ものづくり補助金平成28年度製造業岡山県

三本ウレタンロール機導入による特殊な鋼鈑へのR形状曲げ加工高精度化の実現

有限会社西口ベンダー工業

成果加工時間は8分の1に削減できた。

この事例のポイント

  • 開口部や凹凸のある薄板を金属製ロールで曲げると、開口部周辺に力が集中して歪みやキズが生じていた。
  • 2017年に加圧部をウレタンでライニングしたロールベンダーを導入し、樹脂のため薄板がスリップせず、開口部周辺の歪みを抑えられるようにした。
  • 加工時間は8分の1に削減できた。ウレタンライニングのロールベンダーの導入により、開口部のある薄板の曲げ加工の高精度化を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社西口ベンダー工業
所在地岡山県 岡山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金500万円
設立1985年

事業の背景

有限会社西口ベンダー工業は、金属の薄板をL字型やアール状に曲げる加工を主力事業としている。薄板の曲げ加工に注力する会社は少なく、顧客からは一品ものや複雑な形状の試作品の加工依頼が多い。近年は開口や凹凸を付けた後に曲げる仕事が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度開口部や凹凸のある薄板を金属製ロールで曲げると、開口部周辺に力が集中して歪みやキズが生じていた。
  • 人手・技能従来の装置では熟練した技術者が複数の装置を使い、10の作業工程を行う必要があった。
  • 生産能力工程が多く作業時間がかかり、工程数の削減と作業時間の短縮、コスト低減が課題だった。

やったこと

2017年に加圧部をウレタンでライニングしたロールベンダーを導入し、樹脂のため薄板がスリップせず、開口部周辺の歪みを抑えられるようにした。ナイロンをライニングしたロールベンダーでアール状に加工する際の品質と生産性の向上を図った。導入後は、金属の3次元造型機を導入して金型を自社生産し、曲げ加工に活用するなど技術力を高めた。

加工機ウレタンライニングのロールベンダー
加工機金属の3次元造型機

事業の効果

  • 加工時間は8分の1に削減できた。
  • 工程数 10工程→5工程

ウレタンライニングのロールベンダーの導入により、開口部のある薄板の曲げ加工の高精度化を実現した。加工時間は8分の1に削減でき、工程数も従来の半分になった。導入前に目標としていた工程数削減と作業時間の短縮、コスト低減をクリアしたという。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1985年設立以来、薄板曲げ加工を主力とし約23年前から開口部のある薄板の曲げを手がけ技術を蓄積したとあり、一貫性はうかがえるが経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    薄板曲げに注力する会社は少なく、同業他社から仕事の依頼が来るとあり、強みと競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    開口部周辺の歪みという課題を認識し、ウレタンライニングロールを2017年に導入したとあるが、事業計画としての高付加価値化の見通しは薄い。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    導入後の加工時間が8分の1に削減、工程数も10から5へ半減したとあり、数値目標の達成実績が示されている。ただし付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員数6人、熟練の技術者が操作するとあるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力については書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は航空機・建築・半導体製造装置など、一品ものや複雑形状の試作品を依頼し、選ばれる理由が技術力にあると具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の遂行方法やスケジュールは書かれておらず、導入前の目標として工程数削減などを挙げた程度にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    開口部や凹凸のある薄板の曲げは難しく、一定の熟練技術が必要とされ、同分野で高い技術水準を示す事例として読み取れる。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    若手社員の入社や社員数の増加が書かれているが、地域経済への波及や国が補助する積極的理由は示されていない。

  • 費用対効果4

    ロール導入で加工時間が8分の1、工程が10から5に削減されたとあり、生産性向上の効果が数字で示されている。ただし補助金投入額との比較はない。

  • イノベーションへの貢献2

    ウレタンライニングによる加工技術の改善は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明記されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    岡山市での事業と若手雇用、工場の活気が書かれているが、地域特性を活かした経済成長への牽引は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

若手の社員が入社し社員数も増え、工場には活気がある。レーザー加工機の応用範囲拡大により、アール状の曲げ需要に対応する会社として顧客から仕事を依頼される。

事業者の声

お客さんが想像している以上の技術を提供したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。