ものづくり補助金平成28年度製造業熊本県

樹皮・ダストを粉砕ブレンドした畜産用敷料製造事業

協同組合人吉木材工業団地

成果月間処理量(乾燥トン数) 50トン/月→250トン/月

この事例のポイント

  • 樹皮が自然剥離やカッターバーカーで大量に堆積し、ストックヤードを占拠していた。
  • 樹皮とダストを粉砕しブレンドした敷料を試験的に加工生産し、サンプルを畜舎に提供して使用してもらった結果、十分に敷料として活用できるとの回答を得た。
  • 月間処理量(乾燥トン数) 50トン/月→250トン/月。樹皮などを月間約250トン処理できるようになり、設置前の約50トンから5倍となった。

事業者のプロフィール

事業者名協同組合人吉木材工業団地
所在地熊本県 相良村
業種木材・木製品製造業
従業員数7人
資本金2,089万円
設立1984年

事業の背景

協同組合人吉木材工業団地は、原木市場、製材所、チップ工場、のこの目立て業者、運送業の5社で構成されている。1984年の同地進出以来、樹皮の処分が課題となっていた。近年は畜産用おがくず敷料が品薄傾向にあり、拡大経営を続ける地域の畜産業界や牧場から、樹皮を粉砕して家畜用敷料に活用したいとの要望があった。一方で、平成30年夏には球磨地域の敷料単価が大幅に下落し、当初契約していたトン当たりの単価がほぼ半額まで下がったことが痛手となった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他樹皮が自然剥離やカッターバーカーで大量に堆積し、ストックヤードを占拠していた。
  • その他冬場は堆積した樹皮が自然発酵して熱を帯び、火災の心配があり、早急な処分が必要だった。
  • 新製品・新技術畜産業界からの要望はあったものの、樹皮を敷料として製造する設備がなかった。

やったこと

樹皮とダストを粉砕しブレンドした敷料を試験的に加工生産し、サンプルを畜舎に提供して使用してもらった結果、十分に敷料として活用できるとの回答を得た。その後、敷料粉砕機械を導入し、近年品薄傾向にある畜産用おがくず敷料に代わるものとして、樹皮・ダストを粒状に粉砕ブレンドしバーク敷料として低コストで製造し、畜産業界の大手販売先へ安定供給することを目指した。木材ダストを粉砕機に定量供給する木材ダスト槽、送りローラーで樹皮を粉砕機に投入する装置を備え、樹皮槽への投入はミラーで確認しながら定量かつ確実に行う。

加工機敷料粉砕機械
加工機木材ダスト槽
加工機送りローラー(樹皮を粉砕機に投入する装置)

新しい製品・サービス:樹皮・ダストを粒状に粉砕ブレンドしたバーク敷料

事業の効果

  • 月間処理量(乾燥トン数) 50トン/月→250トン/月

樹皮などを月間約250トン処理できるようになり、設置前の約50トンから5倍となった。堆積していた樹皮の処分が進み、ストックヤードの占拠と火災の心配が解消へ向かった。樹皮をバーク敷料として安定供給する体制を整え、畜産業界の需要に応えられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和59年の進出以来の樹皮処分課題に対応して敷料事業へ展開した経緯は読めるが、経営戦略として位置づけた記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    品薄傾向のおがくず敷料に代わる低コスト製品として、畜産業界大手販売先への安定供給を目指す点が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    樹皮の堆積と火災の危険、月約50トンから約250トンへの処理量5倍など、課題と解決の効果が数字つきで示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    月約250トンの処理量と5倍の実績は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    5社で構成される組合として事業を進めた体制は読めるが、補助事業の遂行体制や事務処理の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地域の畜産業界や牧場からの要望を起点に、樹皮とダストを粒状に粉砕ブレンドした敷料という製品と顧客像が示されている。

  • 事業化までの道筋2

    試験加工とサンプル提供で敷料として使えると確認した経緯はあるが、中長期の遂行方法やスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    おがくず敷料の品薄という市場状況は書かれているが、同分野で高付加価値化や高価格化を図る記述は見当たらない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    木材需要・雇用の創出につながるとの見通しや、地域の林業活性化を目指す姿勢は書かれているが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果3

    処理量が約5倍になった実績は示されるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    球磨川流域の林業事業協同組合との横の連携は書かれているが、先端的なデジタル技術や新たなビジネスモデルの記述は見当たらない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    原木を加工して付加価値をつけて輸出する構想は書かれているが、経済構造の転換にどうつながるかは述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    人吉球磨地域全体の林業活性化を目指す姿勢と、地域の木材産業での雇用創出への言及が読み取れるが、成長効果の数値はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

球磨川流域林業事業協同組合との横の連携を強化し、人吉球磨地域全体での林業の活性化を目指している。原木の海外輸出に頼らず加工して付加価値を付けることで、新たな木材需要・雇用の創出につなげたいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。