ものづくり補助金平成24年度高知県

モニエル瓦専用太陽光支持瓦の試作開発

株式会社タムテック

成果別押しサブ油圧シリンダーにより高さの調整(10mm)ができるようにした。

この事例のポイント

  • 海外大手メーカーの撤退によりモニエル瓦の部材が揃わず、太陽光発電パネルの設置が困難になっている。
  • 開口部と立ち上がりを持つ支持瓦を作るため、焼き入れで作り込まれた複雑形状の金型について強度を十分に保証できる設計を行った。
  • 別押しサブ油圧シリンダーにより高さの調整(10mm)ができるようにした。モニエル瓦の屋根でも穴あけが不要で、漏水の心配なく太陽光パネルを簡単に取り付けられることを確認した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タムテック
所在地高知県 須崎市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野部材の締結
従業員数24人
資本金3,300万円
設立1958年

事業の背景

瓦屋根業界では昭和48年から平成22年までの40年間に約20億枚以上のモニエル瓦が大手ハウスメーカーや地方ビルダーを中心に採用され、現在も多くの住宅屋根に残っている。当社は高知県須崎市でGCMセラミック瓦を主力とする瓦メーカーで、高知県では施工例が多い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術海外大手メーカーの撤退によりモニエル瓦の部材が揃わず、太陽光発電パネルの設置が困難になっている。
  • 新製品・新技術瓦の加工が不要で屋根に荷重がかからないセメント製の太陽光支持瓦が必要だった。
  • 生産能力当社のプレス方式は上下運動による圧縮しかできず、開口部と立ち上がりを持つ支持瓦の再現が難しい。

やったこと

開口部と立ち上がりを持つ支持瓦を作るため、焼き入れで作り込まれた複雑形状の金型について強度を十分に保証できる設計を行った。主金型・中子金型の研磨と組み合わせの精度を向上させ、金型成形技術を高めた。上部金型の内部に中空用の中子と別押しサブ油圧シリンダーを取り付け、厚みが高くて絞れない部分を絞り、高さの調整(10mm)を可能にした。下部金型にも下枠と水切りの間に中子を取り付け、2つのシリンダーを併用してモルタルを押し上げ、高さを取って絞れるようにした。セメント、海砂、山砂、ビニロン繊維、添加剤の配合比を変えて試作・調整を繰り返し、最適なモルタル配合を求めた。

新しい製品・サービス:モニエル瓦専用の太陽光支持瓦(中空構造をもつプレスセメントによる厚型スレート太陽光支持瓦)

事業の効果

  • 別押しサブ油圧シリンダーにより高さの調整(10mm)ができるようにした。

モニエル瓦の屋根でも穴あけが不要で、漏水の心配なく太陽光パネルを簡単に取り付けられることを確認した。屋根が傷まず補修費用の発生を防げ、音や廃材も出ず、加工手間がなく早く均一に仕上がる製品が完成した。焼成工程がないため二酸化炭素の発生も最低限に抑えられ、サイズが大きく寸法精度や形状に優位性がある。現在2社に採用されており、県外への販路開拓や技術PRも期待される。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    顧客とニーズの裏付け施主が太陽光パネルを載せたい需要、穴あけ不要で漏水の心配がない点など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。
  • 4
    新しさ・高付加価値モニエル瓦の部材がそろわない中で、開口付き支持瓦を新たに製品化した点は、同分野で独自性が高いと読み取れる。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。2社に採用された点がうかがえる程度。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のGCM瓦に加え、モニエル瓦向け太陽光支持瓦の試作開発が、既存の製造技術を発展させた取組として記載されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    モニエル瓦の部材供給停止という市場の変化に対応する点は読み取れるが、競争優位の定量的根拠は示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    太陽光パネル設置困難という課題の認識と、2社採用済みという記載はあるが、高付加価値化の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。2社に採用された点がうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    従業員24名の企業であることは書かれているが、補助事業を遂行する体制や人材配置の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    施主が太陽光パネルを載せたい需要、穴あけ不要で漏水の心配がない点など、顧客ニーズと選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の活動予定や改良余地、メーカー承認を得る必要性が書かれ、スケジュールは示されていないが課題は整理されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    モニエル瓦の部材がそろわない中で、開口付き支持瓦を新たに製品化した点は、同分野で独自性が高いと読み取れる。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    約20億枚のモニエル瓦が現存するという記載はあるが、経済波及や雇用創出への言及は乏しい。

  • 費用対効果2

    焼成工程がなくCO2発生を抑えられる点は書かれているが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    焼成工程を省いて低炭素化につながる点はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    太陽光発電設置の普及に関連する点はうかがえるが、日本経済の構造転換を示す記述は少ない。

  • 地域経済への波及2

    高知の本社から県外の市場へ販路を広げる点が書かれ、地域の雇用や経済成長への言及は限定的。

今後の展望

新しい取り組みのため太陽光パネルメーカーのカタログ掲載前にメーカー承認が必要で、現時点で2社に採用されており、今後も営業を続ける。全国の瓦施工業者やインターネット直接販売も視野に入れる。中子一体プレス成形の改良と加工技術の高度化を目指す。

  • 目標:昭和48年から平成22年までの40年間に約20億枚以上のモニエル瓦が採用された。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。