショーケース向け複層ガラスの生産体制を強化し、今後5年で約3パーセントのシェアアップを目指すとあり、事業の柱として位置付けがうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    複層市場がコンビニ・フランチャイズ等の店舗リニューアルで短納期の大量生産を求められる中、生産能力強化で対応すると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    乾燥工程が半日、封止の手作業が課題と明示され、乾燥は約30分、生産効率8倍、作業時間は3分の1以下に短縮と数字で改善が示されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    時間当たり生産量300パーセント、1日16回転、生産効率8倍など具体的な目標値と達成内容が数字で示されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ガラス周囲塗装による高級感や短納期化が顧客の求めとして書かれ、選ばれる理由の一部が読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    乾燥装置と定比調合押出機の導入、ラインの整流化という工程改善の方法は示されるが、スケジュールの詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ショーケース用の塗装ガラスは高級感や差別化に対応する高付加価値品として位置付けられるが、同分野での高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    公共事業はバブル時の半分に減り、民間建設も増加は見込めないと書かれ、国が補助する積極的理由は文章からはうかがえる程度。

  • 費用対効果4

    投入した設備で生産効率8倍、作業時間3分の1以下、生産能力の大幅強化と数字で効果が示され、費用対効果の説明がある。

  • イノベーションへの貢献2

    乾燥装置や定比調合押出機の導入は示されるが、デジタル技術や地域・サプライチェーンへの貢献は文章からはうかがえる程度。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    富山県のガラス産業の歴史や地場産業振興に触れ、地域のガラス産業との関わりは読み取れるが、雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

この生産能力を基盤に営業を強化し、今後5年間で約3パーセントのシェアアップを目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。