ものづくり補助金平成28年度農業、林業青森県

木質チップ製造機械導入による生産性向上と販路拡大

株式会社高橋林業

この事例のポイント

  • 住友林業フォレストサービス㈱から依頼を受けてみちのくバイオエナジー㈱へ木質チップを供給することになったが、これまでの原木材や残材の販売だけでは要望に応じることが困難だった。
  • 作業性や効率、バイオマス発電所燃料としてのチップの適正などを比較し、ナイフ切削式のウッドハッカーを導入した。
  • 原木材は含水率が異なってもチップ形状に大差がなかったが、含水率が高いと生産効率が悪く乾燥加工が必要だった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社高橋林業
所在地青森県 八戸市
業種林業
従業員数23人
資本金3,000万円
設立1931年

事業の背景

当社は立木伐採販売業として昭和6年に創業し、杉や松などの原木材や残材を主要製品としている。主要販売先は住友林業㈱100%出資子会社の住友林業フォレストサービス㈱などである。住友林業㈱が青森県八戸市で「八戸バイオマス発電」の運転を開始することになり、同社の燃料用木質チップ供給を目的としたみちのくバイオエナジー㈱が設立され、青森県と八戸市から誘致企業として認定された。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信住友林業フォレストサービス㈱から依頼を受けてみちのくバイオエナジー㈱へ木質チップを供給することになったが、これまでの原木材や残材の販売だけでは要望に応じることが困難だった。
  • 新製品・新技術木質チップを製造する設備を所有していなかったため、新規事業として木質チップの製造に取り組む必要があった。

やったこと

作業性や効率、バイオマス発電所燃料としてのチップの適正などを比較し、ナイフ切削式のウッドハッカーを導入した。バイオマス発電所への燃料供給として適した長さ・厚さ・形状のチップを製造できる設備である。導入後、原木材と残材を使用し、材質や含水率の違いによる品質や生産効率を検証した。樹種は杉・赤松・雑木を使用した。

加工機ウッドハッカー

新しい製品・サービス:燃料用木質チップ

事業の効果

原木材は含水率が異なってもチップ形状に大差がなかったが、含水率が高いと生産効率が悪く乾燥加工が必要だった。残材は長さや形状にばらつきが出やすいため破砕スピードの調整が必要となったが、サンプルはバイオマス発電所燃料として良質と評価された。これにより残材を使用した良質な木質チップの製造が可能となり、三八地域の未利用間伐材を木材燃料として利用でき、森林整備や燃料転換、地域の雇用創出や産業育成に資すると期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    立木伐採販売業として創業し原木や残材を扱ってきた実績が示され、木質チップ製造はその延長で新規事業と位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    住友林業グループの八戸バイオマス発電からの依頼に応じ、設備がなく要望に応じられなかった弱みを補う内容だが、市場や競合の分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    設備がなく依頼に応じられない課題を認識し、チッパー導入で木質チップ製造に取り組むとしている。成長指標は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産性向上を掲げるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標数値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員23名と記載があるが、補助事業を遂行する体制や人材配置についての記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    八戸バイオマス発電への燃料供給として長さ・厚さ・形状を満たすチップを製造でき、サンプルで発電所から良質との評価を得ている。

  • 事業化までの道筋3

    検証結果を踏まえ、今後は投入スピードやカッタークリアランスを調整するという課題と対応は示されているが、スケジュールは不明確。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    木質チップ製造は一般的な分野で、高付加価値化や高価格化を図る記述はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用4

    未利用間伐材の燃料利用による森林整備や、発電所関連の雇用創出と三八地域の産業育成に資するとされ、地域への波及が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    八戸市の誘致企業1社への販売のみで採算を確保できるとあるが、投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    バイオマス燃料への転換が図られるとあり、再生可能エネルギー分野への関与がわずかにうかがえるが、構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    三八地域の未利用間伐材を活用し、発電所関連の雇用創出と地域活性化に資するとして、地域特性を活かした事業が具体的に示されている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

八戸市の誘致企業1社を販売先として想定しており、この1社への販売のみで採算を確保できる見込みである。今後は材料の投入スピードやカッタークリアランスの調整を行い、販売先への高品質かつ安定供給を進める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。