ものづくり補助金平成28年度製造業島根県

賞味期限の長い、常温タイプのそばだしの商品開発と販路拡大

有限会社一福

成果賞味期限 1か月→12か月

この事例のポイント

  • 調合から充填まで手作業のため生産量が限られ、受注の増加に対して製造が追いつかない状況であった。
  • 製造工程の機械化に合わせて、そばだしの殺菌装置として液体殺菌装置を導入した。
  • 賞味期限 1か月→12か月。殺菌装置の導入により、そばだしの賞味期限を1年まで延長することができた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社一福
所在地島根県 飯南町
業種食料品製造業
従業員数67人
資本金800万円
設立1987年

事業の背景

主力のそばだしは初代が創出した独自の製法によるもので、深みのある濃さがそばの味わいを引き出している。受注は増加していたが、手作業の調合と充填では生産が追いつかなかった。平成28年に新たな経営計画を打ち出し、新工場を建設して製造工程の機械化に踏み切った。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力調合から充填まで手作業のため生産量が限られ、受注の増加に対して製造が追いつかない状況であった。
  • 納期・工程製造工程を機械化する必要があった。
  • 品質・精度プラスチック容器は保存期間が1〜2か月しかなく、そばだしの長期保存に向けた品質改良が課題であった。

やったこと

製造工程の機械化に合わせて、そばだしの殺菌装置として液体殺菌装置を導入した。試運転で殺菌効果が出る130℃までの水温上昇を確認した。容器はプラスチックからガラス瓶に変え、150mlと300mlの2規格を製造することとした。機械に慣れず殺菌もうまくいかない時期があり、商品化まで約半年間の試行錯誤を要した。充填量の調整やキャップ・瓶のアルコール消毒などを検証し、1年間の長期保存を可能にしたそばだしを完成させた。

新しい製品・サービス:1年間の長期保存を可能にした常温タイプのそばだし(ガラス瓶入り150ml・300ml)

事業の効果

  • 賞味期限 1か月→12か月

殺菌装置の導入により、そばだしの賞味期限を1年まで延長することができた。手作業から機械化へ移行したことで安定供給の基盤ができ、令和元年年末には150mlの瓶を10万本製造した。通信販売、催事販売、カタログ販売、卸販売に取り組み、年間15%の売り上げ増を見込んでいる。直近の目標は年間30万本の製造で、OEM提携先の模索や海外輸出も視野に入れている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手作業による生産量の限界と保存期間1~2か月という課題を明示し、殺菌装置で1年保存を実現した点が具体的に読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標直近目標として年間30万本の製造と年間15%の売上増見込みが示され、数値目標が具体的に読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け初代の独自製法による深い味わいと、料理にも使える万能だしという価値、販路ターゲットが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    強み・弱みを踏まえた優位性国道54号通行量減少やネット通販好調の記述はあるが、強み・弱みと競争優位性を結びつける記述はわずかにうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のそば事業の延長で、初代の製法を守りつつ機械化に踏み切った経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けの記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    国道54号通行量減少やネット通販好調の記述はあるが、強み・弱みと競争優位性を結びつける記述はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決4

    手作業による生産量の限界と保存期間1~2か月という課題を明示し、殺菌装置で1年保存を実現した点が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    直近目標として年間30万本の製造と年間15%の売上増見込みが示され、数値目標が具体的に読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    従業員67名の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    初代の独自製法による深い味わいと、料理にも使える万能だしという価値、販路ターゲットが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    充填量調整や瓶のアルコール消毒を検証し約半年で完成させた経緯と、OEM・海外展開への段階的な方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    出雲そばの伝統を生かした独自の味だが、だしの普及度や高価格化の水準に関する記述は具体性が薄い。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の観光地や地元ファンへの言及はあるが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的理由の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果2

    補助金投入額と付加価値増加の関係を示す数値はなく、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    殺菌装置の導入による機械化は記載があるが、デジタル技術や新ビジネスモデルでのサプライチェーン貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    島根県飯石郡の頓原を拠点に県内外へ展開する地域性は読み取れるが、地域経済成長への牽引効果の記述は薄い。

今後の展望

年間30万本の製造を目標に、安定供給できる販路拡大とOEM販売の提携先を模索している。将来的には海外への輸出も実現したいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。