ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

HACCP導入による和菓子の生命である餡づくり、より美味しく、より生産性向上を図る。

株式会社くらた

この事例のポイント

  • 既存の鉄製部品が多い製餡設備では錆びの処理や分解洗浄に時間がかかり、品質面やサニタリー性に改善が必要だった。
  • 豆煮・製餡・圧搾の各工程に、鉄製部品から変えたステンレス製の新設備を導入した。
  • 豆を釜にセットした後は人員の固定配置が不要になり、他の作業に従事できるようになったため生産効率が上がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社くらた
所在地秋田県 湯沢市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数97人
資本金1,000万円
設立1861年

事業の背景

当社は秋田県内に14店舗を構える和・洋菓子製造販売業者で、餡を自家製造している。餡を使う商品は50種類以上あり、主力商品の「おばこナ・ひでこナ」は昭和30年代後半から製造している。日常消費の菓子はコンビニスイーツの水準が年々向上しており、既存商品だけでは飽きが生まれるという危機感を持っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存の鉄製部品が多い製餡設備では錆びの処理や分解洗浄に時間がかかり、品質面やサニタリー性に改善が必要だった。
  • 人手・技能旧来設備では多種の餡を製造するため出来上がりの品質にムラがあり、製造・清掃に長時間を要して専門人員の配置が必要で、他の作業に支障をきたしていた。

やったこと

豆煮・製餡・圧搾の各工程に、鉄製部品から変えたステンレス製の新設備を導入した。既存の工程は豆煮、磨砕・加水・ふるい分け・さらし、圧搾で、圧搾では搾り袋に入れて圧搾機で脱水し生餡を製造する。新設備では小豆の収穫からの経過時間や保管温度、季節ごとの水温・気温に合わせて水につけ置きする時間と煮る時間を変え、小豆の状態に合わせた最適な豆煮時間をプログラムできるようにした。

加工機ステンレス製製餡ユニット(豆煮・製餡・圧搾の新設備)
加工機油圧搾り機

事業の効果

豆を釜にセットした後は人員の固定配置が不要になり、他の作業に従事できるようになったため生産効率が上がった。小豆の状態に合わせた豆煮によりムラのない生餡を製造できるようになった。鉄製部品からステンレスに変わったことで衛生面の課題が改善され、豆煮・製餡・圧搾の各工程で歩留りが向上することも確認できた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去から餡を100%自社製造してきた経緯と、看板商品の自家製餡を重視する方針が読み取れるが、設備投資を経営戦略上どう位置付けたかは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    原材料へのこだわりや14店舗の展開は書かれているが、市場動向と自社の強み弱みを踏まえた競争優位の説明は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    鉄製部品による錆び処理・分解洗浄の時間、品質とサニタリー性の課題が具体的に示され、新設備導入で人員配置と歩留りを改善する計画が読み取れる。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標値としての付加価値額や賃上げの数字は示されておらず、歩留りや生産効率の向上がわずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制2

    補助事業の遂行体制や事務処理能力に関する記述は見当たらず、設備導入後の人員の再配置がわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    看板商品おばこナ・ひでこナやOEM納品の心太など、製品と顧客評価は書かれているが、ニーズの裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の課題検証やスケジュールは書かれておらず、今後の新商品開発の方針がわずかにうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    自家製餡を100%自社製造する点は特徴だが、同分野での高付加価値化や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    北海道十勝産小豆や秋田県内の店舗展開など地域との関わりがわずかにうかがえるが、波及効果の説明は弱い。

  • 費用対効果3

    歩留りの向上や生産効率の向上が確認されたと書かれているが、投入額に対する数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    プログラムによる豆煮時間の最適化という制御の工夫がうかがえるが、デジタル技術の先端性やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    秋田県湯沢市の地域産品を使った商品が紹介されているが、地域経済への牽引効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

日常消費の菓子としてコンビニスイーツのレベルが年々向上する中、こだわりの原材料を使った手の込んだ菓子でも既存商品だけではマンネリや飽きが生まれるという危機感を持ち、新商品を生み出すことを心がけている。最近はいぶりがっこと湯沢市三関産のせりを入れた「お茶漬け」や「心太」など菓子以外の商品販売にも挑戦している。

事業者の声

おいしさにまごころこめたお菓子 そこになくてはならない店 みんなしあわせな生活 力をあわせてそれをつくろう

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。