ものづくり補助金平成28年度製造業佐賀県

海外需要に向けた『嬉野茶』販路拡大を支える茶成分分析計の導入

株式会社川原茶業

この事例のポイント

  • 海外のバイヤーとの商談で、生産方法や品質の違いを伝えにくい。
  • 今回の補助事業で茶成分分析計『GTN-9』を導入した。
  • 茶葉を数値化したことで、海外向けの茶葉に基準値を設けられるようになり、他産地の茶葉と区別できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社川原茶業
所在地佐賀県 嬉野市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野測定計測
従業員数5人
資本金1,000万円
設立1990年

事業の背景

国内の茶の需要は減少傾向にある一方、日本茶の輸出金額は品質や機能性が評価されて年々増えている。嬉野市でも海外販売に早くから取り組んできた。海外では日本茶が『Green Tea』や『Japanese Tea』として売られ、静岡茶や宇治茶などの産地は区別されにくいため、価格競争になりやすい状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信海外のバイヤーとの商談で、生産方法や品質の違いを伝えにくい。
  • 品質・精度海外では茶葉を数値化して目に見える形で示すことが求められるようになったが、それに応える手段がなかった。

やったこと

今回の補助事業で茶成分分析計『GTN-9』を導入した。この分析計は中国語と英語に変換して表示でき、海外輸出用の茶葉を数値化して商品説明に使える。茶葉に含まれるアミノ酸量と繊維質の割合から算出するAFスコアにより、茶葉を数値で表示できるようになった。AFスコアが高いほど旨味のある高品質の茶葉と判断でき、他社との差別化と効率的な説明が可能になった。

検査測定茶成分分析計 GTN-9

事業の効果

茶葉を数値化したことで、海外向けの茶葉に基準値を設けられるようになり、他産地の茶葉と区別できるようになった。AFスコアにより他社との差別化ができ、茶葉の説明も効率よく行えるようになった。価格競争にとらわれず高品質な日本茶を差別化して輸出できる体制を整えた。今後は海外販路の拡大も見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    海外販路拡大と茶葉の数値化が取組の流れとして書かれているが、過去の取組との一貫性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    国内需要減少と海外での日本茶の売れ筋が『Green Tea』で産地区別がない現状を述べ、数値化で差別化する理由が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    産地の区別がなく価格勝負になる課題を認識し、成分分析計で基準値を決めて差別化する具体的な解決策が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    海外向け茶畑の拡大や販売量増加を目指すとあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員5人の企業と書かれているのみで、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    AFスコアで茶葉を数値化し、海外バイヤーへ目に見える形で説明する価値と、ターゲット市場や展示会の計画が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    ドバイのGulfood出展やブラジル輸出など時系列の方針はあるが、課題検証や遂行方法の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中国茶が低価格で販売される中、AFスコアで高品質茶葉を差別化する点が書かれ、高付加価値化を図る内容と読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    日本茶の輸出増加を背景に、産地を区別して輸出する取組として地域茶業の振興に触れるが、雇用や波及効果の数字はない。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    茶葉の数値化による情報共有をJAや生産農家と行う構想がうかがえるが、デジタル技術の活用としての新規性は薄い。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    国内需要減少を受けた海外市場への進出という文脈はあるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及4

    嬉野茶という地域の茶を海外に売り込み、県内の荒茶生産量拡大や農家との連携を目指す地域振興の取組が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は海外見本市への出展や、茶葉の輸出、見本発送を進めて販売量を増やす方針である。ジェトロ佐賀の協力のもとアメリカやUAE・ドバイの見本市へ出展し、新たにブラジルへの輸出も図る。海外向けの茶畑を拡大し、茶葉の生産量を増やすことも考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。