ものづくり補助金平成28年度製造業長崎県

甘酒製造の生産性向上と開封後の保存性改善及び新甘酒製品の開発

川添酢造有限会社

成果殺菌工程の加熱時間は約90%軽減

この事例のポイント

  • 直火釜による製造と甘酒の充填作業の手作業により人員が不足し、甘酒の製造量は限界に近かった。
  • スパウトパック充填装置を導入し、甘酒の充填作業の開封、計量、充填、密封を自動化して時間短縮と人員削減を図った。
  • 殺菌工程の加熱時間は約90%軽減。殺菌工程の加熱時間を約90%軽減し、別工程の作業も釜で行えるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名川添酢造有限会社
所在地長崎県 西海市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数8人
資本金300万円
設立1952年

事業の背景

川添酢造有限会社は醸造酢のほか、麹、甘酒、味噌を製造販売している。近年は発酵食品への注目から売上が順調に伸び、2016年の甘酒ブームにより甘酒と米麹の売上はさらに上がることが予想された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力直火釜による製造と甘酒の充填作業の手作業により人員が不足し、甘酒の製造量は限界に近かった。
  • 品質・精度使用しているパウチ袋は注ぎ口がなく注ぐ際に液垂れが発生し、閉じることもできないため開封後は保存がきかなかった。
  • 人手・技能充填作業で4人の人員を要していた。
  • その他顧客から保存性や注ぎ口などの改善点の要望が多数あった。

やったこと

スパウトパック充填装置を導入し、甘酒の充填作業の開封、計量、充填、密封を自動化して時間短縮と人員削減を図った。キャップがつくスパウトパックとすることで注ぎやすく、開封後も保存できるようにした。ボイラ釜では簡易貫流蒸気ボイラと固定式蒸気釜を導入し、蒸す作業と加熱処理の生産ラインを切り離した。蒸気釜には攪拌機能を付け、加熱時の人員を削減できるようにした。

加工機スパウトパック充填装置
その他簡易貫流蒸気ボイラ
加工機固定式蒸気釜

新しい製品・サービス:芋甘酒ペースト

事業の効果

  • 殺菌工程の加熱時間は約90%軽減
  • 充填作業の人員 4人→1人
  • 生産効率 1倍→4倍

殺菌工程の加熱時間を約90%軽減し、別工程の作業も釜で行えるようになった。充填作業は4人から1人になり、生産量は変わらないため4倍の生産効率となった。キャップがつくスパウトパックで開封後も保存できるようになり、従来の500g商品に加え1kgの業務用商品も展開し、新規取引先の獲得や個人顧客の増加につながっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    従来の直火釜や手作業充填による人員不足が課題と書かれ、過去の取組との一貫性は読み取りにくい。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    甘酒や米麹の売上増加と顧客の改善要望が書かれるが、競争優位性を示す強み・弱みの分析は見当たらない。

  • 課題の認識と解決4

    殺菌加熱時間を約90%軽減、充填は4人から1人、生産効率4倍と具体的な数字で課題と効果が書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産効率4倍や人員4人から1人への削減など数値目標に近い実績が書かれているが、賃上げや付加価値額の目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員8名で注文に手一杯と書かれ、体制の確保や事務処理能力への言及は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    キャップ付きスパウトパックで注ぎやすく開封後も保存できると、顧客ニーズへの対応が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    芋甘酒ペーストの開発に着手し原料難で未商品化とあるが、スケジュールや解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    甘酒は2016年の甘酒ブームで売上増とあるが、高付加価値化・高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や発酵食品の需要増に触れるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    人員削減と生産効率向上は書かれるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    長崎県西海市の地場の酢・味噌製造として、新規取引先獲得など地域での事業展開が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「芋甘酒ペースト」の新商品開発に着手しており、原料難等により商品化には至っていないが目処はついている状況である。

事業者の声

手作業でしかできないことと、機械に頼っていいことのバランスが大事だと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。