ものづくり補助金平成29年度製造業青森県

画像寸法測定器導入による生産プロセスの革新的改善

株式会社テクトリー

成果1/10μmまでの数値測定ができるようになった

この事例のポイント

  • 加工精度は向上したが、加工製品の品質保証をチェックする検査設備体制の整備が追い付いていなかった。
  • 複雑で精密な金属製品の精度を測定するため、画像寸法測定器を1台導入した。
  • 1/10μmまでの数値測定ができるようになった。画像寸法測定器の導入により高精度の測定が可能になり、無作為抽出の測定から標準偏差を出して高精度の製品を納品できるように…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社テクトリー
所在地青森県 八戸市
業種電気機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数35人
資本金1,000万円
設立1995年

事業の背景

当社はマシニングセンタやCNC旋盤、タッピングセンタによる航空機器部品、半導体液晶機器部品、分析機器部品などの精密加工を行っている。多品種少量から中程度の金属部品の加工製造を手がけ、モリブデン合金、タングステン、チタン合金などの難削材加工にも力を入れてきた。近年は顧客数も増加している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度加工精度は向上したが、加工製品の品質保証をチェックする検査設備体制の整備が追い付いていなかった。
  • 生産能力必要とされている検査の精度を顧客に提供できていないという現状があった。

やったこと

複雑で精密な金属製品の精度を測定するため、画像寸法測定器を1台導入した。機器の台座に置いた金属製品をスキャンし、図面データと比較することで、正しい寸法で製作されたかを測定できる。導入にあたっては、画像による視覚的な装置や機構を備えていること、熟練スタッフが不要なこと、測定速度・判定速度が速いことを条件に選定した。これまでできなかった加工製品の検査データの分析や蓄積ができることも決め手になった。

事業の効果

  • 1/10μmまでの数値測定ができるようになった
  • トータルの作業時間は従来の3分の1以下まで短縮できている

画像寸法測定器の導入により高精度の測定が可能になり、無作為抽出の測定から標準偏差を出して高精度の製品を納品できるようになった。1/10μmまでの測定で合格ラインの製品のみを納品でき、品質が保持されている。金属製品を台座に置くだけで2.5次元測定ができ、熟練技術がなくても検査でき、測定結果はPCに保存されるため従業員が監視せずに別業務ができ、効率化とコスト削減が実現した。検査時間の短縮により顧客のコストダウン要請にも対応でき、検査データはリアルタイムでばらつきを把握し不具合抑制に活用できるようになった。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決検査精度不足という課題を認識し、測定で工程見直しやフィードバックの仕組みを作り、顧客のコストダウン要請にも対応している。
  • 4
    新しさ・高付加価値モリブデン合金やタングステン、チタン合金などの難削材加工に力を入れ、0.1μm単位の高精度測定で高付加価値の製品を納品している。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋今後の展望として半導体部品での新規受注や人材育成を掲げるが、具体的なスケジュールや課題解決の方法は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    検査設備の整備遅れが課題となり、画像寸法測定器を導入して精密測定を強化した経緯が明確で、過去の精度向上の流れと一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    難削材加工や多品種少量の強みを踏まえ、測定速度や複雑形状の測定容易さを選定条件にしており、競争優位につながる内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    検査精度不足という課題を認識し、測定で工程見直しやフィードバックの仕組みを作り、顧客のコストダウン要請にも対応している。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    複雑形状の検査時間をトータルで従来の3分の1以下に短縮した実績があり、生産性向上の目標達成見込みが示されている。

  • 事業を進める体制3

    測定器は熟練者不要で、付属PCに結果を保存し従業員が別業務に移れる体制が示され、遂行体制が整っている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体液晶機器部品などの顧客ニーズに対し、高い品質とコスト競争力で新規受注につなげる狙いが示されている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として半導体部品での新規受注や人材育成を掲げるが、具体的なスケジュールや課題解決の方法は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    モリブデン合金やタングステン、チタン合金などの難削材加工に力を入れ、0.1μm単位の高精度測定で高付加価値の製品を納品している。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果に触れるのは外国人技能実習生の受入れ程度で、国が補助する積極的理由としては弱い。

  • 費用対効果3

    検査時間が従来の3分の1以下になり、コスト削減と効率化を実現しており、投資に対する効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    測定データの蓄積とリアルタイム分析は行うが、サプライチェーン全体のイノベーションへの貢献は示されていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    半導体部品分野への進出を目指す記述があるが、日本経済の構造転換に資する根拠は示されていない。

  • 地域経済への波及2

    地域の八戸市で事業を行い雇用もあるが、地域の特性を活かした付加価値創出や経済成長の牽引には触れていない。

今後の展望

半導体部品の新規受注につなげ、高い品質とコスト競争力を武器にしていく。後継機種を追加導入して検査体制を充実させ、専門性の高い人材の育成や機器導入による生産性の底上げを目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。