ものづくり補助金平成29年度農業、林業岩手県

脱水装置導入による廃菌床の燃料化

有限会社越戸きのこ園

成果廃菌床の水分量 70%→55%

この事例のポイント

  • 菌床しいたけの生産量増加に伴い廃棄される菌床ブロックが増え、廃棄場所の確保が困難になっていた。
  • 廃菌床の水分量を減らすため、食品残渣の水分除去用の機械を菌床ブロックの水分除去用に仕様を改良した廃菌床脱水装置を導入した。
  • 廃菌床の水分量 70%→55%。廃棄物だった菌床ブロックを脱水し、バイオマスボイラーの燃料としてエネルギー資源に変えて販売できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社越戸きのこ園
所在地岩手県 久慈市
業種農業
技術分野バイオ,バイオ
従業員数98人
資本金300万円
設立2003年

事業の背景

当社は久慈市大規模園芸団地内で菌床しいたけを栽培し、ハウス110棟を保有して年間約1,000トンを収穫する、全国でも5指に入る生産規模を持つ。隣接する久慈バイオマスエネルギー株式会社は木質バイオマスボイラーを備え、ハウス内の暖房に熱供給を受けている。廃菌床も木質バイオマスの一種であるため、ボイラーの燃料にすることを考えた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算菌床しいたけの生産量増加に伴い廃棄される菌床ブロックが増え、廃棄場所の確保が困難になっていた。
  • 生産能力廃棄菌床ブロックが野外で野積みとなることもあり、景観上の悩みもあった。

やったこと

廃菌床の水分量を減らすため、食品残渣の水分除去用の機械を菌床ブロックの水分除去用に仕様を改良した廃菌床脱水装置を導入した。廃棄される菌床ブロックは70〜80%の水分を含むが、投入実験で加圧により55〜60%まで水分量を減少できることを確認した。その後、久慈バイオマスエネルギー株式会社の協力を得てバイオマスボイラーで燃焼実験を行い、差し支えなく燃料として再利用できることを確認した。装置はほぼ毎日稼働している。

加工機廃菌床脱水装置

事業の効果

  • 廃菌床の水分量 70%→55%
  • 久慈バイオマスエネルギー株式会社へ年14万円で販売

廃棄物だった菌床ブロックを脱水し、バイオマスボイラーの燃料としてエネルギー資源に変えて販売できるようになった。年14万円の販売額が生まれ、産業廃棄物として処分する場合の膨大な処分料を抑えられる。野積み場所の確保や景観上の悩みも解消された。廃菌床が再利用されることで循環型農業が実現し、他産地から視察が相次ぎ技術指導も行っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    平成29年度の事業で、菌床しいたけ栽培の廃菌床が年1,000トン規模に増えた課題に対し、脱水装置で資源化する取組が既存事業に直結している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    通年収穫できる菌床栽培で年間1,000トンを収穫し全国5指に入る規模があり、他産地から視察が相次ぐ強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    廃菌床の増加と野積み場所の確保難という課題を明示し、脱水による燃料化で解決を図る流れが具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売額は年14万円と示されるが、付加価値額や賃上げについての目標値は書かれておらず、実現可能性を判断できない。

  • 事業を進める体制3

    従業員98名、設立2003年、資本金300万円、110棟のハウス保有が書かれているが、補助事業を遂行する具体的な体制は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    製品は高品質な菌床しいたけで、農薬不使用・当日出荷と特徴は書かれているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後はハウスの増設を見込んでいると書かれているが、遂行方法やスケジュール、課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    菌床しいたけは一般的な品目で、同分野の中で高水準の高付加価値化や高価格化を図るとの記述は読み取れない。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用4

    廃菌床をバイオマス燃料として地域のボイラーで再利用し、循環型農業のモデルとして他産地へ技術指導している点が波及効果として読み取れる。

  • 費用対効果3

    年14万円の販売額に対し産業廃棄物処分料は膨大と述べるが、投入額や付加価値の増加額など数値による費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    隣接する木質バイオマス企業との連携による循環型モデルは示されているが、先端的なデジタル技術の活用は書かれていない。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    循環型農業という方向性はうかがえるが、市場成長分野への進出や日本経済の構造転換との関係は書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    久慈の大規模園芸団地と冷涼な気候を活かし、年1,000トンの生産規模で地域のバイオマス事業と結びついている点が読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は高品質な菌床しいたけのさらなる生産拡大を目指し、ハウスの増設を見込んでいる。

事業者の声

菌床しいたけは暑さが苦手。久慈の冷涼な気候は栽培に適している

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。