ものづくり補助金平成28年度製造業鹿児島県

温風冷却設備導入による新酒質及び新商品開発への取り組み

小正醸造株式会社

この事例のポイント

  • 原料米の蒸上・種付け・製麹の出来次第で製品のうまみにばらつきが生じていた。
  • 米・麦・芋を原料とする焼酎製造工程の一次仕込みの原料製造段階で、ネット式連続冷却機を導入した。
  • 温風冷却設備の導入により、外気冷却ではできなかった「外硬内軟」かつ「サバケの良い」蒸米の製造が可能になり、麹が均質に仕上がった。

事業者のプロフィール

事業者名小正醸造株式会社
所在地鹿児島県 日置市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数129人
資本金3,000万円
設立1953年

事業の背景

焼酎製造工程で重要な役割を担う一次仕込みは、歴史的に職人感覚がものをいう世界であった。芋だけでなく米や麦を原料とした焼酎を製造し、長期貯蔵による製品展開を行う当社では、一次仕込みの工程の確実性がより一層重要となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度原料米の蒸上・種付け・製麹の出来次第で製品のうまみにばらつきが生じていた。
  • 生産能力一次仕込みの工程の確実性を高めるため、適切な温度管理を行う必要があった。

やったこと

米・麦・芋を原料とする焼酎製造工程の一次仕込みの原料製造段階で、ネット式連続冷却機を導入した。温風冷却設備は表面に温風による乾燥、ネット状のベッドからは冷却通風を行う方式で、インバーター制御による風量コントロールと温度制御を行う。これにより従来の外気冷却では成し得ない「外硬内軟」かつ「サバケの良い」蒸米を作ることが可能になり、均質な麹に仕上がった。芋焼酎を対象とした本格的な稼働は始まったばかりである。

加工機ネット式連続冷却機(温風冷却設備)

新しい製品・サービス:「外硬内軟」な麹やモロミを原料とした、付加価値を有する本格焼酎の新商品。

事業の効果

温風冷却設備の導入により、外気冷却ではできなかった「外硬内軟」かつ「サバケの良い」蒸米の製造が可能になり、麹が均質に仕上がった。新しい機能の設備導入と運転条件の制御により望ましい「突きハゼ麹」を作れるようになり、酒質のさらなる安定が期待される。新たな付加価値を有する本格焼酎を開発・提案し、新規顧客及び市場の開拓につなげることができた。既に生産した米、麦焼酎では研究陣の官能検査で評価が高い。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    長期貯蔵による製品展開を行う当社では一次仕込みの確実性が重要と書かれ、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    芋・米・麦を原料とする多品揃えや新規顧客・市場開拓に触れるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    職人感覚による製品のうまみのばらつきという課題を示し、温風冷却設備で外硬内軟の原料を作り新商品開発につなげると具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値創出の目標値は示されず、官能検査での評価が高いとあるが、数値目標は設定されていないと記載されている。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    外硬内軟な麹やモロミで新たな付加価値を持つ本格焼酎を提案するとあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    突きハゼ麹の安定製造や芋焼酎の新銘柄化など今後の取組が示されるが、スケジュールや課題解決方法は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    焼酎の中で外硬内軟の原料により高酒質を目指すとあるが、分野の普及度や高価格化の水準については書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の蔵として鹿児島県日置市の特色に触れるが、波及効果や雇用創出など国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果2

    付加価値額や生産性の数値は示されず、効果は官能評価や定性的な表現にとどまり、費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    温度制御やインバーター制御など設備の機能が書かれるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確でない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    鹿児島県日置市の地域資源を活かした焼酎製造と書かれ、地域の特性を活かした取組であることはうかがえるが、雇用や成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

「突きハゼ麹」の安定的な製造により、甘い香りの芋焼酎が期待できる。芋焼酎でも新銘柄の誕生や高酒質の安定生産に取り組む予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。