ものづくり補助金平成28年度製造業沖縄県

沖縄県産食材を活用した高付加価値型加工品製造事業

株式会社島酒家

この事例のポイント

  • 生産の大部分が外部委託のため、品質向上や生産量の増加に限界があった。
  • 新工場への移転を機に新しい製造機械を導入し、商品の大幅な内製化を進めた。
  • 新規機械の導入により、即席スープの生産能力が大きく向上し、需要の変動や繁忙期にも対応できる生産体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社島酒家
所在地沖縄県 南城市
業種食料品製造業
技術分野デザイン,製造環境
従業員数18人
資本金700万円
設立1996年

事業の背景

沖縄県産の島野菜やモズクなどを原料に、乾燥スープの素などの加工食品の製造と卸を行っている。安定供給のため生産者と農地や養殖場の拡大に取り組み、委託業者と加工品の開発や製造を進めてきた。一方で、県外販路の拡大に対応するには生産量と品質の両面で課題があり、2020年東京オリンピックに向けてHACCP認証を取得できる工場設備と体制が必要になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力生産の大部分が外部委託のため、品質向上や生産量の増加に限界があった。
  • 生産能力県外販路の流通量拡大にあたり、生産量が増やせず需要に応えられなかった。
  • 品質・精度品質向上もうまくいかなかった。

やったこと

新工場への移転を機に新しい製造機械を導入し、商品の大幅な内製化を進めた。試運転による検証では、スタンダードタイプ即席スープは1,620袋以上、小袋タイプは5,400袋以上の生産が可能になった。商品の圧着や賞味期限の印字を機械化したことで、誰でも同じ品質基準で印字できるようになった。金属、ガラス、プラスチックを出荷前に検出して事故を未然に防ぐ体制を整え、入室前の衛生基準や設備、衛生マニュアルも策定した。現在は事故防止と慣熟のため約50%が稼働しているが、内製化は着実に進んでいる。

加工機サーマルプリンター搭載型シール機
検査測定食品用少量自動計量機
加工機小型縦ピロー包装機

事業の効果

新規機械の導入により、即席スープの生産能力が大きく向上し、需要の変動や繁忙期にも対応できる生産体制が整った。機械による印字や異物検出により、誰でも同じ品質基準で製造でき、品質と衛生レベルが向上した。内製化によって原料を在庫として抱える負担の実態も把握でき、今後の経営に役立つ知見が得られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    従来は生産の大部分を外注しており、内製化と新工場移転が事業の転換点だったと読み取れる。過去の取組との連続性は具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    沖縄県産食材へのこだわりと県外販路拡大の課題は読み取れるが、市場動向や競争優位の根拠は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    生産量が増やせず需要に応えられない課題に対し、機械導入で内製化と生産量増強を進めたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    試運転でスタンダード即席スープ1,620袋以上、小袋5,400袋以上の生産が可能になったとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    社員の子育て時短勤務や後輩指導に触れているが、補助事業を遂行する体制として人材や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    沖縄県産素材と安心安全な製品という価値は読み取れるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    HACCP認証は令和元年秋に取れそうと時期があり、稼働は50%程度とあるが、課題解決の遂行方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    島野菜やモズクを使った乾燥スープの素など地域食材の加工品だが、分野の普及度や高付加価値化の水準は書かれていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    沖縄県産食材の生産者との農地・養殖場拡大や雇用面の記述はあるが、国が補助する波及効果の定量的な根拠は乏しい。

  • 費用対効果2

    生産量増強と衛生レベル向上は書かれているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    金属・ガラス・プラスチックの混入を出荷前に検出する機械化は読み取れるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    沖縄県産素材を活かした地域食品製造で、生産者と連携し障がい者就労支援も計画すると読み取れるが、経済成長への定量的効果は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

HACCP認証は2019年秋に取得できそうな状況にある。大型小売店への拡販に力を入れ、繁忙期にも安定供給できるようにしたい。長期的にはフコイダンを豊富に含む県産モズクを流動食に加工し、介護や医療分野に進出したい。また、障がい者の就労施設と連携して農作物を仕入れる事業を南部地域で始めたい。

事業者の声

感謝

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。