ものづくり補助金平成28年度建設業佐賀県

未利用バイオマス「もみ殻」を有効活用 したサスティナブル・プロジェクト

株式会社岡村建設

この事例のポイント

  • 建設業界は公共事業や技術者の減少で厳しさを増しており、新たな事業展開が喫緊の課題となっていた。
  • 稲作の副産物であるもみ殻を、共同乾燥調製施設に集積されたものを使って収集した。
  • すり潰しもみ殻とモミガライトの生産が可能となった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社岡村建設
所在地佐賀県 神埼市
業種総合工事業
技術分野バイオ
従業員数14人
資本金5,000万円
設立1951年

事業の背景

近年の建設業界は公共事業や技術者の減少により厳しさを増しており、新たな事業展開が喫緊の課題となっていた。地球環境保全の重要性が高まる中、地域特性を生かした新規事業として将来性のあるバイオマス分野への進出を決めた。コメ生産農家はもみ殻の処分に困っており、災害に備えて備蓄燃料を導入する市町村も増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他建設業界は公共事業や技術者の減少で厳しさを増しており、新たな事業展開が喫緊の課題となっていた。
  • 新製品・新技術もみ殻は硬く吸水性が低く腐敗しにくいため再利用しにくく、未処理のまま廃棄されていた。

やったこと

稲作の副産物であるもみ殻を、共同乾燥調製施設に集積されたものを使って収集した。運搬は自社の建設重機を利用し、導入費用を抑えた。株式会社トロムソ製のグラインドミルを導入し、硬い組織を破壊して吸水性や保水性を高めたすり潰しもみ殻を製造できるようにした。すり潰しもみ殻を圧縮・成形して固化し、固形燃料(モミガライト)を製造できる体制を整えた。試運転により、もみ殻を使用した固形燃料とすり潰しもみ殻が加工品として製造可能であることを確認した。

  • 加工機グラインドミル株式会社トロムソ製

新しい製品・サービス:吸水性や保水性を高めたすり潰しもみ殻(苗床用培土・家畜用敷料)と、もみ殻を固化した固形燃料(モミガライト)。備蓄用燃料「いっとかん」(モミガライト、着火剤、トングなどのセット)。

事業の効果

すり潰しもみ殻とモミガライトの生産が可能となった。すり潰しもみ殻は苗床用培土や家畜用敷料として需要が見込まれ、従来の水稲用培地より軽いため農業者の労力軽減につながる。すり潰す際の高熱により雑草の発芽を抑制する効果もある。モミガライトは備蓄用・暖房用燃料として需要が見込まれ、もみ殻100%で環境に優しく火持ちが良く長期保存もできる点をアピールできる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性共同乾燥施設に乾燥もみ殻が集積され収集の手間がかからず、保有する建設重機を運搬に使える点など、自社の経営資源を生かす強みが具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決建設業の公共事業減少や技術員減少という課題を挙げ、もみ殻の処分困難という課題に対し固形燃料化・培土化で解決する事業計画が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けすり潰しもみ殻は軽く雑草抑制効果があり、モミガライトは備蓄用・暖房用として需要が見込まれ、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値や賃上げを実現する数値目標は示されておらず、市場拡大の計画はあるが目標値は読み取れない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    土木建設業を主とする会社がバイオマス分野へ新規進出する計画で、既存事業との一貫性は文章から読み取れるが、経営戦略上の位置付けの説明は具体性が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    共同乾燥施設に乾燥もみ殻が集積され収集の手間がかからず、保有する建設重機を運搬に使える点など、自社の経営資源を生かす強みが具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    建設業の公共事業減少や技術員減少という課題を挙げ、もみ殻の処分困難という課題に対し固形燃料化・培土化で解決する事業計画が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げを実現する数値目標は示されておらず、市場拡大の計画はあるが目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    土木建設業の閑散期に収集・加工を行う計画があり、既存の業務体制を生かす想定はうかがえるが、人材や事務処理体制の具体は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    すり潰しもみ殻は軽く雑草抑制効果があり、モミガライトは備蓄用・暖房用として需要が見込まれ、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    市町村への備蓄燃料提案、実演会、共同乾燥施設との連携など普及の進め方は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    もみ殻の固形燃料化や培土利用は一般に普及していない分野とうかがえるが、普及度や高水準の高付加価値化を示す記述は限定的である。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    もみ殻の未処理廃棄や災害時備蓄燃料の需要など社会的課題の解決をうたうが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数値は書かれておらず、導入費用を抑えた点のみ読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    もみ殻のすり潰し・固形化という技術は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルによるサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    建設業からバイオマス分野へ進出する点は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及4

    地域の稲作副産物であるもみ殻を地元脊振町から神埼市、県内へ展開する計画が示され、地域特性を生かした事業であることが具体的に読み取れる。

今後の展望

まずは地元の脊振町で普及浸透を図り、神埼市、周辺市町村、県内全域へと市場を徐々に拡大する計画である。イベントでの実演会や共同乾燥施設と連携した普及会を開催し、認知度向上と口コミ効果を図る。備蓄用燃料「いっとかん」を非常時の備えとして自治体へ提案し、新ストーブを利用する家庭やハウス栽培用の専用ボイラーを導入する農家にもアピールする。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。