ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

秋田伝統郷土食「いぶりがっこ」製造事業における作業性及び生産性向上のための 自動機械設備の導入

有限会社ゆめ企画須藤健太郎商店

成果検品処理能力 500パック/時間→1,000パック/時間

この事例のポイント

  • 製造工程はほとんどが手作業で、検品作業はルーペを使った作業員の目視確認のため時間がかかり、他の工程にも影響を与えていた。
  • 製造工程の中で負担が大きかった検品作業に、X線検査装置を導入した。
  • 検品処理能力 500パック/時間→1,000パック/時間。X線検査装置の導入により検品作業が省力化され、1名余剰が生まれた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社ゆめ企画須藤健太郎商店
所在地秋田県 羽後町
業種食料品製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数10人
資本金1,000万円
設立2004年

事業の背景

当社は2004年に創業した「いぶりがっこ」の製造業者で、米ぬかと砂糖・塩のみを使い100日を超える長期の漬け込みで大根の水分を絞る昔ながらの製法を守っている。看板商品「金の蔵」は大量生産できない希少品で、購入の問い合わせが多数寄せられていた。一方でHACCP認証取得の準備を進めており、検査装置の導入が必要不可欠な状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造工程はほとんどが手作業で、検品作業はルーペを使った作業員の目視確認のため時間がかかり、他の工程にも影響を与えていた。
  • 人手・技能田舎特有の地域課題として人材確保が難しく、人員を確保しにくい状況だった。
  • 品質・精度HACCP認証取得に向けて異物混入防止の最終チェック工程に検査装置が必要だったが、導入できていなかった。
  • 販路・情報発信異物混入検査装置を導入していないことを理由に商談が成立しない案件が多く、新規取引を見送る状況が続いていた。

やったこと

製造工程の中で負担が大きかった検品作業に、X線検査装置を導入した。導入前は2名対応で500パック/時間の処理能力、検品は2回実施していたが、導入後は1名対応で1,000パック/時間、検品は1回で済むようになった。あわせてHACCP認証を取得し、異物混入防止の体制を整えた。

検査測定X線検査装置

事業の効果

  • 検品処理能力 500パック/時間→1,000パック/時間
  • 検品回数 2回→1回
  • 検品作業の従事人数 2名→1名

X線検査装置の導入により検品作業が省力化され、1名余剰が生まれた。その1名を製品加工部門に配置転換したことで生産量が増加した。HACCP認証取得と検査装置の導入により、商談先から安心と信頼の評価を得られるようになり、販路の拡大につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来の昔ながらの製法を信条とし、いぶりがっこ製造を継続している点は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    希少でこだわりのある製品という強みと、商談で検査装置未導入が理由で不成立だった事実は読み取れるが、市場分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    検査装置未導入で商談不成立が多かった課題を明示し、X線検査装置とHACCP認証取得で販路拡大が実現したと結果まで書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    検品作業が500パック/時間から1,000パック/時間になり、余剰1名を製品加工に配置して生産量増加につなげたと数字で示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員10人規模の体制や申請で苦労した旨は書かれているが、補助事業の遂行体制を具体的に示す記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    希少でこだわりのある製品と検査装置が商談の条件になっていた点は読み取れるが、顧客ターゲットの整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    HACCP認証取得や導入の経緯は書かれているが、中長期の遂行方法やスケジュールは具体的に読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    大量生産できない希少品という高付加価値性は読み取れるが、高価格化や分野での水準は数字で示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    秋田伝統郷土食の継承や地域の人材確保難への対応、地域の小中学校への食文化発信が書かれており地域波及は読み取れる。

  • 費用対効果3

    省力化で余剰1名を生産に振り向け生産量増加につなげた点は書かれているが、投入額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    地域の伝統食を地域特性として生かし、人材確保難の地域課題に対応して余剰人員を配置し生産増につなげた点が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

2021年10月に創業者の須藤健太郎会長から薄井あゆみ社長へ事業承継が行われた。今後は会長が築いた人的なつながりを守りつつ、オンラインなども活用して顧客との接点を増やしていく方針である。また地域の小中学校を対象とした工場見学会を積極的に行い、地域の食文化を伝えていく活動にも力を入れる予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。