ものづくり補助金平成29年度製造業岩手県

石窯オーブン導入による高品質食事系パンの新ブランド「Craft Bread」の立ち上げ

白石食品工業株式会社

成果1回の焼成数量 1倍(従来オーブン比)→1.3倍(従来オーブン比)

この事例のポイント

  • 東北地方はパンの消費量が全国的に少なく、人口減少も進むなかで、新しい事業に挑戦して東北のお客様にパン食文化を提案していく必要があった。
  • ドイツ製のオイル循環式ラックオーブン(石窯オーブン)を導入した。
  • 1回の焼成数量 1倍(従来オーブン比)→1.3倍(従来オーブン比)。石窯オーブンの導入により、焼きムラのない均一な高品質の食事系パンを製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名白石食品工業株式会社
所在地岩手県 盛岡市
業種食料品製造業
従業員数850人
資本金1億円
設立1953年

事業の背景

当社は盛岡市と宮城県大和町に生産工場を持ち、東北6県を販売エリアとしている。スーパーやコンビニエンスストアを主な取引先とし、自社ブランドパンの製造販売やライセンス製品の製造卸売を行っている。2013年には直営ベーカリーショップ「パノパノ」を盛岡市内に開業した。一方で、食パン専門店の進出が活発になり、若い世代を中心に菓子パン離れが見られ、消費者の健康志向も高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑東北地方はパンの消費量が全国的に少なく、人口減少も進むなかで、新しい事業に挑戦して東北のお客様にパン食文化を提案していく必要があった。
  • 新製品・新技術生産の約7割を菓子パンが占めており、食事系パンの生産割合を引き上げる必要があった。

やったこと

ドイツ製のオイル循環式ラックオーブン(石窯オーブン)を導入した。循環するサーモオイルを熱し、その輻射熱で焼成する仕組みで、オーブン庫内とオイルの温度差が非常に少ない。熱効率が良く表面が均一に焼けるため焼きムラのない製品になり、1回の焼成数量は従来のオーブンと比べて1.3倍に増えた。通常の工場ラインとは別に「クラフト課」を新設し、手作業の丁寧なパン作りを行う体制を整えた。県産のもち性小麦「もち姫」に、銀河のちから、ゆきちからを配合して新食感の食パン「もち姫ブレッド」を開発し、2019年4月から盛岡市内と近郊のスーパーで販売を開始した。

加工機オイル循環式ラックオーブン(石窯オーブン)

新しい製品・サービス:新ブランド「Craft Bread」の第一弾として、もち姫を使った新食感の食パン「もち姫ブレッド」

事業の効果

  • 1回の焼成数量 1倍(従来オーブン比)→1.3倍(従来オーブン比)

石窯オーブンの導入により、焼きムラのない均一な高品質の食事系パンを製造できるようになった。1回の焼成数量が従来比1.3倍に増え、生産性も向上している。もち姫ブレッドは、もっちりとした食感が好評で、リピーターも増えている。新ブランドの食事系パンを展開して新規顧客層への浸透やブランド力の強化、顧客満足度の向上を目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    菓子パン中心の事業から食事系パンの生産比率を上げる方針が示されているが、既存事業との一貫性を裏付ける具体的記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    東北6県が販売エリアで、食パン・食事パン消費が伸びる一方菓子パンは7割を占めるという市場認識と、地域小麦の活用が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    菓子パン比率7割という課題を認識し、食事系パンの生産割合を引き上げる計画が示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    食事系パンを2020年春に10アイテム揃える目標と1回焼成数量1.3倍が示されているが、売上や付加価値の数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    新設のクラフト課や既存の技術蓄積に触れているが、人員や事務処理体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    もっちり食感の新食感食パンで、試食販売でリピーターも増えているという顧客反応と差別化点が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    開発に取り組み中で2020年春を目処とする時期が示されているが、課題解決の方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    石窯オーブンによる高品質食事系パンの新ブランドで、手作り要素を取り入れた高付加価値化を図る方針が示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    地域の生産者や研究機関と連携し、岩手県産小麦を使う点で地域経済への寄与がうかがえるが、雇用創出などの数字は示されていない。

  • 費用対効果3

    1回の焼成数量が1.3倍になり生産性が向上したと書かれているが、費用対効果を示す金額や付加価値額は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    石窯オーブンの熱効率や焼きムラの少なさは書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    岩手県産の小麦ともち姫を活用し、盛岡の東北農業試験場開発の小麦を使って地域の食文化を創造すると書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2020年春を目処に、新ブランドシリーズとして岩手県産小麦を使った食事系パンを10アイテム揃える予定で、現在開発に取り組んでいる。

事業者の声

「食事系パンの比率を上げて、夕食にも出してもらえるような食べ方の提案や普及に努めていきたい」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。