ものづくり補助金平成25年度製造業山形県

廃瓦を再利用した植生ブロックの開発

株式会社原田瓦工業

この事例のポイント

  • 従来の破砕機はコンクリート用で粒度が揃いにくく、瓦のリサイクルには適していなかった。
  • 廃瓦破砕機を導入した。
  • パウダー状の瓦から再生したブロックは、庭に埋め込んだり組み合わせて花壇やオブジェにしたりでき、ガーデニングや住宅の外構工事に使える。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社原田瓦工業
所在地山形県 酒田市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野複合・新機能材料
従業員数12人
資本金2,500万円
設立1966年

事業の背景

原田瓦工業は明治27年創業で、瓦一筋130年の瓦工事会社である。屋根瓦の施工、リフォーム、修理などを主な事業としている。廃瓦は廃棄物として最終処分場に埋め立てられるのが大半で、最近は一般家庭のガーデニング用に砕いて使われるようになったが、まだ一部に限られている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の破砕機はコンクリート用で粒度が揃いにくく、瓦のリサイクルには適していなかった。
  • 新製品・新技術パウダー状の瓦は活用の道がなく、倉庫に保管された状態になっていた。
  • 販路・情報発信廃瓦は大半が最終処分場に埋め立てられており、再利用された製品の需要は一部にとどまっていた。

やったこと

廃瓦破砕機を導入した。この破砕機は瓦工業の企業が製造したもので、10mmから15mm、5mmから8mm、パウダー状の3種類の瓦チップを製造できる。パウダー状のものを金型に入れて圧縮プレスし、ブロックを生成した。デザイン会社の協力を得て当社オリジナルのブロックとし、金型から試作開発した。3種類の瓦チップはオリジナルデザインの袋に入れて商品化した。

加工機廃瓦破砕機
金型金型
加工機圧縮プレス

新しい製品・サービス:廃瓦を再利用した植生ブロックと、3種類の瓦チップ製品

事業の効果

パウダー状の瓦から再生したブロックは、庭に埋め込んだり組み合わせて花壇やオブジェにしたりでき、ガーデニングや住宅の外構工事に使える。瓦チップは保水性があり、袋のまま植栽もできるため、庭のない集合住宅向けにもアピールしている。認知度が広まりつつあり、卸売業者や花屋から引き合いが来ている。瓦はリサイクルして循環活用できることを示し、瓦屋根の受注と新商品の開発で受注の幅を広げることを目指している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    明治27年創業以来の瓦一筋の事業と廃瓦リサイクルの取組がつながるが、経営戦略上の位置づけは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    庭やガーデニング向けに需要がある一方、外部環境や自社の強み弱みを踏まえた優位性の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 課題の認識と解決3

    瓦の受注減に対し新商品で受注の幅を増やすとの課題認識はあるが、高付加価値化や成長の定量的な計画は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    従業員12名、デザイン会社の協力を得て金型から試作開発したと書かれ、体制の一部がうかがえる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    庭のない集合住宅をターゲットに、卸売業者や花屋から引き合いがきていると顧客と需要の裏付けが書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    粒状とパウダーの3種類の製造、金型での試作から商品化までの流れは書かれるが、スケジュールや課題解決の詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    廃瓦の再利用は最終処分場への埋立が大半で、一般的な普及度は低いと読めるが、高付加価値化の数値は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用4

    廃棄物の埋立を減らし瓦を循環活用する環境面の意義や、今後の行政バックアップへの期待が具体的に書かれている。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    移動可能な破砕機を現場や離島で使う取組はうかがえるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    廃瓦リサイクルによる循環活用の方向性はうかがえるが、成長分野への進出や構造転換への言及は薄い。

  • 地域経済への波及3

    酒田市の飛島で現地破砕する構想があり地域性はあるが、雇用創出や地域経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の需要によっては、オリジナルデザインのブロックを増やしていく考えである。公共の道路や庭にも廃瓦が活用されるよう、行政のバックアップを期待している。破砕機は持ち運びが可能なため、酒田市の飛島など現地で廃瓦を粉砕して再利用することも考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成25年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。