ものづくり補助金平成29年度製造業宮城県

婦人服製造での新縫製技術(布帛製品 TPS縫製)の確立による高付加価値製品量産の実現

株式会社メイクドゥピエロ

成果これまでハンドナイフで半日かけていた裁断が、CAM導入で2時間で済むようになった。

この事例のポイント

  • 国内の縫製工場が減り、アパレルからの大きな仕事が人件費の安い中国やベトナムに流れていた。
  • 今回、2台の千鳥縫いミシンと積層式自動裁断機(CAM)を導入した。
  • これまでハンドナイフで半日かけていた裁断が、CAM導入で2時間で済むようになった。CAM導入により、これまで半日かかっていた裁断が2時間で済み、その間に他の仕事もできるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社メイクドゥピエロ
所在地宮城県 白石市
業種繊維工業
技術分野材料製造プロセス,材料製造プロセス

事業の背景

白石工場では、ジル スチュアートなどの服を縫い上げ、東京本社が受注した製品を作っている。国内の縫製工場は減少し、アパレルからの大きな仕事は中国やベトナムに流れていた。中国は最新機械を揃えられる一方、日本は仕事減少で設備投資ができない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国内の縫製工場が減り、アパレルからの大きな仕事が人件費の安い中国やベトナムに流れていた。
  • コスト・採算中国では最新機械への設備投資ができる一方、日本では仕事が減って設備投資ができない悪循環が起きていた。
  • 人手・技能縫製スタッフが高齢化していた。
  • 新製品・新技術他社と差別化するため、アパレル企業から選ばれる新しい縫製技術が必要だった。
  • 人手・技能下請け体質が抜けず、条件交渉の主導権を取れなかった。

やったこと

今回、2台の千鳥縫いミシンと積層式自動裁断機(CAM)を導入した。千鳥ミシンには特殊なアタッチメントを装着し、生地の端と端を突き合わせて縫うTPS縫製を行えるようにした。通常の縫い合わせでは縫い代が必要で厚みが出るが、TPS縫製はフラットに仕上がるため、高級感のあるすっきりした服ができる。CADから送られるマーキングデータを裁断機に投影して自動で裁断する仕組みとした。千鳥縫いミシンは糸調整が難しいため、ミシンメーカーの方やこのミシンに慣れた本社社長や女性職員が研修を行った。

加工機千鳥縫いミシン(2台)
加工機積層式自動裁断機(CAM)

新しい製品・サービス:TPS縫製技術を布帛(織物)製品に適用し、伸縮性のあるカットソーやスポーツウェア、子ども服などに対応するデザインを提供する。

事業の効果

  • これまでハンドナイフで半日かけていた裁断が、CAM導入で2時間で済むようになった。

CAM導入により、これまで半日かかっていた裁断が2時間で済み、その間に他の仕事もできるようになった。TPS縫製技術の導入で、その縫製方法を活かした仕事がメーカーから入るようになった。下請け体質から脱却し、工場として面白いものができると認められれば次の仕事につながる状況になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    東京本社の受注を白石工場で縫製してきたとあり、縫製業の継続性はうかがえるが、経営戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    海外縫製品との競争激化や国内工場の減少が述べられ、TPS縫製で差別化する方針が書かれているが、強み・弱みの分析は具体的でない。

  • 課題の認識と解決4

    人件費の安い海外への仕事流出や縫製スタッフの高齢化という課題を挙げ、TPS縫製による高付加価値製品への対応を示している。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    裁断時間の半日から2時間への短縮は読み取れるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    本社社長や女性職員がミシンメーカーの研修を受けたとあり、人材面の準備はうかがえるが、体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    フラットな仕上がりや伸縮性のあるカットソーへの適用など、製品の価値と用途が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    若手社員の採用・育成を予定とあるが、スケジュールや課題解決の方法は詳しく書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ニットではなく他社がまだ開発していない布帛でTPS縫製を確立する点が、新分野への取組として具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    国内縫製工場の減少と雇用維持の課題がうかがえるが、波及効果や雇用創出の具体的な記述は少ない。

  • 費用対効果2

    裁断が半日から2時間になったとあるが、投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    千鳥縫いミシンとCAMによる新縫製技術で業界の課題に対応するが、サプライチェーンへの波及は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    国内縫製業の縮小という状況に対し新技術で対応する点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及はない。

  • 地域経済への波及2

    白石という地域の工場で高付加価値製品を作る点はうかがえるが、地域経済や雇用への効果は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は若手社員の採用・育成を予定している。

事業者の声

「これまでハンドナイフで半日かけて裁断していたものが、CAM導入でCADから送られるマーキングデータを投影し、自動的に裁断するので2時間で済むようになりました。その間にほかの仕事もできるので便利です」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。