ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

次世代自動車向け過給機部品の高耐熱化実現による生産拡大計画

滲透工業株式会社

成果整列する製品の数 400個→2,000個

この事例のポイント

  • 作業者3名でも1時間あたり約180個しか処理できず、月産32000個という顧客からの要望に応えられなかった。
  • 次世代自動車に搭載する過給機部品の表面改質について、手作業の主な工程である「整列」と「研磨」を自動化した。
  • 整列する製品の数 400個→2,000個。自動化により生産効率が大幅に向上し、整列する製品数は約5.1倍、洗浄・研磨する製品数は約33.3倍になった。

事業者のプロフィール

事業者名滲透工業株式会社
所在地長崎県 西彼杵郡時津町
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数163人
資本金6,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は金属材料の表面改質処理や耐火物・保温材を提供しており、材料にガス化した金属を染み込ませて合金層を作り、耐熱性・耐摩耗性を高める技術を持つ。安価な材料でも高価な金属以上の性能を実現できるため、企業のコストカットにつながる。国内に3ヵ所、海外に2ヵ所の製造工場および研究施設を有する。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力作業者3名でも1時間あたり約180個しか処理できず、月産32000個という顧客からの要望に応えられなかった。
  • 品質・精度手作業では作業者ごとのバラツキが大きく、安定した品質の供給ができなかった。

やったこと

次世代自動車に搭載する過給機部品の表面改質について、手作業の主な工程である「整列」と「研磨」を自動化した。「水平対向式パーツ整列機」を導入し、表面改質処理前に製品を自動整列させるようにした。「流動バレル研磨機」を導入し、製品の洗浄と研磨を自動で行うようにした。受注先から指摘のあったわずかな残渣も自動で きれいに洗浄できるようになった。

  • 加工機水平対向式パーツ整列機流動バレル研磨機

事業の効果

  • 整列する製品の数 400個→2,000個
  • 洗浄・研磨する製品の数 60個→2,000個

自動化により生産効率が大幅に向上し、整列する製品数は約5.1倍、洗浄・研磨する製品数は約33.3倍になった。各工程が自動化したことで作業者が他の工程に従事できるようになり、生産性が上がっただけでなく、顧客の要望に応えられるようになった。納期短縮とコスト削減も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決手作業の処理能力が1時間約180個で月産32000個の要望に応えられなかった課題を示し、整列と研磨の自動化で対応する計画が具体的に書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標整列する製品数は5.1倍、洗浄・研磨は33.3倍と数値で示され、納期短縮やコスト削減も実現したと記載されている。目標値の設定と実現可能性は読み取れる。
  • 4
    費用対効果自動化により生産効率が上がり、納期短縮とコスト削減を実現したと記載され、効果の方向性は具体的に読み取れる。投資額との比較は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制作業者3名という記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    表面改質を主力とする事業で、次世代自動車向け過給機部品の高耐熱化による生産拡大を図る点は事業の延長にあると読めるが、経営戦略上の位置付けの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    安価な材料で高価金属以上の性能を出せる独自技術と、国内3ヵ所・海外2ヵ所の拠点が強みとして示される。市場動向との関係は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の処理能力が1時間約180個で月産32000個の要望に応えられなかった課題を示し、整列と研磨の自動化で対応する計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    整列する製品数は5.1倍、洗浄・研磨は33.3倍と数値で示され、納期短縮やコスト削減も実現したと記載されている。目標値の設定と実現可能性は読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    作業者3名という記載はあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制について具体的な記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客からの月産32000個の要望と受注先からの指摘という需要の裏付けがあるが、製品の価値や選ばれる理由は整理されていない。

  • 事業化までの道筋3

    今後は航空宇宙分野や半導体分野への参入、他社技術との融合を検討すると展望が示されるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    安価な材料で高価金属以上の性能を実現する独自の表面改質技術が示されるが、分野の普及度や高価格化の程度は書かれていない。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    半導体分野で当社技術が活用できるという評価を得ていると書かれ、新たな需要創出の可能性はうかがえるが、経済波及効果の記述はない。

  • 費用対効果4

    自動化により生産効率が上がり、納期短縮とコスト削減を実現したと記載され、効果の方向性は具体的に読み取れる。投資額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    手作業の自動化は示されるが、先端的なデジタル技術の活用や新しいビジネスモデルについては記述がない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    航空宇宙分野や半導体分野への進出を計画していると書かれ、成長分野への展開はうかがえるが、構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    長崎県時津町の事業者であることは分かるが、地域の特性を活かした付加価値や雇用創出についての記述はない。

今後の展望

今後は航空宇宙分野、さらに半導体分野への参入に取り組みたいと考えている。半導体分野では当社の技術が活用できそうだという評価を得ており、積極的に展開したい。また自社の技術と他社の新技術を融合し、表面改質技術も獲得していきたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。