ものづくり補助金平成30年度製造業石川県

建設機械向け外装パネルの製作工程一貫化及び新規受注獲得

有限会社室田鉄工所

この事例のポイント

  • 大型パネルの内側の場所はスポット溶接の電極が届かず加工できなかった。
  • テーブル式スポット溶接機を溶接工程に導入した。
  • これまで加工できなかったスポット加工が可能になり、歪みが少ない高精度な面加工が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社室田鉄工所
所在地石川県 能美市
業種生産用機械器具製造業
技術分野接合・実装
従業員数37人
資本金9,000万円
設立1987年

事業の背景

室田鉄工所は溶接加工を軸に建設機械外装パネルを主製品として操業してきた。建設機械業界で小回りの利く外装パネル製作企業へ発展するには、建機部品メーカーが持たなかったスポット溶接工程が必要になった。スポット溶接は自動車産業や配電盤パネル等に多く使われる技術である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大型パネルの内側の場所はスポット溶接の電極が届かず加工できなかった。
  • 新製品・新技術建設機械業界で小回りの利く外装パネル製作企業へ発展するため、スポット溶接工程を内製化する必要があった。
  • 納期・工程工場間の横持ち移動による落下や紛失などの不具合があり、移動のリードタイムと工場在庫が課題だった。

やったこと

テーブル式スポット溶接機を溶接工程に導入した。これにより大型パネルの内側の場所まで最適な条件でスポット溶接ができるようになった。片面がフラットなテーブルになったため、溶接時に製品表面に出る裏側の膨らみを極少なくできた。これにより溶接加工と相まって外観品質の良い建機外装を一貫して製作できる工場になった。

加工機テーブル式スポット溶接機

新しい製品・サービス:建機外装パネルの一貫製作工程(スポット溶接を含む)

事業の効果

これまで加工できなかったスポット加工が可能になり、歪みが少ない高精度な面加工が実現した。スポット加工費を製品に上乗せでき製品単価が増加し、一部品当たりの付加価値も増加した。工場間の横持ちがなくなり移動による不具合が減った。移動のリードタイムを削減し、サプライヤー間でも工場在庫を減らせたことでWin-Winの生産方式が確立できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    スポット溶接工程が必須となったため内製化に取り組んだと経緯が書かれ、建機外装パネル事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    建機部品メーカーが持たなかった工程を内製化する点が述べられるが、市場動向や競合に対する強み・弱みの記述は読み取れない。

  • 課題の認識と解決3

    中央部分が加工できない課題を示し、スポット工程導入で解決した。付加価値増加や製品単価増加も書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値増加は書かれるが、目標値や具体的な数字は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員37名(実習生10名)や立ち上げ完了の記述はあるが、補助事業を遂行する体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    建機外装の一貫製作を担える工場として顧客に提供できると述べ、主要取引先や新規受注の引き合いも書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    立ち上げ完了、製品試験クリア、製造工程の移管が順次終わっている現状が書かれ、進め方の流れはうかがえる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    スポット溶接の内製化で表面品質が向上したとあるが、普及度や高価格化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    新規受注や取引先からの引き合いが書かれるが、地域波及や雇用創出の記述は読み取れない。

  • 費用対効果2

    製品単価増加や付加価値増加が述べられるが、補助金投入額との比較となる数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    太陽光発電や省エネ型加工機、溶接のロボット化が書かれるが、サプライチェーンへの貢献としては具体性が薄い。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    石川県能美市の建機外装製作を主力とする点はうかがえるが、地域の経済成長を牽引する記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

スポット加工機の立ち上げと製品試験は順調に終わり、製造工程の移管も順次終わっている。メインターゲットの建機部品が好調で受注を伸ばしており、新規製品の受注や外装部品の引き合いも続いている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。