ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業熊本県

製造過程の見直しと製造量アップによる経営基盤の確立

株式会社阿蘇とり宮

この事例のポイント

  • 手作り中心の生産体制のため、大口注文に対応しきれず、人手を多く必要とする加工食品の製造過程に課題があった。
  • 地震後に大手企業から人気商品の馬ロッケ2万個とあか牛ハンバーグ8千個の大口注文が入ったことを機に、製造過程の見直しを行った。
  • 機械化により大口注文に対応できるようになり、全国展開のカレーチェーン店とのコラボ企画も2年連続で実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社阿蘇とり宮
所在地熊本県 阿蘇市
業種飲食料品卸売業
従業員数10人
資本金500万円
設立1955年

事業の背景

もともとは先代が鶏肉の行商から始めた老舗精肉店で、阿蘇神社の商店街で精肉や手作り惣菜を販売している。道の駅、ホテル、スーパーとも取引している。2016年春の熊本地震で阿蘇神社の楼門が倒壊し道路も寸断されたため、観光客が激減し、阿蘇エリアの人口流出にも歯止めがかからない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作り中心の生産体制のため、大口注文に対応しきれず、人手を多く必要とする加工食品の製造過程に課題があった。
  • 人手・技能熊本地震後、地域の人口流出が続く中で少数精鋭の営業体制を整えたいが、人手を多く必要とする製造工程がその妨げになっていた。

やったこと

地震後に大手企業から人気商品の馬ロッケ2万個とあか牛ハンバーグ8千個の大口注文が入ったことを機に、製造過程の見直しを行った。具材の計量と成形を行う包餡機、均一に焼き上げる鉄板、回転釜、スチームコンベクション、急速冷凍機など7種類の食品加工機類を導入した。手作りの良さを残しつつ、機械による生産性向上を両立させている。加工工場ではHACCPを導入し、徹底した衛生管理と品質管理に取り組んでいる。

加工機包餡機
加工機鉄板
加工機回転釜
加工機スチームコンベクション
加工機急速冷凍機

事業の効果

機械化により大口注文に対応できるようになり、全国展開のカレーチェーン店とのコラボ企画も2年連続で実現した。BtoBの営業活動の幅が広がり、機械による生産性向上で売上も上がっている。工場の整備により自社の宣伝効果と安心材料が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    先代の行商から続く老舗精肉店で地元に根ざした事業を続けてきたと書かれ、製造過程の見直しとの一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    道の駅やホテル等との取引や人気商品の馬ロッケが挙げられ強みはうかがえるが、市場動向との関係の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    地震後の人口流出や観光客減少、人手不足という課題を認識し、機械化で製造過程を見直したと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、売上が上がったとあるのみで数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    スタッフ総出で手作りしていた経験や少数精鋭の体制に触れるが、補助事業を遂行する体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    馬ロッケ2万個、あか牛ハンバーグ8千個の大口注文や全国展開カレーチェーンとのコラボ実績が示され、ニーズの裏付けがある。

  • 事業化までの道筋2

    導入した機械は示されるが、遂行スケジュールや課題解決の方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手作り惣菜の中で馬ロッケなど地域性のある商品を手作りの良さと機械化の両立で高品質化したとうかがえる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    地域活性や阿蘇エリアの人口流出への歯止め、地場企業の存続が目的として書かれ、地域への波及が読み取れる。

  • 費用対効果2

    機械導入による売上増加は書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    HACCP導入による衛生管理は書かれるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルの活用は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    阿蘇地域の活性化を目指し地場企業として雇用や地域経済を支えようとする姿勢が書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

少数精鋭でさらに良いものを作り、新たなステージに挑戦できるよう取り組みを続けていく。

  • 目標:馬ロッケ2万個、あか牛ハンバーグ8千個の大口注文に対応

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。