ものづくり補助金平成28年度製造業佐賀県

金型キャビティ・コアの超精密加工技術の確立と生産性向上

福岡ダイス株式会社

この事例のポイント

  • 稼働中の古いマシニングセンタ3台は加工精度が低く、顧客の品質・精度要求に応えられなくなる恐れがあった。
  • 金型キャビティ・コアの切削加工を全自動運転化するため、レーザー測定機能を備えた高性能マシニングセンタを導入した。
  • 高性能マシニングセンタの導入により、以前は実現できなかった精度の金型加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名福岡ダイス株式会社
所在地佐賀県 唐津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1984年

事業の背景

当社は半導体トレー成型用の金型を、設計から金型製作、納品まで全工程で手がけている。金型成型では短納期が求められている。平成29年当時、稼働中のマシニングセンタは古く、加工精度と作業負担の両面で課題を抱えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度稼働中の古いマシニングセンタ3台は加工精度が低く、顧客の品質・精度要求に応えられなくなる恐れがあった。
  • 品質・精度刃物の摩耗・折損に気づかず稼働させてしまい、正しく切削できずプログラムを組み直して再稼働させる手間がかかっていた。
  • 人手・技能夜間も2〜3時間おきに稼働状況を確認しに行く必要があり、負担が大きかった。

やったこと

金型キャビティ・コアの切削加工を全自動運転化するため、レーザー測定機能を備えた高性能マシニングセンタを導入した。レーザー測定機能を使いこなすため、刃物の摩耗による補正機能と熱変化補正を習得した。図面との最大誤差5μmで金型製作できるよう試作を繰り返した。完全自動化のためのプログラムを作成し、刃物の折損や摩耗への対応を実験してノウハウを蓄積した。スムージング機能で加工面の仕上がり精度が上がることも確認した。備え付けのレーザー測定器で刃物の折損や摩耗を0.1μmの精度で検出し、異常時は自動工具交換ツールで新しい刃物に交換して作業を再開できるようにした。社内のCAD/CAMシステムとLANで接続し、PCから加工データを自動送信できるようにした。

事業の効果

高性能マシニングセンタの導入により、以前は実現できなかった精度の金型加工が可能になった。加工速度が速く仕上げ作業が減ったため、製作時間が短縮され製造コストも下がった。刃物の折損や摩耗による再加工の無駄を解消できた。金型キャビティ・コアの切削を全自動運転化したことで、夜間の見回りの負担も減らせた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性図面との最大誤差5μmの精度で金型製作できる技術を習得し、従来不可能な加工を実現、既存取引先から受注増が生じている。
  • 4
    課題の認識と解決旧機の加工精度低下や夜間の2、3時間おき確認を課題と認識し、全自動化と0.1μm検出で解決する実効性の高い計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け半導体トレー金型など短納期・高精度へのニーズがあり、お客様の品質要求に応えられる点が選ばれる理由として整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用半導体メーカー向け金型受注や取引先からの受注増に触れるが、雇用創出や波及効果の記述は弱い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    旧式マシニングセンタの精度不足と刃物摩耗の手間を課題とし、高性能機導入と技術習得で金型製作を内製強化する流れが一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    図面との最大誤差5μmの精度で金型製作できる技術を習得し、従来不可能な加工を実現、既存取引先から受注増が生じている。

  • 課題の認識と解決4

    旧機の加工精度低下や夜間の2、3時間おき確認を課題と認識し、全自動化と0.1μm検出で解決する実効性の高い計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    加工速度向上と仕上げ作業削減で製作時間短縮と製造コスト削減を実現したとあり、目標の実現性は示されている。ただし具体的な付加価値額や賃上げ数値は記載がない。

  • 事業を進める体制3

    レーザー測定機能の使いこなしに向けて技術習得と試作を繰り返し、加工プログラム作成のノウハウを蓄積している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    半導体トレー金型など短納期・高精度へのニーズがあり、お客様の品質要求に応えられる点が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    試作の繰り返しで精度を確認し、完全自動化プログラムで刃物の折損・摩耗への対応を実験するなど、課題解決の方法が段階的に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    世界最高レベルの超精密加工技術を目指し、高精度の金型加工を行う点は高水準の高付加価値化を図るものと読み取れる。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用2

    半導体メーカー向け金型受注や取引先からの受注増に触れるが、雇用創出や波及効果の記述は弱い。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMとLANで接続し、PCから加工データを自動送信、2拠点間でデータ共有環境を構築しており、デジタル活用による効率化が見られる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    唐津市の工場で製造し福岡市で営業する拠点体制に触れるが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は薄い。

今後の展望

既存取引先からポンプ・モータなどの受注が増えており、今後も受注拡大を図る。半導体メーカー向けトレー金型も短納期で製作できるようになり、受注の信頼が増している。本社・営業部門(福岡市)と工場(唐津市)の2拠点間でPCによるデータ共有環境を構築しつつあり、さらなる効率化を進める。

事業者の声

期待された超精密加工ができ、人手をかけずに金型製作できる機械です。特にレーザー測定機能が優秀です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。