ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

県内製造業の生産性向上、品質向上のための新たな熱処理工程の導入

株式会社野原熱錬工作所

この事例のポイント

  • 薬品を使った従来の洗浄では精度が低く、場合によっては複数回の洗浄が必要になっていた。
  • 熱処理工程の洗浄に、真空の力で油分を取り除く最先端の真空洗浄機を導入した。
  • 真空洗浄により高精度の洗浄が実現し、洗い残りによる品質不良がなくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社野原熱錬工作所
所在地島根県 松江市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,精密加工,製造環境,表面処理
従業員数63人
資本金2,458万円
設立1956年

事業の背景

1956年に金属材料の熱処理加工専業メーカーとして創業した。現在は松江市内2カ所の工場に高性能・多機能の省力化機械を備え、素材調達から機械加工、熱処理加工、研削仕上げまで一貫して手がけている。農業用機械、自動車、特殊鋼精密鋳造部品など受注する機械部品は多種多様で、多品種小ロットに対応している。2011年にISO9001を取得し、取引先は中国地方を中心に全国に広がっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度薬品を使った従来の洗浄では精度が低く、場合によっては複数回の洗浄が必要になっていた。
  • 生産能力洗浄が不十分な部品は再度機械にセットし直す必要があり、ショットブラストの時間も長くなっていた。
  • その他薬品を使う従来の洗浄には環境面での課題もあった。

やったこと

熱処理工程の洗浄に、真空の力で油分を取り除く最先端の真空洗浄機を導入した。導入した真空洗浄機を使い、熱処理後の部品の洗浄を行う体制を整えた。真空洗浄機の導入により、電子部品や精密機械などの洗浄も可能になった。

事業の効果

真空洗浄により高精度の洗浄が実現し、洗い残りによる品質不良がなくなった。ショットブラストの時間も短縮され、リードタイムは50%以上短くなった。精度が上がっただけでなく原価コストも低減でき、低コストかつ短納期での対応が可能になった。電子部品や精密機械などの洗浄にも対応できるようになった。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性多品種小ロットに対応する一貫加工を強みとし、リードタイム50%以上短縮と原価低減で顧客ニーズへの対応力を高めている。
  • 4
    課題の認識と解決従来の薬品洗浄の精度低下や複数回洗浄、環境課題を認識し、真空洗浄機導入でリードタイム50%以上短縮と品質不良解消を実現。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用環境面の課題解決や地元密着の製造業としての貢献は触れられているが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    熱処理加工を創業以来の得意分野とし、真空洗浄機導入で熱処理工程を強化する点が事業の延長線上にあり、一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    多品種小ロットに対応する一貫加工を強みとし、リードタイム50%以上短縮と原価低減で顧客ニーズへの対応力を高めている。

  • 課題の認識と解決4

    従来の薬品洗浄の精度低下や複数回洗浄、環境課題を認識し、真空洗浄機導入でリードタイム50%以上短縮と品質不良解消を実現。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    リードタイム50%以上短縮や原価低減を示すが、付加価値額や賃上げの目標値は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    ISO9001取得や熟練職人、豊富な機械設備を有し、2工場で一貫加工を行う体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    真空洗浄機により電子部品や精密機械の洗浄も可能になり、低コスト短納期を訴求して新分野の営業を進める方針が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    新分野での営業活動に積極的に取り組み、自社技術のPRで市場拡大を図る方針は示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    最先端の真空洗浄機を導入し、従来の薬品洗浄より高精度な洗浄を実現しており、同分野で高水準の品質を図っている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    環境面の課題解決や地元密着の製造業としての貢献は触れられているが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    リードタイム50%以上短縮と原価低減が示され、費用対効果を一定程度うかがわせる。

  • イノベーションへの貢献2

    真空洗浄機という新技術の導入は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記述が少ない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    松江市を拠点に地元密着で熱処理を手がけ、中国地方を中心に受注を広げており、地域の製造業としての役割が読み取れる。

今後の展望

既存顧客からの受注拡大を図るとともに、真空洗浄機で可能になった電子部品や精密機械などの新たな分野での営業活動に積極的に取り組む。自社技術のPRを進めて市場を拡大する方針だ。

事業者の声

精度も格段に上がつただけでなく原価コストも低減でき、お客様のニーズにより応えられるようになった

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。