ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業秋田県

きりたんぽの手巻き、炭火手焼き製法にこだわりながら生産補助工程の機械化・改善によりチヤンスロスの解消を目指す

有限会社鈴和商店

この事例のポイント

  • 手作りを基本としているため、繁忙期に注文に応じられない状況が10年以上続いていた。
  • 「包あん器」のカスタム仕様器を用いて、炊きたての米の半潰し工程と計量工程を一体化し機械化した。
  • 急速冷凍保存が軌道に乗ったことで、1日あたりの製造量が500本増加し、受注に対して安定した生産ができるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社鈴和商店
所在地秋田県 秋田市
業種各種商品卸売業
技術分野材料製造プロセス,製造環境
従業員数21人
資本金950万円
設立1974年

事業の背景

主力のきりたんぽは50年の歴史があり、手巻き・炭火手焼きにこだわった商品の食感・焼色・香ばしさが支持され、県内外から高い評価を得ている。ショッピングサイトの全国鍋部門問合わせランキングでは5位となった。現状の製造設備では生産数量に限界があり、受注をお断りしている状況にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手作りを基本としているため、繁忙期に注文に応じられない状況が10年以上続いていた。
  • 人手・技能炊きたての米を人力でヘラを使って粘りを出す半潰し工程と計量工程に労力がかかり、安定生産の阻害となっていた。
  • 納期・工程注文増加に備えた保存能力が不足しており、繁忙期の時間外生産が多くなっていた。

やったこと

「包あん器」のカスタム仕様器を用いて、炊きたての米の半潰し工程と計量工程を一体化し機械化した。工程の一体化と機械のカスタム化、アタッチメントの付加により、作業時間を1/2にすることを目指した。急速冷凍機を導入し、食感が変わらない冷凍設定を検証した。冷凍前の香ばしさとふわふわ感が解凍後も維持でき、生タイプと同等レベルの品質を確保できるかをテストした。注文増加を見据えて通常時に急速冷凍保存による生産を行い、繁忙期の時間外生産を減らして作業の平準化を図った。

  • 加工機包あん器カスタム仕様の米の自動半潰し・計量機急速冷凍機

事業の効果

急速冷凍保存が軌道に乗ったことで、1日あたりの製造量が500本増加し、受注に対して安定した生産ができるようになった。2年以内に供給不足による販売機会の損失を解消できる見通しがついた。半潰し・計量工程の機械化で生じた人員を炭火手焼き工程の人手不足に回し、作業の平準化を図ることができた。総人件費が下がったことで、繁忙期だけのパートを常勤パートに切り替えることもできた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    手巻き・炭火手焼きのこだわりと50年の歴史が書かれ、繁忙期の受注対応不足が10年以上続いたとの記述から、既存事業との一貫性がうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国鍋部門の問合わせランキング5位や県内外からの高い支持が具体的に書かれ、手作りの食感・香ばしさを強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期の製造能力不足と半潰し・計量工程の人力依存という課題を特定し、機械化と急速冷凍で平準化する具体策が示されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日製造量が500本増加、2年以内に供給不足解消の見込み、3年以内に年間23万本の目標が数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員21人、マニュアル化やパートの常勤化は書かれるが、補助事業の遂行体制や事務処理能力への言及はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    手巻き・炭火手焼きの食感や香ばしさ、全国からの注文という顧客支持は読み取れるが、ターゲットの明確な整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    急速冷凍の品質テストや3年以内の能力確保という段階は示されるが、詳細なスケジュールや課題解決の方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    手巻き・炭火手焼きにこだわった高付加価値の商品であることは読み取れるが、高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    全国展開による地域食文化の発信や秋田の伝統食品という点はうかがえるが、雇用や波及効果の数字は書かれていない。

  • 費用対効果4

    半潰し・計量工程の作業時間を1/2にし、総人件費を軽減し、パートを常勤化したという効果が具体的に書かれている。

  • イノベーションへの貢献2

    包あん器の転用や急速冷凍の活用は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    秋田市の伝統的なきりたんぽを全国へ届ける地域特産の取組として読み取れるが、地域経済への波及の数字は薄い。

今後の展望

米の自動半潰し・計量機と急速冷凍機を組み合わせ、3年以内に年間23万本の製造能力を確保し、焼き立てきりたんぽの全国展開を実施する予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。