ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

甘口味噌及び新規の発酵調味料の製造を可能にする機械装置(製麹・加工)の導入

吉村醸造株式会社

成果製麹の処理量 1,000kg→100kg

この事例のポイント

  • 既存設備は大量生産用に設計されており、1回に1,000kg以下の製麹ができないため、小ロットの味噌や発酵調味料を製造できない。
  • 少量多品種の味噌及び発酵調味料を効率的かつ衛生的に製造するため、新しい機械装置を導入した。
  • 製麹の処理量 1,000kg→100kg。「しょうゆの実」は量産可能となり、特製味噌「半味噌だれ」は開発・販売に至った。

事業者のプロフィール

事業者名吉村醸造株式会社
所在地鹿児島県 いちき串木野市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境,測定計測
従業員数47人
資本金1,500万円

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存設備は大量生産用に設計されており、1回に1,000kg以下の製麹ができないため、小ロットの味噌や発酵調味料を製造できない。
  • コスト・採算小ロットで味噌や発酵調味料を製造する場合、麹の製造や原材料の携行、計量及び充填などの工程を手作業で行う必要があり、生産効率が悪くコスト高になる。

やったこと

少量多品種の味噌及び発酵調味料を効率的かつ衛生的に製造するため、新しい機械装置を導入した。導入した製麹装置は1回100kg程度の少量の麹を製造でき、原料を入れるだけで全工程が自動で行える。粘度対応充填機は高温のまま迅速かつ正確な容量で衛生的に充填できる。蒸気式損失装置は液体から粘度の高いものまで焦がさず自動で損失できる。これにより、新しい麹を使った無添加の甘口味噌及び新規発酵調味料の開発が可能な体制を構築した。

  • 加工機自動原料処理製麹装置ハンディ充填機蒸気式損失装置

新しい製品・サービス:甘口味噌及び新規発酵調味料(特製味噌「半味噌だれ」を含む)

事業の効果

  • 製麹の処理量 1,000kg→100kg

「しょうゆの実」は量産可能となり、特製味噌「半味噌だれ」は開発・販売に至った。現在は販売用麦醤の製品化や麹を活かした鍋スープの開発にも取り組んでいる。今回の機械導入をきっかけにスタッフもそれぞれ開発に関わるようになり、人の成長も大きな成果と考えている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決既存設備では1回1,000kg以下の製麹ができず、小ロット製造が手作業でコスト高になるという課題を具体的に認識し、機械導入で解決する流れがある。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け無添加の甘口味噌と発酵調味料を、健康志向の中高年層向けに提供する内容が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標「売上実績を上げていきたい」との方向性はうかがえるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の味噌・醤油づくりを背景に、発酵調味料の新商品開発へ広げる流れが書かれているが、経営戦略上の位置づけの説明は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    健康志向の高い首都圏中心の中高年層をターゲットとし、無添加の味噌を強みとして示しているが、競争環境の分析はない。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備では1回1,000kg以下の製麹ができず、小ロット製造が手作業でコスト高になるという課題を具体的に認識し、機械導入で解決する流れがある。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    「売上実績を上げていきたい」との方向性はうかがえるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    機械導入をきっかけに、スタッフがそれぞれ商品開発に関わるようになったと書かれており、体制の一端は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    無添加の甘口味噌と発酵調味料を、健康志向の中高年層向けに提供する内容が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    ラボ活用や都内の新規取扱店拡大に触れているが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    無添加の発酵調味料や鍋スープなど新商品を開発していることはうかがえるが、市場の認知度や高価格化の根拠は示されていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    スタッフの成長を大きな成果としているが、地域経済への波及効果や新たな雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    生産効率が悪くコスト高になることが課題とされているが、補助金の投入に対する効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    製麹装置による自動製麹で新しい麹を使った商品開発に取り組んでいるが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県の企業で伝統の味噌づくりを守る姿勢は書かれているが、地域の特性を活かした雇用や成長への言及は乏しい。

今後の展望

健康志向の高い首都圏を中心とした中高年層をターゲットに、発酵調味料の新商品を生み出す。新しく整備したラボを活用し、スタッフ同士で新商品作りのアイデアを出しやすい環境を作る。完成した新商品は自社店舗に加え、都内に新規取扱店を増やし、売上実績を上げていきたい。

事業者の声

いつもの味をお届けできるよう「変わらない味」を作り続けることが企業の使命であり、時代の変化を捉えてお客様が求める「味わい」を提供できる会社であり続けたいと思っています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。