ものづくり補助金平成28年度製造業広島県

金属屋根用断熱材自動貼付装置を導入し内製化で収益向上

佐々木金属工業株式会社

成果納期 7日→3日

この事例のポイント

  • 金属屋根材の成型加工を外注に依存しており、内製化できていなかった。
  • 隣接する工場・建屋を取得し、長さ40mを確保して一貫生産ラインを設置した。
  • 納期 7日→3日。納期は目標の3日以内を達成し、加工費と輸送費も目標どおりに削減できた。

事業者のプロフィール

事業者名佐々木金属工業株式会社
所在地広島県 広島市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数17人
資本金1,000万円
設立1951年

事業の背景

金属屋根は、鋼板に断熱材を貼り合せたものが普及し、需要が増加傾向にあった。金属屋根材は当社取扱商品の中で不可欠なものだが、建屋の制約で内製化できず、成型加工を外注に依存していた。永年の交渉の結果、隣接する工場・建屋を取得でき、ラインに必要な長さ40mを確保できた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金属屋根材の成型加工を外注に依存しており、内製化できていなかった。
  • コスト・採算外注に頼るため加工費と輸送費が高く、低価格化が難しかった。
  • 納期・工程外注に頼るため納期が7〜10日かかっており、柔軟な納期対応ができなかった。
  • 生産能力工場の建屋が短く、一貫生産ラインを設置できなかった。

やったこと

隣接する工場・建屋を取得し、長さ40mを確保して一貫生産ラインを設置した。ラインは断熱材貼付、裁断、成形、自動パイラーが一直線に並ぶ構成とし、カバールーフやまなみ1型、ルーフデッキ88、外壁角波750の3種類の成形工程設備を含む。断熱材自動貼付装置は、幅広の鋼板に10m/分の速さでも品質問題なく貼付できることを技術課題とした。装置の要求仕様は、断熱材をムラなく接着すること、ライン速度10m/分以上、極力自動化設備であることとした。断熱材貼付工程では気温の変化等に対して品質を安定させるため技術条件の標準化を図り、従業員のスキルアップと技能継承のため作業マニュアルを整備中である。

加工機断熱材自動貼付装置
加工機成形工程設備(カバールーフやまなみ1型、ルーフデッキ88、外壁角波750の成形設備)
その他自動パイラー(搬出用受け台)
加工機裁断設備

新しい製品・サービス:金属屋根材の一貫生産ラインによる成形製品(断熱材を貼り合せた金属屋根製品)

事業の効果

  • 納期 7日→3日
  • 加工費 25千円/トン→12千円/トン
  • 輸送費 180千円/トン→90千円/トン

納期は目標の3日以内を達成し、加工費と輸送費も目標どおりに削減できた。成形工程の内製化と断熱材貼付装置の導入で一貫生産ラインを広島市中心部で初めて構築し、短納期化とコスト低減を同時に実現した。今回の設備は広島市中心部の同業他社にはなく差別化が図れ、新規顧客の開拓と売上の拡大が期待される。売上は2020年度目標1億5千万円に対し、2018年度は1億1千万円の見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    建屋制約で内製化できず外注依存だったことや、一貫生産ライン設置を競争優位確立の必須条件と位置づけた経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    金属屋根の需要増加傾向と、広島市中心部で同業他社にない設備であることによる差別化、短納期・低コストの強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    納期7〜10日を3日に、加工費25→12千円、輸送費180→90千円/トンの数字で課題と改善目標が示され、2020年売上1.5億円も明記されている。

事業の実現可能性68%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    納期3日・加工費・輸送費の目標を達成し、売上は2018年目標1.2億円に対し1.1億円見込みと数字で実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員のスキルアップと技能継承のための作業マニュアル整備中と記載があるが、人員配置や事務体制の具体性は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・低コストを施工業者や建設会社、同業他社にPRして新規顧客を開拓する方針が、ターゲットと選ばれる理由として書かれている。

  • 事業化までの道筋4

    ライン稼働開始を平成29年10月とし、技術条件の標準化や作業マニュアル整備など課題への対応方法が示されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    金属屋根は断熱材貼付鋼板として普及し需要が増加傾向とあるが、同分野で高水準の高付加価値化を図る記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    建屋確保や地域での差別化は読み取れるが、雇用創出や経済波及など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果4

    投入設備により加工費・輸送費を削減し、売上を1億5千万円へ伸ばす計画が数字で示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    断熱材自動貼付装置による一貫生産ラインは示されるが、デジタル技術やサプライチェーン全体へのイノベーション貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島市中心部で初めて一貫生産ラインを構築したと地域での位置づけが書かれているが、雇用や地域成長への言及は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今回の導入設備は広島市中心部の同業他社にないものであり、短納期・低コストを施工業者、建設会社、同業他社にPRして新規顧客を開拓し、売上を伸ばす。建築工事および屋根工事業の広島県知事認可を活かし、自社製品材料を使った工事受注も拡大する。金属屋根材の受注拡大により関連部品の受注も拡大する相乗効果も期待する。

  • 目標:金属屋根・外壁材売上 100百万円→150百万円

事業者の声

弊社は、本補助金を活用することにより、これまで外注依存していた成形工程と断熱材貼付装置の一貫生産ラインができました。これにより、断熱材を貼りつけた金属屋根製品を短納期で且つ低価格での供給が可能となりました。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。