ものづくり補助金平成28年度製造業愛媛県

画像式異物除去装置・殺菌機導入による品質向上と販路拡大

株式会社オカベ

成果イワシノコバンの混入クレーム件数 14件→7件

この事例のポイント

  • 小魚製品の原料には海中の異物が多く混入しており、雑菌も多い。
  • 画像式異物除去装置と蒸気殺菌機を導入した。
  • イワシノコバンの混入クレーム件数 14件→7件。イワシノコバンのクレームが昨年同時期の14件から7件へと50%減少し、異物除去精度が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社オカベ
所在地愛媛県 伊予市
業種食料品製造業
技術分野機械制御,製造環境
従業員数95人
資本金5,000万円
設立1985年

事業の背景

いりこ等の小魚製品を主体とする海産珍味を製造販売しており、取扱品目は約1,000アイテムに及ぶ。販売先は大手米菓メーカーが主力で、近年は学校給食向け問屋筋や生協関連の取引が増加傾向にある。品質及び衛生管理には早くから注力し、JAS認証工場の認定取得やHACCP、ISO9001シリーズ認証を取得して差別化を図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度小魚製品の原料には海中の異物が多く混入しており、雑菌も多い。
  • 品質・精度イワシノコバンは小魚と共に漁獲されやすく、既存の選別機では除去し難い。
  • 品質・精度イワシノコバンはサイズや色がちりめんと似ているため、目視選別を逃れやすい。
  • 品質・精度イワシノコバンは見た目からクレームにつながりやすい。
  • 品質・精度衛生面から菌数の高い原料は出荷できず、全ての異物の除去技術も未確立である。

やったこと

画像式異物除去装置と蒸気殺菌機を導入した。画像式異物除去装置はモノクロカメラを4台搭載し、良品をカメラ下に流すだけで良品を自動記録する。カラー判定不可能な同色系異物の判別や、解析結果を見ながらリアルタイムでNG設定を調整できる。カメラの位置を独自に調整したカスタマイズ機である。蒸気殺菌機は製品に合った温度を90〜145℃の範囲で調整でき、3個のタイマーで殺菌時間をコントロールする。100℃以上の水蒸気で一度に50kgの原料を殺菌でき、高温の水蒸気により熱による食材の劣化を最小限に抑えながら微生物を殺菌できる。

その他画像式異物除去装置
その他蒸気殺菌機

事業の効果

  • イワシノコバンの混入クレーム件数 14件→7件

イワシノコバンのクレームが昨年同時期の14件から7件へと50%減少し、異物除去精度が向上した。殺菌機により調味工程での再加熱が不要になり、一日の生産量が増加した。殺菌済み原料を手広く提供できるようになり、健康食品メーカーや生協、給食向けなどの売上増加が期待されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は既存の品質・衛生管理への注力と差別化を述べるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    菌数規格の厳しい得意先や生協・給食向けへの売上増加の見込みを具体的に示し、強みを活かす方向が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    異物混入クレームが14件から7件へ50%減少し、殺菌機で再加熱不要となり一日の生産量が増えたと数字で示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。撰別速度アップを目標とした程度で、数値目標はない。

  • 事業を進める体制2

    体制や人材、事務処理能力に関する記載はなく、わずかに従業員数95名や品質保証部の存在がうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    異物除去率や得意先の規格要求を示し、健康食品メーカー、生協、ペットフード向けなど顧客ターゲットが具体的に挙げられている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の売上増加先が示されるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は記載がなく、性能試験中という記述にとどまる。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    小魚製品の珍味分野の中で、異物除去と殺菌による高品質化を図る取組みとして読み取れるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    海外向け原料提供や得意先の売上増加に触れるが、地域経済や雇用創出への国の補助の必要性を示す記述は薄い。

  • 費用対効果3

    クレーム件数の半減と生産量増加は示されるが、補助金投入額に対する付加価値額の増加や費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    画像式異物除去装置によるデジタル技術の活用はうかがえるが、サプライチェーン全体へのイノベーション貢献は記載がない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県伊予市の水産加工業として地域の珍味製造に根ざすことがうかがえるが、地域経済や雇用への波及は記載がない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入設備により品質が向上したことから、菌数や異物に関する規格が厳しい得意先への売上増加が期待される。殺菌済み原料を安定供給することで、品質規格の厳しいペットフードの売上拡大や海外向け原料提供による売上増加も見込まれる。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。