ものづくり補助金平成29年度建設業岩手県

ICT完全自社施工による競争力の強化と生産性向上の実現

南建設株式会社

成果従来工法に比べ約5%のコスト削減につながった。

この事例のポイント

  • 土木工事で工期の短縮や作業効率の改善を図る必要があった。
  • MC技術を搭載したICT油圧ショベルを導入した。
  • 従来工法に比べ約5%のコスト削減につながった。ICT油圧ショベルの導入により、経験の浅いオペレーターでも熟練工と同程度の作業が可能になり、工期短縮と人員削減により利…

事業者のプロフィール

事業者名南建設株式会社
所在地岩手県 軽米町
業種総合工事業
従業員数60人
資本金2,000万円
設立1983年

事業の背景

当社は設立以来30年以上にわたり県北地域を中心に土木・建築工事を主とした総合建設業に取り組んできた。近年、売上高は増加しているものの復興工事が落ち着き始め、建設投資額の減少が予想されている。国はICT技術の活用を推進しており、当社は作業の効率化と人材不足対策としていち早くICTに着手し、自社完全直営施工を行うICT部門を立ち上げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力土木工事で工期の短縮や作業効率の改善を図る必要があった。
  • 人手・技能建設業界は慢性的な人材不足という課題を抱えており、人員削減と経験の浅いオペレーターでも熟練工と同程度の作業ができることが求められていた。
  • コスト・採算ICT施工の一部工程を外注やリースに頼っていたため、完全自社施工の実現が必要だった。

やったこと

MC技術を搭載したICT油圧ショベルを導入した。MC技術は設計値通りの勾配面に掘削する作業を重機が半自動で行うもので、経験の浅いオペレーターでも簡単な操作で熟練工と同程度の品質に仕上げられる。統計値や位置情報をもとにした3Dデータを取り込んで施工する。既に保有するICT施工機器と組み合わせて完全自社施工を実現した。県北の道路改良工事では、導入したICT油圧ショベルで掘削・法面整形を行った。

加工機MC技術搭載ICT油圧ショベル

事業の効果

  • 従来工法に比べ約5%のコスト削減につながった。

ICT油圧ショベルの導入により、経験の浅いオペレーターでも熟練工と同程度の作業が可能になり、工期短縮と人員削減により利益率が向上した。完全自社施工により外注先への工程引き渡しの時間ロスがなくなり、発注者からの設計変更や土質・天候の変化にも柔軟かつ迅速に対応できるようになった。施工データを連続的に把握でき信頼性の高い品質管理が可能になった。土工丁張及び巻き出し表示板の設置が不要となり、作業範囲に作業員が立ち入らなくなって安全面も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    MGからMCへ進化させ、設立30年超の県北での土木・建築実績とICT部門の立ち上げという過去の取組に一貫性がある。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    復興工事の終盤で建設投資額の減少が予想される中、幅員狭小や急勾配など交通の難所工事の受注に絞っている点が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    人材不足と建設投資額の減少という課題を示し、ICT油圧ショベル導入で工期短縮と人員削減を図る計画が読み取れる。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    導入後の結果として5%のコスト削減が書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    完全自社直営施工を行うICT部門を立ち上げ、代表と副社長が取り組んでいることは読み取れるが、人員の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ターゲットは県北の官公庁発注の交通難所や河川工事と具体的だが、顧客ニーズの裏付けに関する数字は乏しい。

  • 事業化までの道筋2

    完全自社施工の進め方は書かれるが、スケジュールや中長期の課題検証は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    多額の投資が必要と書かれるのみで、財務状況や資金調達の方法・見込みは公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    ICT施工の取組は他社に先駆けたとあるが、普及度や高価格化の水準を示す記述はわずかにうかがえる程度である。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    国のICT推進に沿い、若年層の技術習得や安全面の向上に寄与すると述べており、公的な意義がうかがえる。

  • 費用対効果3

    工期短縮と5%のコスト削減が書かれ費用対効果はうかがえるが、補助金額や付加価値の増加額は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    MC技術搭載のICT油圧ショベルと3Dデータを使った完全自社施工で、施工データの連続把握による品質管理を実現している。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    国が建設業でのICT活用を推進する中、従来の人手依存から情報化施工へ転換する動きとして読み取れる。

  • 地域経済への波及3

    岩手県北地域の道路改良や復興工事を中心に事業を展開し、地域の交通や防災の課題に応える内容が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

震災復興工事の終盤を迎え、今後の建設投資額は震災前の水準を上回らないと言われる中、県北地域の官公庁から発注増加が予想される幅員狭小・急勾配・急カーブなどの交通の難所を解消する工事や河川の氾濫を防ぐ工事の受注にターゲットを絞っている。ICTを活用した工事への発注割合が高まると予想され、本事業のICT油圧ショベル導入がより大きな成果を挙げると期待している。また、ICTの利用は若年層の技術習得にも寄与するため、技術やノウハウの継承という課題解決にも有効と考えている。

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。