ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

一珍技法を駆使した繊細な絵付けによる和モダン食器の開発

有限会社翔芳窯

この事例のポイント

  • 既存のガス窯では「ホワイトライン」のグレーの発色が思うように出ず、外注に出している状況があった。
  • 従来は1250度の還元雰囲気で製造していたが、今回「横扉式本焼成電気炉」を導入し、酸化雰囲気で本焼成を行えるようにした。
  • 酸化雰囲気での本焼成が可能になり、グレーやアイボリー、ターコイズブルーなど安定した発色で色のバリエーションが増えた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社翔芳窯
所在地長崎県 波佐見町
業種窯業・土石製品製造業
技術分野デザイン
従業員数16人
資本金300万円
設立1997年

事業の背景

昭和47年に波佐見町で生地専門店を創業し、平成に入って陶磁器の製造を始めた。一貫して手描きにこだわり、「ブルーフラワー」「ホワイトライン」「ローズマリー」「マリーゴールド」など趣向の異なるデザインシリーズを展開している。特に一珍技法を使った「ホワイトライン」シリーズは市場で高い評価を得ていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術既存のガス窯では「ホワイトライン」のグレーの発色が思うように出ず、外注に出している状況があった。
  • 品質・精度外注先へ運搬する際に破損することが多く、品質検査での不合格が多かった。
  • 生産能力外注先の焼成炉の生産スケジュールによって生産量が決まってしまっていた。

やったこと

従来は1250度の還元雰囲気で製造していたが、今回「横扉式本焼成電気炉」を導入し、酸化雰囲気で本焼成を行えるようにした。これにより安定した発色が可能になり、美しいグレーを出せるようになった。アイボリーやターコイズブルーなど柔らかな色も出せるようになり、色のバリエーションが広がった。外注をやめて内製化したことで、運搬による破損や検査不合格、外注先の生産スケジュールによる制約も解消された。

事業の効果

酸化雰囲気での本焼成が可能になり、グレーやアイボリー、ターコイズブルーなど安定した発色で色のバリエーションが増えた。内製化により外注時の破損や品質検査での不合格、外注先の生産スケジュールによる制約が一気に解決した。焼成回数が増えたことで生産量も増え、売上が3割アップした。外注していたものを内製化したことで、コストの削減だけでなく歩留まりの改善など自社で工夫できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.7 / 514観点のうち11観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標売上が伸びた、売上3割アップとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。
経営戦略との整合性3.0
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の「手描き」へのこだわりと一珍技法による「ホワイトライン」シリーズの展開が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場で高評価を得ている点と海外注文、コロナ禍のおうちカフェ需要が読み取れるが、自社の強み・弱みの分析は具体的に書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    外注の破損や不合格、炉のスケジュール制約という課題を認識し内製化で解決したと読み取れるが、事業計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性2.5
  • 付加価値・賃上げの目標2

    売上が伸びた、売上3割アップとあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制ー

    公開情報では判断できません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ブルーフラワーなど製品シリーズと、おうちカフェ需要や海外注文というニーズが読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後はコーヒーカップやセラミックフィルターを開発したいとあるが、スケジュールや課題解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ホワイトラインは一珍技法による独自の風合いで、他社との差別化が読み取れるが、高価格化の具体的数値はない。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用ー

    公開情報では判断できません。

  • 費用対効果3

    外注を内製化し破損や不合格が減り、焼成回数と生産量が増えたと読み取れるが、投入額に対する費用対効果の数値はない。

  • イノベーションへの貢献2

    電気炉による酸化雰囲気焼成という新たな製造方法はうかがえるが、デジタル技術や地域イノベーションへの言及は乏しい。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    波佐見町で創業し、焼きものの町の地域特性を活かして事業を営んでいることが読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

今後の展望

コロナ禍で「おうちカフェ」がブームになり、コーヒーセットのニーズが増えており、海外からの注文もある。今後はコーヒーカップやソーサーに加え、絵付けを施したセラミックフィルターなども開発し、独自のコーヒーセットを追求したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。