ものづくり補助金平成28年度製造業山口県

ハイポーハム工房の真空充填包装ラインの生産性向上

有限会社鹿野ファーム

成果作業人員 6人→3人

この事例のポイント

  • 真空充填包装の一部品目を手作業で行っており、繁忙期は残業しても取引先からの発注に応えられなかった。
  • 全自動深絞り真空包装機R145(連動パズル充填機含む)を導入し、手作業で行っていた真空充填包装をオートメーション化した。
  • 作業人員 6人→3人。人員が半減し、1日の生産量も大きく増えたことで供給不足が解消された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社鹿野ファーム
所在地山口県 周南市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,材料製造プロセス
従業員数98人
資本金7,000万円
設立1982年

事業の背景

これまでに食肉加工場を増床し、衛生環境と作業スペースを確保するとともに、設備導入により生産性向上と品目拡大を図ってきた。しかし豚ロース味噌漬け5種と鹿野高原ハンバーグの袋充填包装は従業員による手作業が続いていた。全国の大手業者は自動化が進んで大幅な生産性向上に成功しており、価格競争で不利な状況にあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力真空充填包装の一部品目を手作業で行っており、繁忙期は残業しても取引先からの発注に応えられなかった。
  • コスト・採算全国の大手業者は自動化で大幅に生産性を上げており、販売価格競争で太刀打ちできなかった。
  • コスト・採算肉や各資材の値上がりの影響があり、総合的な収支の改善が課題だった。

やったこと

全自動深絞り真空包装機R145(連動パズル充填機含む)を導入し、手作業で行っていた真空充填包装をオートメーション化した。従来は、スライスされた肉をバットで受けて袋に詰め、コンテナーでタレ充填機まで運んで一袋ずつタレを充填し、さらに真空包装機へ運んで一袋ずつ並べて真空パックしていた。導入後は真空包装機にセットしたトレーにタレを自動で充填し、機械と連結したコンベヤで受けたスライス肉をトレーに並べる。その後フィルムを貼り合わせて真空パックし、タレ充填から真空パックまでを一気通貫で行う。1時間3人の作業で500パック生産でき、6時間稼働で3,000パック(最大4,000パック)、1日1品目のみなら6,000パックまで可能なことを実証した。

  • 加工機全自動深絞り真空包装機R145連動パズル充填機

事業の効果

  • 作業人員 6人→3人
  • 1日の生産量 500パック→3,000パック

人員が半減し、1日の生産量も大きく増えたことで供給不足が解消された。機械包装により商品の偏りやタレの漏れがなくなり、見た目と衛生面の印象が大幅に改善した。作業性が向上してチルド商品での供給が可能になり、鮮度と味も向上した。残業が減って働きやすい環境になり総人件費も削減でき、供給量増加により全国展開や知名度・企業としての信頼度の向上にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性全国の大手業者が自動化で大幅な生産性アップに成功し価格競争で劣勢だったと認識し、自動化で供給と価格競争力を高めている。
  • 4
    課題の認識と解決手作業で1日6時間6人500パックから1時間3人500パックへ改善し、残業や供給不足という課題に対応した実効性がある。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標6時間稼働で3,000パック(最大4,000パック)、1品目なら6,000パックまで可能と実証され、導入後の人員は6人から3人になっている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制機械の稼働率や従業員の多能工化検討には触れているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    食肉加工場の増床や設備導入で生産性向上と品目拡大を図ってきた経緯があり、今回の自動化はその延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国の大手業者が自動化で大幅な生産性アップに成功し価格競争で劣勢だったと認識し、自動化で供給と価格競争力を高めている。

  • 課題の認識と解決4

    手作業で1日6時間6人500パックから1時間3人500パックへ改善し、残業や供給不足という課題に対応した実効性がある。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標4

    6時間稼働で3,000パック(最大4,000パック)、1品目なら6,000パックまで可能と実証され、導入後の人員は6人から3人になっている。

  • 事業を進める体制2

    機械の稼働率や従業員の多能工化検討には触れているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    機械包装で商品の偏りやタレ漏れをなくし、チルド供給で鮮度と味が向上したと確認され、取引先からの発注ニーズに応えている。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の機械稼働率100%超や、今後の多様なニーズに応じた商品開発の方針が示され、遂行の見通しがある。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    豚ロース味噌漬けやハンバーグなど既存の食肉加工品の包装工程の改善で、新市場や高付加価値化を狙う記述は中心ではない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    県内外の取引先への全国展開や新規取引、10名以上の従業員増加と採用効果が示され、雇用創出や地域経済への波及が読み取れる。

  • 費用対効果3

    総人件費削減や残業カット、生産量増加の効果は示されているが、補助金額に対する費用対効果の数字は記載がない。

  • イノベーションへの貢献2

    包装工程の自動化は示されているが、デジタル技術や新ビジネスモデルでサプライチェーン全体に貢献する記述は弱い。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    食肉加工の省力化と生産性向上は示されるが、成長分野への進出や日本経済の構造転換に資する記述は薄い。

  • 地域経済への波及3

    山口県産の豚を使った地域の食肉加工品を県内外に販売し、雇用拡大や信頼度向上につなげている点が地域事業として読み取れる。

今後の展望

機械の稼働率は100%以上で、非常によく使えている。個食から大容量のパックまで多様化するニーズに応える商品の開発・設計を積極的に進めていく方針である。時間外労働がなくなったことで働きやすい企業のイメージが浸透し、採用活動にも良い影響が出ている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。