ものづくり補助金平成28年度製造業岡山県

高精度自動曲機導入による高耐震性ユニット鉄筋の加工精度及び生産性の向上

株式会社幡中金網

成果ユニット鉄筋の折り曲げ作業時間(1邸分) 110分→45分

この事例のポイント

  • 溶接金網を折り曲げる機械はコンクリート二次製品向けのものしかなく、段取り替えに時間がかかり、さまざまな形状に曲げることも難しかった。
  • 2017年に、鉄筋金網向けに「引張込メッシュ曲機」、鉄筋単体向けに「鉄筋自動曲装置」を導入した。
  • ユニット鉄筋の折り曲げ作業時間(1邸分) 110分→45分。NC装置による形状記憶で段取り替え時間が大幅に短縮され、ユニット鉄筋の折り曲げ作業時間は1邸分で110分から45分へと…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社幡中金網
所在地岡山県 岡山市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数28人
資本金1,000万円
設立1974年

事業の背景

幡中金網は、コンクリート製品の補強に使われる溶接金網の専業メーカーで、創業以来、側溝などコンクリート二次製品向けの金網を手がけてきた。2011年に住宅基礎向けの鉄筋金網に参入し、2013年には溶接部が鉄筋本体と同等の強度を持つ「全強度鉄筋交差溶接」の溶接機を導入して地場大手を含むハウスメーカー各社との取引を広げた。その結果、売上の85パーセントを住宅向けが占めるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力溶接金網を折り曲げる機械はコンクリート二次製品向けのものしかなく、段取り替えに時間がかかり、さまざまな形状に曲げることも難しかった。
  • 品質・精度曲げた部分の径が太くなり、旧式の手動機では曲げた後の角度がばらつき、人手による調整が必要だった。
  • 生産能力ハウスメーカーから工期短縮につながる鉄筋金網の供給拡大を求められていたが、折り曲げ工程がネックになっていた。

やったこと

2017年に、鉄筋金網向けに「引張込メッシュ曲機」、鉄筋単体向けに「鉄筋自動曲装置」を導入した。新しい機械は数値制御(NC)装置を搭載し、折り曲げる形状をあらかじめ記憶できるため、段取り替え時間が大幅に短縮された。ユニット鉄筋の折り曲げ作業に要する時間は、1邸分の作業で110分から45分へと半減以下になった。最大5メートルのユニット鉄筋まで曲げられるようになり、大物への対応力も高まった。鉄筋曲げ装置も作業時間は半減した。

  • 加工機引張込メッシュ曲機鉄筋自動曲装置

事業の効果

  • ユニット鉄筋の折り曲げ作業時間(1邸分) 110分→45分

NC装置による形状記憶で段取り替え時間が大幅に短縮され、ユニット鉄筋の折り曲げ作業時間は1邸分で110分から45分へと半減以下になった。鉄筋曲げ装置も作業時間が半減した。最大5メートルのユニット鉄筋まで曲げられるようになり大物への対応力が高まった。曲げ角度の精度も向上し、現場でのスムーズな施工につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性岡山県で協会加盟は同社のみで、売上の85%を住宅向けが占めるまで地場大手などとの取引を拡大しており、強みが明確。
  • 4
    これまでの取組との一貫性1974年の設立からコンクリート二次製品、2011年の住宅基礎参入、2013年の全強度溶接機導入、2017年の折曲機刷新と段階的に取り組みが続いており、一貫した流れで位置付けられている。
  • 4
    課題の認識と解決折曲工程の段取り替えや角度バラつきという課題を認識し、ユニット鉄筋の折曲時間を110分から45分へ半減させる実効的な対策を取っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標作業時間の半減という導入後の実績は示されるが、付加価値額や賃上げに関する将来の目標値は記載がなく、弱い。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    1974年の設立からコンクリート二次製品、2011年の住宅基礎参入、2013年の全強度溶接機導入、2017年の折曲機刷新と段階的に取り組みが続いており、一貫した流れで位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    岡山県で協会加盟は同社のみで、売上の85%を住宅向けが占めるまで地場大手などとの取引を拡大しており、強みが明確。

  • 課題の認識と解決4

    折曲工程の段取り替えや角度バラつきという課題を認識し、ユニット鉄筋の折曲時間を110分から45分へ半減させる実効的な対策を取っている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    作業時間の半減という導入後の実績は示されるが、付加価値額や賃上げに関する将来の目標値は記載がなく、弱い。

  • 事業を進める体制3

    従業員28人の体制で、息子が後継者になることや若い幹部候補を育てる方針が示され、遂行体制の見通しがある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ハウスメーカーから工期短縮と供給拡大が求められていたことや、立ち上がり筋の防水性・強度に効く精度向上という顧客ニーズへの対応が明確。

  • 事業化までの道筋3

    2019年の瀬戸内工場新設、2022年の新工場棟建設、設備の配置換えや溶接機増強の検討が時系列で示され、中期の方向性がある。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    全強度鉄筋交差溶接は参入に必要な高度な技術で、同分野で協会加盟が岡山県で同社のみという希少性がある。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    岡山県と近隣県へ住宅基礎向け鉄筋金網を供給している点は触れられているが、雇用創出や波及効果への言及は薄い。

  • 費用対効果2

    作業時間の半減という効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    数値制御装置を搭載した折曲機を導入したことは示されるが、サプライチェーン全体への革新や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    コンクリート二次製品から住宅基礎向けの鉄筋金網へと需要の伸びる分野へ進出し、生産体制を転換している。

  • 地域経済への波及3

    岡山市東区の本社と瀬戸内市の新工場を基盤に岡山県と近隣県へ供給し、地域の住宅需要を取り込んでいる。

今後の展望

2019年に本社から北に約1.5キロメートル離れた岡山県瀬戸内市邑久町に瀬戸内工場を新設し、2022年には新しい工場棟も建設した。本社工場との間で切断機、折り曲げ機などの配置換えを行って効率化するほか、溶接機の増強も視野に入れている。

事業者の声

以前と比べものにならないほど精度が出る。現場でのスムーズな施工にもつながっている

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。