ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

水素・燃料電池分野における高品質な給電体及び電極基材の製造

日建ラス工業株式会社

成果チタン材のラス網の反り(平面からの高さ) 35mm→1mm

この事例のポイント

  • 高品質なラスを製造するには、ラス加工後に生じる反りを矯正するレベラー処理工程が必要だったが、その設備を導入していなかった。
  • ラス加工後の2次加工として、加圧のみで反りを修正するレベラー装置(ファインレベラー装置)を導入した。
  • チタン材のラス網の反り(平面からの高さ) 35mm→1mm。反りを修正するレベラー装置の導入により、平坦性に優れた高品質なラス製品の加工が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名日建ラス工業株式会社
所在地鹿児島県 大阪市
業種金属製品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス
従業員数45人
資本金1,300万円
設立1951年

事業の背景

近年の燃料電池車や定置型燃料電池等の普及により、燃料源となる水素を生成する水電解装置関連事業への参入を目指してきた。業界からは平坦性の良い高品質なラス製品を求められていた。当社は精密エキスパンドメタル(ラス網)とパンチングメタルの生産を一筋に行ってきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度高品質なラスを製造するには、ラス加工後に生じる反りを矯正するレベラー処理工程が必要だったが、その設備を導入していなかった。
  • 新製品・新技術水電解装置の大型化と量産化に伴い、給電体や電極基材も大型化し、平坦性(反り)への品質要求が高まっていた。

やったこと

ラス加工後の2次加工として、加圧のみで反りを修正するレベラー装置(ファインレベラー装置)を導入した。チタン材では反り35mm(平面からの高さ)を1mmまで修正できるようになった。ユーザーが求める満足数値を経験値から設定し、客先仕様の変更にも対応して試行錯誤で改良を重ねた。加工条件をデータ化して標準作業化した。導入設備への投資額は1,500万円である。

加工機ファインレベラー装置(レベラー装置)

新しい製品・サービス:水素・燃料電池分野向けの高品質な給電体(チタンラス)及び電極基材(ニッケルラス)

事業の効果

  • チタン材のラス網の反り(平面からの高さ) 35mm→1mm

反りを修正するレベラー装置の導入により、平坦性に優れた高品質なラス製品の加工が可能になった。市場ニーズへの対応力が高まった。加工条件のデータ化と標準作業化により、品質の安定化につながった。今後は5年後に売上2,450万円を見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業95年の技術蓄積を背景にラス製品を生産してきたと読めるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    FCV・定置型燃料電池の普及や水電解装置の大型化という市場動向と、ラス加工技術の蓄積を踏まえた参入の狙いが具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ラス加工後の反り35mmを1mmまで修正できたと課題と成果が具体的に示され、市場ニーズへの対応力向上で売上を増やす方針も読み取れる。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    5年後の売上見込み2,450万円と設備投資額1,500万円が示されており、高付加価値化の目標値として具体性がある。

  • 事業を進める体制3

    試行錯誤を重ねて加工条件をデータ化し標準作業化した点から実施体制は読めるが、人材や事務処理体制の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ユーザーが求める平面度の満足数値を設定し、業界から平坦性の高い製品が求められている点が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    試行錯誤による改良や標準作業化といった進め方は読めるが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    水電解装置向けの高品質ラスは平坦性で高水準を目指すもので、反りを1mmまで抑える高付加価値化が具体的に読み取れる。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    台風被害時に鹿児島工場で代替生産しBCC機能が働いた点や水素需要の国内外での伸びが記載され、社会的な意義が読み取れる。

  • 費用対効果3

    設備投資1,500万円に対し売上見込みが示されているが、付加価値額や生産性の増加率など費用対効果の数値は限定的である。

  • イノベーションへの貢献3

    加工条件のデータ化や標準作業化は読めるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    水素・燃料電池分野という成長市場への進出が示されているが、日本経済の構造転換との関連は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島工場が霧島市にあり地域の生産拠点として機能している点はうかがえるが、地域の特性を活かした雇用創出までは書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入したファインレベラー装置への設備投資額は1,500万円である。5年後の売上見込みは現状2,450万円で、市場は小さいが、水素需要の伸びを背景に技術を蓄積し市場ニーズへの対応力を高めて売上を増やす計画である。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。