ものづくり補助金平成28年度製造業山口県

新鋭機器導入による製造能力、付加価値の向上及び多能工化と処遇改善計画

三和テクノイノベーション株式会社

成果生産量は2倍に増加した

この事例のポイント

  • 切断時の思い込みによる寸法違いや数量違いなどのヒューマンエラーが起き、パイプのロスが生じていた。
  • 高機能自動切断機(バンドソー、原文表記で「の400」)を導入した。
  • 生産量は2倍に増加した。機械導入により高精度のものづくりと生産コストの削減を実現し、生産量は2倍に増加した。

事業者のプロフィール

事業者名三和テクノイノベーション株式会社
所在地山口県 周南市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,製造環境
従業員数18人
資本金2,020万円
設立2005年

事業の背景

各種プラントの配管工事を専門に行う会社で、材料業者から切断されたパイプを仕入れ、輸送可能なユニットに溶接して現地に搬入し組立を行っていた。最終工程の溶接の出来映えが他社との差別化の要となるため、前工程の省力化・効率化が求められていた。受注をめぐる価格競争が激化しており、高精度のものづくりとコスト削減の両立が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度切断時の思い込みによる寸法違いや数量違いなどのヒューマンエラーが起き、パイプのロスが生じていた。
  • 納期・工程切断された部材の不具合が溶接に影響して工期が大幅に遅れる原因となっていた。
  • コスト・採算受注をめぐる価格競争が激化しており、工数を減らしてコストを抑えつつ、高品質や納期を守ることが課題になっていた。

やったこと

高機能自動切断機(バンドソー、原文表記で「の400」)を導入した。切曲がり防止機構を備え、任意の長さに連続して切断でき、指定寸法でのパイプの切断が無人で可能になった。付属品としてスチールローラーコンベアー、オートレベルも導入した。門型クレーンを導入し、荷の巻き上げ・巻き下げを行うとともに、材料切断及び長尺反転などの作業スペースとして工場前を有効活用した。溶接は2段階で行い、仮付けにTIG溶接機(ポジショナー、冷却水循環装置、水冷トーチ付属)を、仕上げにデジタル半自動溶接機を導入した。

事業の効果

  • 生産量は2倍に増加した

機械導入により高精度のものづくりと生産コストの削減を実現し、生産量は2倍に増加した。カットサイズを自動切断機に入力できるためヒューマンエラーが防止され、デジタル制御により不良品や作業ロスが大幅に減った。短納期の工事や大手メーカーからの受注も実現した。自動化により担当者が別の作業を兼務できるようになり、多能工化も進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.8 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決ヒューマンエラーやパイプロスなど課題を明示し、自動切断機や2段階溶接で解決する計画で、生産量2倍の成果も示されている。
  • 4
    費用対効果生産量2倍、ロス削減、不良防止など、投資に対する成果が数字や事実で示されており費用対効果がうかがえる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制担当者が別作業を兼務できるようになったとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    2005年創業以来、配管加工から溶接・組立まで一貫して行う事業の延長で設備を強化しており、過去の取組との一貫性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    価格競争の激化が課題とされ、高精度と納期厳守で勝ち抜く方針が示されているが、市場動向の分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    ヒューマンエラーやパイプロスなど課題を明示し、自動切断機や2段階溶接で解決する計画で、生産量2倍の成果も示されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量2倍という結果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は事例に書かれておらず、目標設定の具体性は薄い。

  • 事業を進める体制2

    担当者が別作業を兼務できるようになったとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    高品質と納期厳守で価格競争に打ち勝つ方針や、大手メーカーからの受注実現が書かれ、選ばれる理由はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    再投資で大型切断機を導入し工場を建て直したと、次の段階の計画は書かれているが、スケジュールや課題解決方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    配管工事の自動切断やデジタル溶接の高精度化による高品質化はうかがえるが、分野の普及度や高価格化の具体的根拠は薄い。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    大型切断機の導入で顧客問い合わせが増えたとあり、地域波及効果の記述はわずかにうかがえるが、国の補助理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    生産量2倍、ロス削減、不良防止など、投資に対する成果が数字や事実で示されており費用対効果がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    デジタル制御の溶接機や自動切断機の導入はあるが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    周南市の事業者として地域に根ざしているとうかがえるが、地域特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

今回の投資で成果が明確になったため、再び補助金を活用して大型の切断機を導入し工場を建て直した。今後は10年・20年先を見据えて機械化・ロボット化を進め、多能工と職人をバランスよく配置して顧客ニーズにタイムリーに応えていく考えである。

事業者の声

補助事業は経営の道しるべ。先行投資をする後押しになります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。