ものづくり補助金平成24年度愛知県

高出力用放物面鏡加工ヘッドによるハイブリッドレーザ溶接システムの開発

前田工業株式会社

この事例のポイント

  • 大手企業1社への依存が高く、その企業から今後は仕事がなくなる可能性があると通告された。
  • 平成24年に独IPG製の出力30キロワットのファイバーレーザー発振器を導入し、板厚32ミリメートルの素材を1パスで貫通溶接できるようにした。
  • シームトラッキングとワイヤ送給量の同時制御により、従来に比べ格段に精度の高い溶接が行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名前田工業株式会社
所在地愛知県
業種生産用機械器具製造業
技術分野溶接
従業員数40人
資本金3,500万円
設立1950年

事業の背景

前田工業は長らく、ある大手企業1社向けの生産設備の製造が事業のほぼ100%を占めていた。昭和60年代前半ごろ、その大手企業から時代の変化で仕事がなくなる可能性があると告げられ、最大のピンチを迎えた。そこで先代社長がレーザ加工の受託事業に活路を見いだし、現在はレーザ加工事業が同社の仕事の7割に達している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信大手企業1社への依存が高く、その企業から今後は仕事がなくなる可能性があると通告された。
  • 新製品・新技術出力30キロワットのレーザでは従来の集光レンズ式加工ヘッドが機能と耐久性の面で適さず、放物面鏡式の加工ヘッドの開発が必要だった。
  • 品質・精度厚板の溶接では突合せ部の隙間が大きく変化するが、ワイヤを一定量しか送給できず、精度の高い仕上がりが望めなかった。
  • コスト・採算大きな先行投資をした機械が稼働できず、資金繰りに苦労していた。

やったこと

平成24年に独IPG製の出力30キロワットのファイバーレーザー発振器を導入し、板厚32ミリメートルの素材を1パスで貫通溶接できるようにした。大型加工物の溶接に向けて、20キロワットを超える高出力レーザに適した高出力用放物面鏡加工ヘッドを開発した。隙間の大きさの変化を検知するシームトラッキング機能と、検知データをもとに加工速度・レーザ出力・ワイヤ送給量を同時可変制御する機能を持つハイブリッドレーザ溶接システムを試作を重ねて完成させた。システム完成に不可欠な機器の購入にものづくり補助金を活用した。

  • 加工機ハイブリッドレーザ溶接システム用機器シームトラッキング・ワイヤ送給制御

新しい製品・サービス:ハイブリッドレーザ溶接システム(溶接線の追従と隙間検知を行うシームトラッキング機能と、加工速度・レーザ出力・ワイヤ送給量の同時可変制御を備えたレーザ加工のワイヤ供給量制御システム)

事業の効果

シームトラッキングとワイヤ送給量の同時制御により、従来に比べ格段に精度の高い溶接が行えるようになった。複数の企業がこの製品を評価し、システム導入の話が概ねまとまっている。開発の場を国内にとどめず海外にも広げ、米国、ドイツ、中国との技術交流を進めている。

今後の展望

今後は国内にとどまらず世界を視野に入れて開発や販路開拓を進め、同社の技術と製品が世界で活躍することを目指している。

  • 目標:溶接パス数 8パス→1パス

事業者の声

これだけの出力なら必ず何かできる

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。