高耐久な施工を実現する鉄筋の高精度な加工体制の構築

静岡県の製造業が、ものづくり補助金で鉄筋自動曲げ加工機を導入し、鉄筋加工の品質を均一にして生産量を高めた採択事例です。

株式会社静岡スチール

成果許容誤差累計(新人作業員との比較) 66mm→5mm

この事例のポイント

  • 手動曲げ加工機では作業員の感覚に頼るため、長さや角度の調整に人の手間がかかり、熟練度によって加工にムラが生じ、製品品質が安定しない場合があった。
  • 従来の製造工程で使用していた手動曲げ加工機に代わり、鉄筋自動曲げ加工機を新たに導入しました。
  • 許容誤差累計(新人作業員との比較) 66mm→5mm。鉄筋加工の誤差累計が安定し、品質の向上と均一化が確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社静岡スチール
所在地静岡県 掛川市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
資本金800万円
設立2016年

事業の背景

同社はプレキャストコンクリート製品に特化した鉄筋を主として製造している。鉄筋工事業の建設業許可を取得し、土木・建築の製品製造にも事業の幅を広げている。

現在の主力製品はシールドトンネル工事等に使用する壁面ブロック内の鉄筋骨組みである。インフラ整備の需要拡大に追いつくため、高い製品品質に加えて生産性の高さも求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度手動曲げ加工機では作業員の感覚に頼るため、長さや角度の調整に人の手間がかかり、熟練度によって加工にムラが生じ、製品品質が安定しない場合があった。
  • 生産能力災害対策に伴うインフラ整備の需要は増加傾向にあるが、手動曲げ加工機による生産には限界があり、取引先の早期納入要望に応えられていなかった。
  • 人手・技能感覚による手作業の加工により従業員の作業負担が増大しており、労働量と労働時間の肥大化も課題となっていた。

やったこと

従来の製造工程で使用していた手動曲げ加工機に代わり、鉄筋自動曲げ加工機を新たに導入しました。同設備の導入により、鉄筋の曲げ加工工程を自動化しました。

これにより、長さや角度の調整を人手に頼らず、鉄筋の均一な加工を実現しました。生産量の拡充にも寄与させ、取引先からの納入要望に柔軟に対応できる加工体制を構築しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 許容誤差累計(新人作業員との比較) 66mm→5mm
  • 許容誤差累計(熟練作業員との比較) 19mm→5mm
  • 設備導入により、熟練作業員の1/5、新人作業員の1/15の時間で加工が完了するようになった。
  • 繁忙期の土曜出勤が不要となり、平日の時間外労働もこれまでの1/3程度に削減された。

鉄筋加工の誤差累計が安定し、品質の向上と均一化が確立した。加工所要時間が大幅に短縮されて生産量が向上し、取引先の納入要望にも柔軟に対応できるようになった。

作業時間の低減により従業員の負担が軽減され、繁忙期の土曜出勤も不要となった。加工技術の承継も機械化によりスムーズになった。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性許容誤差は手動で新人66mm・熟練19mmに対し、導入後は平均5mmと数字で強みを示し、高精度加工で優位性を裏付けている。
  • 4
    課題の認識と解決手動機の限界、人手依存による品質ムラ、早期納入要望への未対応という課題を整理し、自動化で解決する流れが明確。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標加工時間は熟練比1/5、新人比1/15、時間外労働は約1/3と具体的な目標効果が示され、設備効果として実現性が見込める。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制熟練作業員の負担軽減や技術承継には触れるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    手動曲げ加工機から自動化への更新が、鉄筋製造を主力とする既存事業の延長上の取組として書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    許容誤差は手動で新人66mm・熟練19mmに対し、導入後は平均5mmと数字で強みを示し、高精度加工で優位性を裏付けている。

  • 課題の認識と解決4

    手動機の限界、人手依存による品質ムラ、早期納入要望への未対応という課題を整理し、自動化で解決する流れが明確。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    加工時間は熟練比1/5、新人比1/15、時間外労働は約1/3と具体的な目標効果が示され、設備効果として実現性が見込める。

  • 事業を進める体制2

    熟練作業員の負担軽減や技術承継には触れるが、補助事業を遂行する人員や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    インフラ整備需要の拡大と取引先からの早期納入要望が背景にあり、品質と生産性が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    設備導入後の効果は示されるが、導入スケジュールや中長期の検証、遂行方法の具体的な記述が乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    プレキャストコンクリート向け鉄筋に特化し、インフラ用の高精度加工を担う点で、同分野内の品質水準向上に位置づけられる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    災害対策に起因するインフラ整備需要の拡大に対応する社会的役割が明示され、国が支援する公共性の根拠がある。

  • 費用対効果3

    加工時間の大幅短縮と時間外労働の約1/3削減が示されるが、補助金額に対する費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動曲げ加工による工程の機械化は示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体への貢献の記述は弱い。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    インフラ整備需要に応える生産性向上は述べられるが、日本経済の構造転換につながる分野進出の記述は薄い。

  • 地域経済への波及2

    静岡県掛川市の地元企業としての取組だが、地域の雇用創出や地域経済への波及効果の記述は限定的。

今後の展望

今後も自社の技術力と製品品質の向上に努めるとともに、インフラ整備といった社会的役割の一端を担う企業として事業に邁進していく。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。