ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

レーザネットワークを活用した新規設備と既存設備へのレーザ供給ラインシステムの構築

鹿児島ケース株式会社

成果レーザ切断工程の生産性向上(60%向上)

この事例のポイント

  • 半導体関連業者への売上が全体の8割を占め、受注変動の大きい業種に依存していた。
  • IoTを利用したネットワーク機能を持つファイバーレーザ加工機を導入した。
  • レーザ切断工程の生産性向上(60%向上)。既存のレーザ加工機では難加工材だった銅・真鍮・純度の高いアルミの加工やお客様のニーズに応じた自由形状の加工が可能になり…

事業者のプロフィール

事業者名鹿児島ケース株式会社
所在地鹿児島県 日置市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
従業員数51人
資本金1,000万円
設立1963年

事業の背景

創業以来「精密板金加工」を強みとし、種々の電気・機械装置メーカーへ装置の一部となる部品を提供してきた。半導体関連業者への売上が全体の8割を占めていた。激変する経済環境の中、受注変動の大きい業種から安定的かつ成長の見込める業種への転換を図るため、食品機械や医療機器向けの精密板金による部品提供へ軸足を移した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑半導体関連業者への売上が全体の8割を占め、受注変動の大きい業種に依存していた。

やったこと

IoTを利用したネットワーク機能を持つファイバーレーザ加工機を導入した。切断工程ではファイバーレーザ切断能力を保有し、従来切断できなかった銅や真鍮といった難加工材の切断が可能となった。溶接工程では既設の溶接ロボットへレーザ出力4000Wの供給及び制御等を可能にし、従来加工できなかった中厚板への溶接を可能とした。さらに、最新機種に付帯するレーザ発振器を既存の設備にも接続し、IoTにより各加工設備へレーザを供給して、溶接工程と切断工程で一つの発振器からレーザを供給する仕組みを構築した。

事業の効果

  • レーザ切断工程の生産性向上(60%向上)

既存のレーザ加工機では難加工材だった銅・真鍮・純度の高いアルミの加工やお客様のニーズに応じた自由形状の加工が可能になり、医療機器メーカーとの取引が増大した。コネクター改造や試作にも取り組んだことで、レーザ切断工程の生産性が60%向上し、多能工化が図られた。その結果、午後10時以降の深夜勤務が解消し、働き方改革につながった。半導体関連の鉄系材料一辺倒から医療・食品機器向けの加工へ転換でき、一業態依存率の低下が図られている。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.9 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性半導体関連が売上8割という依存構造を踏まえ、レーザ加工機で銅・真鍮などの難加工材を切断可能にし、医療機器メーカーとの取引増につなげている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け医療・食品機器向けの加工ニーズに応え、お客様のニーズ対応(自由形状)や新しい加工方法の提案を行うと具体的に示されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値銅・真鍮・純度の高いアルミといった難加工材の加工は、一般的な板金では対応しにくく、同分野で高付加価値化を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標生産性向上60%という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の根拠が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    昭和33年創業の精密板金加工を強みに、半導体関連依存から食品機械・医療機器向けへ軸足を移したと経緯が一貫して書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    半導体関連が売上8割という依存構造を踏まえ、レーザ加工機で銅・真鍮などの難加工材を切断可能にし、医療機器メーカーとの取引増につなげている。

  • 課題の認識と解決3

    受注変動の大きい業種からの転換という課題を認識し、難加工材切断や中厚板溶接への対応で高付加価値化を図る計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上60%という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、実現可能性の根拠が薄い。

  • 事業を進める体制3

    従業員51名の規模で、既存の溶接ロボットやレーザ設備を連携させて導入・運用する体制が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療・食品機器向けの加工ニーズに応え、お客様のニーズ対応(自由形状)や新しい加工方法の提案を行うと具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の取組みとして新材料切断や板重ね溶接の提案は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    銅・真鍮・純度の高いアルミといった難加工材の加工は、一般的な板金では対応しにくく、同分野で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及は薄く、川上・川下への経済波及効果は書かれていない。

  • 費用対効果3

    レーザ切断の生産性が60%向上し、深夜勤務が解消されたという成果が示され、投資効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    IoTネットワーク機能を持つファイバーレーザ加工機で既存設備へのレーザ供給を一元化し、生産革新を図っている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    半導体一辺倒から医療・食品機器分野へ転換し、一業態依存率の低下を図る点は産業構造の転換に資すると読み取れる。

  • 地域経済への波及2

    鹿児島県日置市の企業だが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済の牽引についての記述は薄い。

今後の展望

切断工程では新しい難加工材を切断できるようになったことを活かし、従来とは違う加工方法を顧客に提案していく。溶接工程ではレーザ出力アップにより板を重ねた状態での加工工法を提案し、顧客の付加価値向上に貢献していく。今後はTQC・TPM活動等による人的活動の活性化で従業員満足度・顧客満足度を高め、経営の安定化・持続化を図る。

業種と困りごとが近い成果事例

秋田県製造業平成25年度

高信頼性計測機器の導入による研究開発力の強化

付着した有機物の特定や原因対策の究明、メッキ前処理液やメッキ液にプリント基板から溶出した有機不純物の分析ができるフーリエ変換赤外分光光度計…

効果:FTIRの導入で基板上の微小異物(10μm)を分析し、原因物質の特定が可能になった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。