ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

陶磁器用生地の効率的な生産システム構築による売上・利益拡大

白山陶器株式会社

成果コテ合わせ時間 3時間→0.5時間

この事例のポイント

  • 成形機の現用機はセッティングの調整項目が多く、熟練した作業者でないと扱えない。
  • 今回の補助事業では「NCローラー成型機」を導入した。
  • コテ合わせ時間 3時間→0.5時間。コテ合わせの作業時間が約3時間から30分に短縮し、作業時間は1/6になった。

事業者のプロフィール

事業者名白山陶器株式会社
所在地長崎県 東彼杵郡波佐見町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野情報処理,機械制御
従業員数63人
資本金4,800万円
設立1951年

事業の背景

同社は波佐見焼の産地で、良質な天草陶石を主原料に、白磁を基調とした使いやすく生活になじむ器を作ってきた。オリジナルデザインに特化し、インハウスデザイナーを多数育成していることが特徴で、「白山ブランド」は多くのファンを持つ。展示会や直営店の開設により、消費者から直接意見を得られるようになった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能成形機の現用機はセッティングの調整項目が多く、熟練した作業者でないと扱えない。
  • 生産能力多種多様な成形生地が必要になる一方、現用機では多品種・小ロットの注文に応えられない。
  • 新製品・新技術展示会や直営店で消費者から直接フィードバックを得て新作を発表していくには、付加価値の高い独自商品を生み出す設備が必要だった。

やったこと

今回の補助事業では「NCローラー成型機」を導入した。現用機ではコテ合わせだけで約3時間を要していたが、新機械はパソコンに登録した設定を選ぶだけでコテ合わせができるようになった。事前にデータを入力しておけば画面上のワンタッチで操作でき、熟練者でなくても作業できる。これにより作業時間の短縮に加え、人員配置や歩留まり向上にもつながった。

事業の効果

  • コテ合わせ時間 3時間→0.5時間

コテ合わせの作業時間が約3時間から30分に短縮し、作業時間は1/6になった。これにより人員配置や歩留まりも改善した。新機械は画面操作で扱えるため、障がい者が働ける職場環境が整ったことも大きな成果である。今後は女性や高齢者なども参画できる職場にし、人手不足の解消を目指す。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    付加価値・賃上げの目標コテ合わせ時間が3時間から1/6に短縮したという数値目標と実績があり、人員配置や歩留まり向上への効果も示されている。
  • 4
    課題の認識と解決現用機のコテ合わせに3時間を要し、多品種・小ロット注文に応えられない課題が具体的に示され、NCローラー成型機の導入で解決する流れが読み取れる。
  • 4
    費用対効果作業時間が1/6に短縮し、人員配置や歩留まり向上につながったという効果が示され、費用対効果をうかがえる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    これまでの取組との一貫性展示会や直営店でのフィードバックを受け、多種多様な成形生地が必要になると記述があるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性2

    展示会や直営店でのフィードバックを受け、多種多様な成形生地が必要になると記述があるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ユーザーのニーズ多様化への対応と独自商品の必要性は読み取れるが、競争優位や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    現用機のコテ合わせに3時間を要し、多品種・小ロット注文に応えられない課題が具体的に示され、NCローラー成型機の導入で解決する流れが読み取れる。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標5

    コテ合わせ時間が3時間から1/6に短縮したという数値目標と実績があり、人員配置や歩留まり向上への効果も示されている。

  • 事業を進める体制3

    障がい者雇用に50年取り組み、熟練者でなくても操作できる体制が示されているが、補助事業の遂行体制や事務処理能力は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種・小ロットのユーザーニーズに応えるため新機械を導入したと読み取れるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    障がい者や女性、高齢者の参画による人手不足解消という今後の方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    独自デザインの器や白山ブランドで高付加価値を図る方針は読み取れるが、分野の普及度や高価格化の具体的数字は書かれていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    障がい者雇用や新たな人材の参画による雇用創出への言及はあるが、波及効果や国が補助する積極的理由までは書かれていない。

  • 費用対効果4

    作業時間が1/6に短縮し、人員配置や歩留まり向上につながったという効果が示され、費用対効果をうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    NCローラー成型機によるデータ登録とワンタッチ操作は技術活用だが、サプライチェーンや地域への貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    波佐見の地で創業し、障がい者や女性などの雇用を広げる点は地域性と雇用に関係するが、地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

今後は障がい者はもちろん、女性や高齢者など担い手を広げ、人手不足の問題を解消していきたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。