ものづくり補助金平成28年度製造業徳島県

顧客要求を満足する新規ボルトの効率的な生産体制の構築

株式会社ヒラノファステック

成果生産能力 60本/min→200本/min

この事例のポイント

  • 現有設備では潜在的な顧客も含めた市場ニーズに応えることは難しい。
  • 銅製ボルトと同等の電導効率を維持したうえで、軽量かつ安価なボルトをコンセプトに、銅と鉄の二種材一体型ボルトの量産体制を確立するため、4工程ヘッダー冷間鍛造用横型プレス機を導入した。
  • 生産能力 60本/min→200本/min。銅と鉄の二種材一体型の新規ボルトにより、価格を約40%まで低減できた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヒラノファステック
所在地徳島県 徳島市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数26人
資本金1,000万円
設立1930年

事業の背景

当社の主力製品は六角ボルトで、建築・土木から一般・産業機械、家電など幅広い分野に供給している。自動車分野では、アイドリングストップシステム用スターターに使用されるボルトが銅製で、鉄製に比べ価格が5.2倍、重量が1.14倍になっている。顧客からは電導効率が良く、軽量で安価なボルトが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有設備では潜在的な顧客も含めた市場ニーズに応えることは難しい。
  • コスト・採算銅製ボルトは一般的な鉄製のものと比較すると、価格で5.2倍、重量で1.14倍にもなる。

やったこと

銅製ボルトと同等の電導効率を維持したうえで、軽量かつ安価なボルトをコンセプトに、銅と鉄の二種材一体型ボルトの量産体制を確立するため、4工程ヘッダー冷間鍛造用横型プレス機を導入した。銅一体型から銅と鉄の二種材一体型に変更することで、価格を約40%まで低減できる新規ボルトを開発した。現有の2工程ヘッダーのプレス機の生産能力は60本/minであったが、導入後は200本/minが実現でき、生産体制が強化できた。

加工機4工程ヘッダー冷間鍛造用横型プレス機

新しい製品・サービス:銅と鉄の二種材一体型の新規ボルト(銅ボルトと同等の電導効率を維持した軽量で安価なボルト)

事業の効果

  • 生産能力 60本/min→200本/min
  • 新規ボルトの価格を約40%まで低減

銅と鉄の二種材一体型の新規ボルトにより、価格を約40%まで低減できた。生産能力は現有の60本/minから200本/minに向上し、量産体制が強化された。新規ボルトはオルタネーター用として採用され、FA機器分野でも代替採用される可能性が高い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    六角ボルトの主力製品を基盤に、アイドリングストップ用の銅製ボルト課題へ展開する流れは読めるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    銅製は鉄製より価格5.2倍、重量1.14倍と数字で課題を示し、二種材一体型で価格約40%に低減できる点で強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    顧客要望と現有設備の限界を整理し、生産能力60本/minから200本/minへの強化で量産体制を構築する実効的な計画が読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力が60本/minから200本/minに実現できたとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    軽量かつ安価で銅同等の電導効率を持つ顧客ニーズを明確にし、オルタネーター用やFA機器分野での採用見込みまで示している。

  • 事業化までの道筋3

    今後はアルミやSUS材への展開と体制整備を進めるとあり方向性はあるが、スケジュールや解決方法の具体性は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    鉄製と銅製の二種材一体型で価格約40%まで低減した新規ボルトは、同分野での高付加価値化・価格低減を図るものと読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    FA機器分野への代替採用の可能性に触れ需要創出の見込みはうかがえるが、波及効果や雇用創出の数値は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産能力が3倍超になる数値はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出2

    軽量・安価なボルトで電動化や省エネ分野に関わる可能性がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明示されていない。

  • 地域経済への波及1

    公開されている事例からは読み取れません。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

本事業で開発した新規ボルトがオルタネーター用として採用された実績から、FA機器分野でも当該ボルトが有効で代替採用される可能性が高い。すでに大手FA機器メーカーからオファーもある。今後は鉄以外のアルミやSUS材でも同様の機構のボルトが開発できる体制を整えていく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。