ものづくり補助金平成28年度製造業岡山県

生産性向上を狙った設備導入と瀬戸内水産資源の革新的有効活用

株式会社小倉商店

この事例のポイント

  • 量販店主体の流通への移行で魚屋さんの数が減り、取引先が量販店中心になった。
  • 規格外の魚を干物に加工するため、魚の三枚おろし機と熟成乾燥庫を導入した。
  • 規格外の魚を干物として活用する体制が整い、自社ブランドの干物やハモを新たな事業の柱に育てることを目指している。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社小倉商店
所在地岡山県 岡山市
業種食料品製造業
従業員数18人
資本金1,000万円
設立1919年

事業の背景

小倉商店は1919年に岡山市で創業した水産物仲卸業者で、1983年の岡山中央卸売市場整備以降は同市場内で営業している。従来は町の魚屋さんへの販売が中心だったが、流通の量販店への移行で魚屋さんが減り、現在の取引先は量販店が中心となった。約20年前から加工場を整備し、病院や学校の給食向けに加工品を納めている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信量販店主体の流通への移行で魚屋さんの数が減り、取引先が量販店中心になった。
  • 生産能力量販店ではトレーに収まらない規格外の魚や知られていない魚が扱われず、食糧資源のロスと漁業者の収入減少が生じている。
  • 人手・技能ハモの骨切りは熟練の板前が約2ミリメートル間隔で行う手作業のため手間がかかり、大量に取れても流通に出回りにくい。

やったこと

規格外の魚を干物に加工するため、魚の三枚おろし機と熟成乾燥庫を導入した。三枚おろし機は手作業より作業が早く安全性も高い。近年岡山近海で漁獲量が増えているハモについて、骨切りを自動化する装置を導入した。導入したハモの骨切り機は作業速度が速く、メンテナンスも容易である。アジやサバなどの定番品に加え、メバルやアコウなど従来にない和干物の製品化を1年以内に目指している。

  • 加工機魚の三枚おろし機熟成乾燥庫ハモの骨切り機

新しい製品・サービス:規格外の魚を使った干物(「小倉商店」ブランド)およびハモの骨切り製品。アジやサバなどの定番品に加え、メバルやアコウなどの和干物を開発予定。

事業の効果

規格外の魚を干物として活用する体制が整い、自社ブランドの干物やハモを新たな事業の柱に育てることを目指している。骨切り機の導入後はハモの骨切りが速くなり、骨切りしたハモを量販店やホテルに納入するなど業容拡大につながっている。規格外の魚の活用によって漁業者の収益安定にもつなげたい考えである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性量販店主体への流通変化と規格外魚の廃棄・漁業者収入減の課題を整理し、干物・ハモ骨切りで対応する強みが具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決規格外魚の干物化、ハモ骨切り自動化を課題解決策として示し、1年以内の製品化や販路拡大を目指すと書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値ハモの骨切りを自動化し、メバルやアコウなど従来にない和干物を作る点が、既存品と差別化された取組として示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、ハモ骨切りの業容拡大への貢献が示される程度にとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    加工場を持ち給食向け加工品を約20年前から販売、顧客要望に応じて事業を広げた経緯が書かれ、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    量販店主体への流通変化と規格外魚の廃棄・漁業者収入減の課題を整理し、干物・ハモ骨切りで対応する強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    規格外魚の干物化、ハモ骨切り自動化を課題解決策として示し、1年以内の製品化や販路拡大を目指すと書かれている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、ハモ骨切りの業容拡大への貢献が示される程度にとどまる。

  • 事業を進める体制2

    社長の発言や会社概況はあるが、補助事業を遂行する人材・事務体制についての具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    規格外魚を干物にして自社ブランドで売る方針や、ホテル・直売所での販売計画が書かれ、顧客像はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    1年以内の製品化、まずホテルや直売所で販売し将来はネット販売へという段階的な方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ハモの骨切りを自動化し、メバルやアコウなど従来にない和干物を作る点が、既存品と差別化された取組として示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    規格外魚の活用による食料資源ロスの削減、漁業者の収益安定、漁業の事業承継や食文化継承への言及があり、国が支援する理由が読み取れる。

  • 費用対効果2

    骨切り作業が手作業より速く、メンテナンスも容易と書かれるが、投入額に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    規格外魚の活用や漁業の維持を通じた水産業の発展への言及はあるが、構造転換との明確な関連は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    岡山近海のハモ漁獲増や岡山中央卸売市場の立地を生かし、地域の漁業者と連携する事業として具体的に書かれている。

今後の展望

まずは取引のあるホテルや直売所で販売し、将来はインターネット販売など販路を拡大したい。

事業者の声

顧客の要望に対応する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。