ものづくり補助金平成29年度製造業北海道

独創的な「メイドインふらの」商品の開発と生産体制構築による新たな顧客の創造

株式会社ふらの農産公社

この事例のポイント

  • 和牛乳を製品化する際に欠かせない貯乳タンクの冷却システムが不足しており、繁忙期の需要増に対応できる生産体制が必要だった。
  • 食の安全のため、幅広い異物を検出できるX線異物検査機を導入し、製品の目視検品と内部の異物検査とのダブルチェックを行う体制とした。
  • X線異物検査機による目視とのダブルチェックで、ヒューマンエラーを減らし食の安全性を高めた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ふらの農産公社
所在地北海道 富良野市
業種食料品製造業

事業の背景

上ふらの農産公社は富良野市と富良野農協の共同出資による第三セクターで、地域の酪農家の生乳を使い、ノンホモ低温殺菌製法で作る「ふらの牛乳」を軸に、チーズやアイス、バターなどを生産している。創業40周年を迎えた現在、年間25万人が訪れるチーズ工房へ成長している。富良野の地域独自の乳酸菌を活用したハードタイプの新チーズの開発も進められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力和牛乳を製品化する際に欠かせない貯乳タンクの冷却システムが不足しており、繁忙期の需要増に対応できる生産体制が必要だった。
  • 新製品・新技術ご当地牛乳を使った創造的な新商品を自ら開発し、新たな顧客や付加価値を生み出す取り組みが必要だと考えていた。
  • 品質・精度食の安心安全を徹底するため、幅広い異物を検出できる検査体制を強化する必要があった。

やったこと

食の安全のため、幅広い異物を検出できるX線異物検査機を導入し、製品の目視検品と内部の異物検査とのダブルチェックを行う体制とした。アイスミルク工房の「できたてチーズソフトクリーム」の原料製造と新チーズ使用のソフトクリーム開発・試作のため原料殺菌機を設置し、材料を混ぜ合わせながら殺菌してバニラミックスを作る装置として活用した。和牛乳の需要増に対応するため貯乳タンクの冷却システムを整備し、冷却用冷凍機を導入して生乳の生産供給能力を高めた。

新しい製品・サービス:ハードタイプの新チーズと、それを使った新しいソフトクリーム

事業の効果

X線異物検査機による目視とのダブルチェックで、ヒューマンエラーを減らし食の安全性を高めた。できたてチーズソフトクリームは多数のメディアで取り上げられ、富良野を代表する人気スイーツとなった。貯乳タンクの冷却システム整備により、ふらの牛乳の生産能力拡大を実現した。新チーズと新ソフトクリームの完成が間近で、新たな顧客や付加価値の創出という事業目的達成に近づいている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及富良野の生乳と地元酪農家を活かし年間25万人が訪れる工房へ成長した点が、地域の付加価値創出として具体的に記されている。
  • 4
    課題の認識と解決繁忙期の需要増に対し貯乳タンクの冷却システムを増強し生産能力拡大を実現したと、課題と対策が具体的に記されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けワインチェダーなどユニークな商品、年間25万人の来訪、人気のできたてチーズソフトクリームなど顧客ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標高付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、生産能力拡大の成果がうかがえる程度である。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の地域酪農支援とふらの牛乳の軸が読み取れるが、経営戦略上の位置付けを示す具体的な記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ノンホモ低温殺菌製法や季節で変わる風味など自社の強みは示されるが、市場動向との関係は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    繁忙期の需要増に対し貯乳タンクの冷却システムを増強し生産能力拡大を実現したと、課題と対策が具体的に記されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    高付加価値や賃上げの目標値は書かれておらず、生産能力拡大の成果がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制3

    第三セクターとして年間25万人が訪れる工房を運営してきた実績から体制はうかがえるが、補助事業の遂行体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ワインチェダーなどユニークな商品、年間25万人の来訪、人気のできたてチーズソフトクリームなど顧客ニーズの裏付けが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    4年以上試作を続けたハードタイプの新チーズと新ソフトクリームの完成が間近とスケジュール感は読めるが、課題解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    ワインチェダーなど地元素材を使った独自商品で、富良野でしか出せない味として高付加価値化を図っていることが読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    地域の酪農家の安定経営や富良野市の地域農業振興への寄与が示されるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字は書かれておらず、わずかにうかがえる程度である。

  • イノベーションへの貢献2

    乳酸菌を活用した新チーズ開発は読み取れるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は具体的に書かれていない。

政策面5.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及5

    富良野の生乳と地元酪農家を活かし年間25万人が訪れる工房へ成長した点が、地域の付加価値創出として具体的に記されている。

今後の展望

新チーズと新ソフトクリームの完成が間近であり、本事業の最大の目的達成に近づいている。

事業者の声

おいしさの秘訣は、何といっても新鮮さです。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。