ものづくり補助金平成29年度製造業宮城県

高品質と低価格を両立した新たな白石温麺の開発及び生産体制確立

株式会社きちみ製麺

成果1日の加工上限は小麦粉1袋(25kg)が4~5袋だったのが6袋まで加工できるようになった

この事例のポイント

  • 手延べ製法は生産に多大な労力と時間がかかるため、低コストかつ高品質な状態で商品を提供できない状態が続いていた。
  • 手延べ製法の生産技術を再現できる最先端設備を導入し、手延べ以上の美味しさを実現する開発を試みた。
  • 1日の加工上限は小麦粉1袋(25kg)が4~5袋だったのが6袋まで加工できるようになった。自動麺圧延設備により、麺にコシと弾力があり滑らかな食感が生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社きちみ製麺
所在地宮城県 白石市
業種食料品製造業

事業の背景

白石温麺は江戸時代からおよそ400年受け継がれる白石の名産品で、油を使わない伝統製法で作られる。きちみ製麺は明治時代からの歴史を持ち、職人の手延べ製法による温麺の美味しさにこだわってきた。一方で手延べ製法は生産に多大な労力と時間がかかるという課題があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力手延べ製法は生産に多大な労力と時間がかかるため、低コストかつ高品質な状態で商品を提供できない状態が続いていた。

やったこと

手延べ製法の生産技術を再現できる最先端設備を導入し、手延べ以上の美味しさを実現する開発を試みた。麺生地をまとめる工程では、複数のローラーを持つ自動麺圧延設備で圧力をかけ、コシが強く弾力のある滑らかな麺を実現した。次に麺を引き延ばす長さや速度を数値入力するだけで、均一の細さで小引作業を行う自動小引設備を導入した。従来手作業で行っていた麺分けは自動麺分設備で行い、麺が外気に触れる時間を短くして経時変化を防いだ。製麺用の温度湿度調整機も導入し、季節や環境に関わらず麺の管理を最適な状態に保った。

加工機自動麺圧延設備
加工機自動小引設備
加工機自動麺分設備
その他温度湿度調整機

新しい製品・サービス:高品質と低価格を両立した新たな白石温麺の開発

事業の効果

  • 1日の加工上限は小麦粉1袋(25kg)が4~5袋だったのが6袋まで加工できるようになった
  • 小引作業の人数 6人→4人

自動麺圧延設備により、麺にコシと弾力があり滑らかな食感が生まれた。自動小引設備と自動麺分設備により、小引作業の人数が6人から4人になり、麺分けの効率も上がった。温度湿度調整機により季節に関わらず麺の品質が安定し、品質の向上と安定を実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    手延べ製法と機械製法の二つを持つ長い歴史を持つ企業で、温麺専門店としての品質とブランドを強みとしていると書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    品質とブランドを強みとし、むやみに安くせず良いものを届ける方針が示されている。市場動向の分析までは書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    手延べ製法は生産に多大な労力と時間がかかり低コスト・高品質で提供できなかった課題を認識し、自動麺圧延設備などで解決を図っている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日の加工上限が小麦粉4~5袋から6袋に増え、今後は8袋を目指すと数値で目標が示されている。付加価値の数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    メーカーと一緒に機械の調整を続けていると書かれているが、人材や事務体制の詳細は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    手延べ製法の美味しさと品質を再現する点が強みとして示されているが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは書かれていない。

  • 事業化までの道筋3

    機械の導入後も温麺に合わせてメーカーと調整を続けている点は示されているが、中長期のスケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    手延べ以上の美味しさを目指す開発を試み、機械製法の温麺で手延べ品質を再現する点が特徴として書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地域経済の牽引役として伝統産業を守ると述べられているが、雇用創出や経済波及の数値は書かれていない。

  • 費用対効果3

    加工上限が4~5袋から6袋に増え、6人の作業が4人でできるようになったと効果が示されているが、費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    温度湿度調整機の導入で季節に関わらず品質を安定させ、自動麺分設備で外気に触れる時間を短くしたと具体的に書かれている。

政策面70%
  • 成長分野への進出2

    市場の成長分野への進出や日本経済の構造転換についてはわずかにうかがえる程度で、明確な記述はない。

  • 地域経済への波及5

    白石の伝統文化を受け継ぎ、地域経済の牽引役として伝統産業を守る取組が、白石温麺という地域の特性を活かした事業として明確に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は8袋の加工を目指している。

事業者の声

機械製法より値段が高いわけですが、手延べの美味しさはお客様にはきちんと評価していただいています。だからこそ品質管理を大事にして、良いものをきちんと届けて行きたいですね

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。