ものづくり補助金平成26年度建設業青森県

低コスト・高効率を実現する重機駆動システムの開発

株式会社中村建設工業

成果バックホーを使用した中間処理の効率が20%ほど向上

この事例のポイント

  • 従来の2ポンプ・2バルブ方式の重機では油圧を効果的に活用できず、パワー不足で規格品を生産できなかった。
  • 廃棄物処理現場で主に使用されるバックホーについて、稼動時の余剰運動エネルギーを活用して自動充電できる仕組みと、油圧エネルギーを効率的に活用できる供給構造を開発した。
  • バックホーを使用した中間処理の効率が20%ほど向上。中間処理の効率が向上したことで、アスファルト殻の受け入れ量と再生砕石の生産量が増加した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社中村建設工業
所在地青森県 上北郡東北町
業種総合工事業
技術分野機械制御
従業員数35人
資本金5,000万円
設立1980年

事業の背景

当社は土木工事を主体とする建設工事業のほか、工事現場などで発生したアスファルト殻やコンクリート殻を砕いて再生砕石として販売するリサイクル事業を行っている。平成25年からは太陽光発電事業にも取り組んでいる。RC-40規格品は公共事業での使用が認められており販路が広く、需要が高い。再生砕石の製造には建設用重機(バックホー)が必要で、ディーゼルエンジンのエネルギー効率を高める仕組みが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の2ポンプ・2バルブ方式の重機では油圧を効果的に活用できず、パワー不足で規格品を生産できなかった。
  • 生産能力規格品の再生砕石を生産できないため、需要に対応できていなかった。

やったこと

廃棄物処理現場で主に使用されるバックホーについて、稼動時の余剰運動エネルギーを活用して自動充電できる仕組みと、油圧エネルギーを効率的に活用できる供給構造を開発した。従来の2ポンプ・2バルブ方式を3ポンプ・3バルブ方式に変更し、従来よりエネルギーを有効に使えるようにした。今回のバックホーはメーカーとの共同開発で、当社で実際に作業を行い、オペレーターのストレスなく効率よくエネルギーを使える仕組みの実現につなげた。

  • 加工機バックホー3ポンプ・3バルブ方式

新しい製品・サービス:低コストで効率よく稼働する重機駆動システム(バックホー)

事業の効果

  • バックホーを使用した中間処理の効率が20%ほど向上
  • 一次破砕に必要なディーゼル燃料が以前より5%~7%減少

中間処理の効率が向上したことで、アスファルト殻の受け入れ量と再生砕石の生産量が増加した。ディーゼル燃料の使用量が減り、CO2排出量も減少して環境配慮にもつながった。RC-40規格品を製造・出荷できる体制が確立され、開発から5年でリサイクル事業が黒字化した。品質向上により買い取り量が増え、販売時も高シェアを得られる好循環が生まれた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    リサイクル事業は建設業と並ぶ柱で、経営理念「リサイクルを通じて地域への貢献と環境の共生」に沿った取組と読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    規格品RC-40は公共事業で使え販路が広いとあるが、需要や市場の数値、競合との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決5

    パワー不足で規格品を生産できない課題を示し、ポンプ2つから3つへの変更で処理効率20%向上と記載されている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    効率20%向上や燃料5~7%減は実績として書かれているが、付加価値や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーと共同開発し、実機でオペレーターの意見を反映したとあるが、体制の人数や役割分担は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    規格品は公共事業の道路使用などで需要が高く、品質向上で買取量と販売量が増えるという選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    開発から5年で黒字化したと述べられているが、今後の中長期の課題検証や具体的なスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    規格品の生産体制が高シェアにつながると述べられているが、新市場性や高付加価値化の水準は具体的に示されていない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    公共事業の道路などインフラ用途での需要や、アスファルト殻の買取による循環の仕組みが示されている。

  • 費用対効果3

    燃料消費の5~7%減とCO2排出減、処理効率20%向上は示されているが、投資額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    重機の油圧とエネルギーを効率的に使う仕組みを開発したとあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    環境配慮の事業展開は書かれているが、日本経済の構造転換につながる成長分野への進出とは明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    青森県東北町で地域の再生砕石需要に応え、退職者を農業で雇用するなど地域の雇用づくりも記載されている。

今後の展望

重機駆動システムの開発により安定生産と低コスト化が実現し、RC-40規格品は公共事業の道路などで幅広い需要と高シェアが期待できる。今後は農業にも進出し、環境に配慮した事業展開を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。